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FreeBSDシステムでIntel Optaneメモリはどれくらい速いのか、他のメモリとベンチマーク結果を比較


FreeBSDライブラリを使用してZFS ZIL/SLOGのパターンをシミュレートできるメモリ速度のベンチマークソフトがリリースされ始めていますが、多くのベンチマークソフトでは純粋な書き込み速度または70/30ワークロードに焦点を当てているのに対して、書き込み耐性の高いドライブは、データを書き込んでは消す「キャッシュ」用途で使われることも多いものです。速度重視のストレージアレイを組む上で有力なファイル形式のZFSで、従来型のNAND SSDとIntelの新型メモリOptane SSDの両者で、パフォーマンスがどう異なるのかについて、比較試験が行われています。

Exploring the Best ZFS ZIL SLOG SSD with Intel Optane and NAND
https://www.servethehome.com/exploring-best-zfs-zil-slog-ssd-intel-optane-nand/

検証を行ったSTHのPatrick Kennedy氏は、Intel Xeon E5-3650 V4のデュアルCPU、256GBのDDR4-2400メモリ、FreeBSD 11.1をOSに採用する「Supermicro 2U Ultra」というサーバーを利用して、IntelやSamsungの各種SSDをテストしています。比較したSSDは、SATAドライブが「Intel DC S3700(400GB)」「Intel DC S3610(480GB)」、SASドライブが「HGST HUSSL4040ASS」、NVMe SSDが「Intel DC P3700(400GB)」「Intel DC P3600(800GB)」「Samsung PM1725 M.2(480GB)」「Samsung PM935 M.2(480GB)」、Optaneメモリが「Intel Optane 900p(280GB)」「Intel Optane M.2(16GB)」となっています。

・転送レート
転送レートの値の比較では、下グラフでわかるとおりOptane 900pが他のメモリを圧倒する速度を記録しました。Optaneメモリは容量・耐久性には欠けますが、同一カテゴリ内でのパフォーマンスは圧倒的だとのこと。また、NVMe SSDとSATA/SAS SSDとで、明確な速度差も確認でき、相対的な速度差からグループ分けができています。Kennedy氏は、ネットワーク環境が10GbEにとどまるならばNVMe SSDで十分だが、25GbEや40GbEにステップアップしているならばOptaneメモリを求めるべきだと述べています。


・I/Oレイテンシー
Kennedy氏によると、ZFS ZIL/SLOGデバイスで重要なのはI/Oレイテンシーだとのこと。たいていのストレージシステムが24時間365日100%で稼働できないため、それぞれのI/O遅延がどれほどかが重要な要素になってくるそうです。

I/OレイテンシーでもSATA/SASのSSDが遅れをとり、NVMe SSDはまずまず有能。そして、Optane 900pは、その他のメモリを置き去りにする高性能ぶりを見せています。


転送量が512KB以下を詳しく見ると以下の通り。Intel Optane M.2は16GBと容量制限はあるものの、16KB以下の転送サイズでは最上位のMVMe SSDと競合できている点は興味深いとKennedy氏は述べています。なお、圧倒的な高性能ぶりを見せるOptane 900pはエンタープライズ向けNVMe SSDの10分の1のレイテンシーで、まるでX軸にひっつきそうなレベルだとのこと。


Kennedy氏によると、最新のFreeBSD diskinfo slogbenchを使う場面でIntel Optaneの性能が際立っており、実際のところSATAやSASドライブの選択肢を失わせるほどだとのこと。さらに前世代のキラーSSDだった「Intel DC P3700」でさえ、Intel Optane 900pによって置き換えられるほどだと述べています。仮に1GbE環境で10TBのZFSシステムNASを使う場合で信頼性の若干の低下を甘受できるのであれば、32GBのIntel Optane M.2は、100ドル(約1万1000円)以下の出費で、SATA/SASシステムからのアップグレードも可能だろうと結論づけています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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