男と女の自撮りに違いがあるのはなぜか?

by jlmaral

「男と女で自撮りの仕方にはどのような違いがあるのか?」ということを、フロリダ州立大学の研究者らが動物の進化行動と比較することで調査しました。

Relative Physical Position as an Impression-Management Strategy: Sex Differences in Its Use and ImplicationsPsychological Science - Anastasia Makhanova, James K. McNulty, Jon K. Maner, 2017
http://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797616688885

The Surprising Reason Men and Women Take Selfies Differently
https://www.artsy.net/article/artsy-editorial-surprising-reason-men-women-selfies-differently

野生動物の世界では、2頭の動物が互いの体を大きく見せようとして、相手との物理的な位置関係を調整する姿がよく見られます。心理学者のAnastasia Makhanova氏は、写真の写り方によって変化する「閲覧者との位置関係」を調整すべく少女たちがカメラのアングルを変えている様子を見て、「このような行動パターンはどこから来ているのか?」疑問に思ったそうです。男女の自撮り傾向を生物の進化論の側面から理解したいと考えたMakhanova氏は、複数の調査を実施。

研究の初期の段階で、Makhanova氏のチームがオンラインで公開されているデートサービスのプロフィール画像を集めたところ、多くの女性のプロフィール画像は上から見下ろす角度で撮影されていることがわかりました。なお、同性愛者と異性愛者で「魅力」が異なって映る可能性を考え、被験者は異性愛者のみを対象としました。

一方で、男性の場合はデートサービスのプロフィール画像において顕著な傾向は見られなかったのですが、ビジネス特化型SNSであるLinkedInでは、「下から上に見上げる角度」で撮影される傾向が高いと判明。女性については、LinkedInにおいても「上から見下ろす形」で撮影されることが多かったといいます。

by Pablo

Makhanova氏は、自撮りにおいては「オンラインサービスの向こう側にいる閲覧者」が非常に重要になってくると説明しています。下から見上げる角度で撮影された写真は被写体全体のサイズと顎のラインを強調するため、男性を競争において支配的な立場に見せるのです。目の前のオスに対して自分を大きく高齢に見せ、支配力や地位を見せつける行動は、進化の過程において多くのオスの動物に見られます。

歴史的に見ると、ヒトラーやスターリンは自らの権威を脚色するために下からの角度で写真を撮影しており、映画の世界でいうならスタンリー・キューブリック監督やアルフレッド・ヒッチコック監督がキャラクターに力と支配力を与えるために下からのショットで撮影しています。

では自撮りの世界でも同じことが言えるのか?ということで、Makhanova氏は大学生250人にカメラを渡し、撮影された写真を見るのが男性であるか女性であるかを伝えた上で、自撮りしてもらいました。すると、「男性が写真を見ると聞いた時の女性が上からの角度で撮影する傾向」と「男性が写真を見ると聞いた時の男性が下からの角度で撮影する傾向」が高かったとMakhanova氏。

by rawpixel.com

最後の実験として、アングルの違いによって見る人は異なった印象を持つのか?ということをMakhanova氏は調査。被験者である男女に上から・正面から・下からの角度で撮影された人物写真を見せ、写真の人物の身長・年齢・魅力について評価してもらいました。

実験の結果、上からの角度で撮影された20代の女性は、平均で2歳若く見られ、「魅力」の評価も4.8点から5.4点になったとのこと。「女性は上からの角度で撮影された時に最も魅力的に写ります。これは、上からのアングルが女性を細く・若く見せるのが大きな要因です」とMakhanova氏は語ります。胸の谷間を見せていた女性は10%に留まったため、上からの角度の撮影と胸の谷間の関係は見つかっていません。

by Jake

男性の場合、撮影のアングルが変わっても、魅力に対する評価は影響されなかったといいます。ただし、男性の評価者は下から撮影された写真を見て「より支配的」だと受け止めました。男性がこのような行動を取るのは男性に対してだけであり、また、男性だけがこれらの写真のサインに気づいていたわけです。

一方で、女性が上からの角度で撮影されるのを好む傾向と、支配・服従の要素の間には、相手が男性であるか女性であるかに関わらず影響が見られませんでした。つまり、上からの角度で撮影されることによって女性が「無力さ」を強調しているという事実は見当たらなかったのです。

Makhanova氏は、自撮りにおける進化行動が「他人がオンラインで写真を見る」ことによって強化されていることから、自撮りのアングルには文化的な要素が多いことを認めつつも、「生物学的な要素も重要なものとして存在する」としています。「相手との関係でポジションを変えることは、多くの動物が行うもの。我々はそれをより現代的な方法で行っています」とMakhanova氏。上からや下からのアングルでの撮影方法が人気を得たのは、支配と魅力に関するコミュニケーションが普遍的なものであるからとMakhanova氏は考えています。

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