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世界最大の携帯電話メーカーNokiaがMicrosoftに買収された裏に何があったのかを明かす「Operation Elop」がついに全文英訳され公開へ


かつて世界最大の携帯電話メーカーだったフィンランドのNokia(ノキア)は、2010年にMicrosoftから新CEOを招聘し、3年後の2013年9月に54億4000万ユーロ(約7100億円)でMicrosoftに買収されました。この2010年から2013年のノキアでは何が起こっていたのかを、100人以上の関係者の証言をもとに再現、検証し2014年にフィンランドで出版された「Operation Elop」が、ついに全文英訳され無料で公開されました。

Operation Elop – Harri Kiljander – Medium
https://medium.com/@harrikiljander/operation-elop-6f2b043f52c5

「Operation Elop」は二人のフィンランド人ジャーナリストMerina Salminen氏とPekka Nykänen氏によって出版されました。

ノキアは2010年9月10日に、ノキアで30年間働いてきたOlli-Pekka Kallasvuo氏から、Microsoftのビジネス部門からやってきたステファン・エロップ氏へとCEOの座が引き継がれました。「アメリカ市場で落ち込むノキアの販売のテコ入れをする」ことが目的でなされたCEO交代劇でしたが、その後のMicrosoftによるノキア買収のスタート地点とみることもできる大きな出来事でした。

エロップ体制の下でノキアは、2011年2月11日にMicrosoftとともにWindows Phoneでの世界的なモバイルエコシステムを構築するために幅広い分野で提携する戦略的パートナーシップを発表しました。このパートナーシップに従ってノキアはスマートフォンにMicrosoftのWindows Phoneを採用することを決定。その後のWindows Phoneの低迷はノキアの業績に大きく反映され、最終的にはMicrosoftに飲み込まれることになったというわけです。


この2010年から2013年のエロップ体制においてノキア社内でどんなことが起きていたのか?について、Salminen氏とNykänen氏は100人以上の関係者に取材して聞き取り調査をしました。なお、取材対象となった人のほとんどが、現在もなおノキアに在籍しているそうです。

2014年にフィンランドで出版された「Operation Elop」は大きな反響を得ましたが、書籍を発行した出版社では英語版をリリースすることができなかったとのこと。そこで、元ノキア社員から「Operation Elopをクラウドソーシングによって英訳するべきだ」という提案が出され、実際に一部の章はボランティアによって英訳されました。しかし、出版社との契約にのっとって、英語版Operation Elopの出版は2017年まで延期されたそうです。


このような経緯で長らく英語版の出版が待たれていたOperation Elopが、ついにMedium上で公開されました。

Operation Elop – Harri Kiljander – Medium
https://medium.com/@harrikiljander/operation-elop-6f2b043f52c5


多くのボランティアの協力のおかげで完成した英語版Operation Elopは、全27章。ウェブレイアウトではなく電子書籍や紙ベースで読みたい人のためにPDF/EPUB/MOBI形式のファイルも用意されており、全300ページのボリュームになっています。なお、出版が遅れた英語版Operation Elopは、原著の表現を忠実に再現しているため「現在の」という表現は、「2014年10月」に読み替えるよう注釈が付けられています。

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in モバイル,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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