Nokiaが独自OSを捨てWindows Phoneを選んだ理由とは?

By michele ficara manganelli

Nokiaは2011年に独自OSであった「Symbian OS」に見切りをつけ、モバイルプラットフォームを「Windows Phone」に移行する考えを明らかにしました。そして、2014年4月25日、MicrosoftがついにNokiaのデバイス&サービス部門の買収を完了。これまでNokiaのデバイス&サービス部門担当エグゼクティブバイスプレジデントだったスティーブン・エロップ氏が、新たにMicrosoftのエグゼクティブバイスプレジデントとして同部門を統括することになっています。Windows Phoneへの移行が明らかにされてから3年でMicrosoftの傘下に加わったNokiaですが、エロップ氏が「なぜ、独自OSではなくWindows Phoneを選んだのか」、その理由についてNeowinのインタビューで明らかにしています。

Nokia chose Windows Phone because it was scared of Samsung's Android dominance - Neowin
http://www.neowin.net/news/nokia-chose-windows-phone-because-it-was-scared-of-samsungs-android-dominance

Symbian OSを諦めてWindows Phoneプラットフォームのスマートフォン開発を行なうことが決定された主な理由として、エロップ氏は「サムスン電子の存在が大きかった」と語っています。エロップ氏によると、このままAndroid端末に力を注いでしまうと、サムスン電子との衝突は避けられないと考えており、その結果、独自OSでもなくAndroidでもないWindows Phoneに開発の重点を置く決断を下したとのこと。

エロップ氏はWindows Phoneを選んだことが今でも正しかったと信じていて「サムスン電子以外にAndroid端末を開発している企業は軒並み厳しい戦いを強いられており、我々の選択は正しかったと言えるでしょう」と発言。インタビューを行なったNeowinは「Nokiaがサムスン電子を恐れていたことは明らかですが、HTCがAndroid市場で苦戦を強いられている状況を考えれば、NokiaがWindows Phoneを選んだのはあながち間違いではなかった」としています。

By JD Hancock

現にNokiaはWindows Phoneのほとんど全てのシェアを獲得。また、Windows Phone自体も2013年にイギリス・フランス・ドイツ・スペイン・イタリアという欧州5大市場で9.2%のシェアを獲得し、2014年も世界の14カ国でiOSを抜いて第2位になりました。

By gui ambros

エロップ氏がWindows Phoneに移行した理由としてもう1つ挙げていたのが「MeeGo」の存在です。MeeGoは、インテルが主導してきたMoblinとノキアが主導してきたMaemoプロジェクトを統合する形で発表された、Linuxベースのモバイル端末向けプラットフォームです。MeeGoの開発は大幅に遅れていて、端末は2011年にリリースされた「N9」のみにとどまっています。エロップ氏は「MeeGoの開発がなかなか進まない中、Nokiaをもう一度復活させるにはMeeGoに見切りをつけて次に進む必要性を感じていたのです」と発言しています。

では、Windows Phoneへの移行についてNokiaの社員はどういった考えを抱いているのか、Nokiaに関する本を執筆し、同社に詳しいヘルシンキタイムスの記者デビッド・コード氏によると、社員の中にはMicrosoftを嫌う社員もいますが、ほとんどはWindows Phoneへの移行を全力でサポートしているとのこと。ただし、多くの社員はサポートの意志を示す一方、移行に関して2つの問題があったとしています。1つ目は、Windowsへの移行を示したものの、Windows製品を所持していなかったNokiaがSymbian OSの端末をリリースすることなく、ただただWindows Phone搭載製品の開発を待っていたこと。2つ目の問題は、Microsoftとの契約により、他のOSを使って端末をリリースしながらWindows Phone搭載製品を開発することができなかったことです。

By Zatomas

MicrosoftはNokiaが強みを握っている新興国や欧州でWindows Phoneを展開していますが、日本ではWindows Phone搭載機種は2011年以降登場しておらず、事実上撤退状態にあります。独自OSを早々に見限り、Windows Phoneに重点を置く戦略をとったNokiaがWindows Phoneの将来を担うといっても過言ではない状況で、2014年にMicrosoftおよびNokiaがどのような端末を発表するのか、果たして日本市場に戻ってくる日は来るのか、今後の展開に注目が集まります。

なお、約1年前の2013年5月23日に当時のMicrosoftのCEOであったスティーブ・バルマー氏が東京で講演を行った際には「まだ、日本ではWindows Phone 8は展開されていないが、現在、国内で披露するための努力を続けている。市場投入する際には、スマートフォンの刷新を図っていきたい。一つのスマートフォンがすべての人々のために展開するというのではなく、一人一人の保有する端末が、パーソナル化されるようにしていきたい」と述べています。

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