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写真編集で重要になる「カラーバランス」とは何か?


写真を編集していると画面全体が青っぽく見えたり、人物の肌色が不自然に見えたりすることがあります。こうした色の偏りを整える時に重要になるのが「カラーバランス」です。

Color balance - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Color_balance


Color Balance in Digital Imaging | Nikon’s MicroscopyU
https://www.microscopyu.com/digital-imaging/color-balance-in-digital-imaging

Surprising looks with white balance - Adobe
https://www.adobe.com/creativecloud/photography/technique/white-balance.html

カラーバランスとは、写真や画像の処理で赤・緑・青などの色の強さを全体的に調整する処理です。特に白や灰色などの「中立色」を正しく見せることが重視されるため、カラーバランスは「グレーバランス」「ニュートラルバランス」「ホワイトバランス」と呼ばれることもあります。

以下はカラーバランス調整によって写真全体の色味が変わる例。左半分はデジタルカメラから出力されたままの写真で、右半分は灰色面が中立的な灰色に見えるよう手動で調整された写真です。この調整にはPhotoshopのレベル補正が使われています。


カラーバランスが必要になる理由は、カメラやフィルムが記録した画像がそのまま人間の目で見た色と一致するわけではないため。イメージセンサーやフィルムは人間の目とは異なる特性を持っており、撮影時の光や表示するモニター・紙・画像を見る環境によっても色の見え方は変わります。

同じ被写体を撮っていても、照明の色が変わると写真全体の色味も変わります。以下は中立的な光で撮影した例。


同じ被写体を暖かい光で撮影すると、こんな感じで全体が黄色やオレンジ色寄りになります。


冷たい光で撮影すると写真全体が青色寄りに。


デジタルカメラにはこうした照明の色の違いに合わせるためのホワイトバランス設定が用意されており、自動ホワイトバランスのほか、晴天・曇天・電球など撮影環境に応じたプリセットを選べるカメラもあります。また、灰色のカードや白い紙などの中立色を撮影することで、その場の光に合うカラーバランスを設定することも可能。

同じ中立光の下であってもカメラ側のホワイトバランス設定を変えると色が変わるという例が以下。まずは曇天向けの設定で撮影した例。


電球向けの設定にすると、写真全体が青色寄りになります。


木や草、空の色は多少ずれていても気になりにくいものですが、肌色が不自然にずれると人物の血色が悪く見えたり病気のように見えたりすることがあるため、人物写真では肌色のずれが特に目立ちやすくなります。以下の画像は人物写真のカラーバランスを調整した例。左の「Before」と右の「After」では背景や葉の色だけでなく顔の印象も変わっているのが分かります。


カラーバランスは必ずしも「実物に近い色へ戻す」ためだけに使われるわけではなく、画像の色を変えることで雰囲気や印象を作るために使う場合もあります。例えば、オーストラリア・タスマニア州のクリフトンビーチで撮影された以下の写真ではホワイトバランスが暖色寄りに調整されており、これによって夕方のような暖かい雰囲気が表現されています。


以下は1分以内に連続で撮影された高層ビルの2枚の写真を比較したもの。左は通常に近いカラーバランスで、右はカメラ内の効果によって「鮮やか」なカラーバランスになっています。


画像全体が特定の色に寄って見える状態は「色かぶり」と呼ばれます。例えば白い紙を黄色っぽい照明の下で撮影すると、カメラは白い紙に反射した黄色寄りの光を記録するため、写真全体も黄色っぽく見えます。カラーバランスでは、この色の偏りを見積もった上で赤・緑・青の成分を調整し、白や灰色が中立的に見える状態へ近づけます。

デジタル画像は多くの場合ひとつひとつの画素に赤・緑・青の値(RGB値)を持っており、カラーバランス調整では例えば黄色寄りに写った画像では青の成分を強めたり、逆に赤や緑の成分を抑えたりします。つまり、調整対象は画像内の一部の色ではなく画素ごとのRGB値そのもの。


単純な補正ではRGB値にそれぞれ一定の倍率をかけて色味を整えますが、RGB値はあくまで画像データ上の赤・緑・青の強さであり、人間の目が感じる色の変化と完全に一致するわけではありません。例えば、数値上は赤を少し増やしただけでも、人間には肌色や灰色の印象が大きく変わったように見えることがあります。

カラーバランスは撮影時にカメラ側で調整する場合もあれば、撮影後に画像編集ソフトで調整する場合もあります。ただし、2004年に発表されたJ・A・スティーブン・ヴィッジャーノ氏の研究では、カメラ側でホワイトバランスを調整する方が、モニター上に表示されたRGB値を後から調整するよりも色のゆがみが少ない傾向があることが示されています。また、撮影後に調整する場合でも、すでに表示用に変換された画像よりもRAWデータの段階で調整する方が色のゆがみを抑えやすいとのことです。

カラーバランスの意味が分かりやすい例が、NASAの火星探査車「Curiosity」が撮影した火星の写真です。以下は同じ画像について3種類の色表現を並べたもの。左は火星から送られてきた未処理の色で、中央は画像を校正して「火星に自分が立ってその場を見た場合」に近いと推定される自然な色にしたもの。右は、地球のような照明の下で見た場合の火星の地形の色を推定するためにホワイトバランス処理を加えたものです。3枚の画像はどれか1つが「正しい色」ということではなく、カメラが記録した色をどのような目的で見せるかによって画像の色が変わることを示しています。


カラーバランスは「現実の色へ戻すため」だけの処理ではなく、撮影時の光・表示する環境・見る人に何を伝えたいかに合わせて画像全体の色を整える処理だといえます。

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in ソフトウェア,   デザイン, Posted by log1b_ok

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