「寿司は人生」と語るアメリカ人女性が寿司修行の思い出を語るムービー
世界で最も人気のある日本食の一つである寿司(すし)。その寿司を調理する寿司職人になるには、10年間以上の修行期間が必要ともいわれます。寿司職人になるために若いアメリカ人女性が日本人寿司職人の元で「APPRENTICE(見習い)」として修行をしている様子を紹介するムービー「How To Become A Sushi Chef(寿司職人になる方法)」が世界各地の食に関するコンテンツを発信するYouTubeチャンネルEaterで公開されています。
How To Become A Sushi Chef - YouTube
ムービー内の解説とリポートは、アメリカで寿司店を開いている寿司職人David Bouhadanaさんが案内します。
寿司職人になるには通常、10年間の修行修行期間を経ます。
最初は掃除などのみする「見習い」から始まり、その間は寿司の材料に触ることすら許されません。
しかし、既に新しい時代が始まっています。このアメリカ人女性、Oona Tempestさんは、日本人寿司職人のもとに寿司職人になるために弟子入りしました。
Tempestさんがこの男性、ベテランの寿司職人であるToshio Ogumaさんです。
ニューヨークで寿司バー「Tanoshi」を経営しています。
Tanoshiは、ニューヨークのセントラルパークに近いヨーク・アベニュー10021番に店を構えています。
Bouhadanaさんが見習いのTempestさんが握る寿司を食べながら、師弟2人へのインタビューをカウンターでゆったりと行います。
「3年間ぐらいの寿司の基礎知識を学びました」と見習いのTempestさんが修行の経験を振り返っていきます。
「私は魚の状態の目利き、さばき方、衛生状態の管理方法などを学びました」
「弟子入りをすると、師匠は継続的に知識を教えてくれました。師匠は私によく『過去の自分自身との競争と対話だ』と言います」
続いて、師匠のOgumaさんが修行を始めた直後を振り返ります。「彼女が初めて尋ねてきた時は、既に魚に関する基礎的な技術は習得済みだったので、私は知っていることを繰り返さないように教えました」
それを受けて、インタビューをしているBouhadanaさんが自分の寿司修行経験を話します。
「私も同じく見習いからの寿司職人修行をした経験があります」
「私はまずウェイターとして店に入ってから弟子入りしました。修行に入った時に勤め先の師匠から『包丁を握った経験はあるか?』と聞かれて……」
「『あります』と人生で1度も経験がないのにウソをついてしましました」
その後もTempestさんが鮮やかな手さばきで寿司を握りながら、インタビューが続きます。
Bouhadanaさんが質問を投げかけます。「寿司を握るのは仕事でなくて人生?」
「はい、人生です。お金に換算できません」とTempestさんが答えます。
後ろで眺めていた師匠のOgumaさんが「religion(信仰)だね、まさにこれが答え」と付け足します。
Bouhadanaさんが「なるほど」という顔をしながら笑顔で返します。
その後もTempestさんが次々と寿司を握っていきながら、インタビューに答えていきます。
Tempestさんが見習いという習得方法を選択した理由を答えます。「私がこの修行を始めた理由は私の『人間性』だと思います」
「物事の『何に重きを置くか』ということです。私はお金を求めず、知識だけを求めました」
「そしてその考え方が、師匠が私に寿司を教えようと思ってくれたきっかけの1つにもなりました」
その後、インタビューをしてるBouhadanaさんが修業時代の苦い思い出を語ります。「私は18歳の寿司修行中に小さなトラウマがあります」
「あるお客さんが店にやってきて僕を見た時……」
「『彼が握った寿司は食べたくない』と言ったのです」
それを聞いて師匠のOgumaさんが、この店で起きた体験を話します。「1度、気難しいお客さんが、この店来たことがあります」
「Tempestさんが寿司を握ると、そのお客さんは『私は女の寿司職人が作った食い物は食べることができない』と言いました」
「しかし、私は言いました『女か男か問題ですか?』」
「私が彼女に寿司を作るように指示しました」
「彼女は立派な職人です」
「そして私はこう答えました。『あなたが彼女が握った寿司を食べたくなければ、私は別の寿司を用意しないし、家に帰りなさい』と答えました」
「そうじゃなければ、私は彼女に寿司を握らせたりしませんよ」と師匠のOgumaさんが当然のこととして言います。
見習いのTempestさんがうれしそうに語ります。「人は誰かが自分に対して信頼を築いていることを知ると、より力を発揮することができます」
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