メモ

人間の顔の左半分には不思議な力が宿っている?

By J.K. Califf

美しさに意識が高い女性が「自分はこの角度から見られたときが1番キレイ」という角度を知っているように、人間の顔は左右非対称なものです。顔の左半分は感性・感覚を司る「右脳」がコントロールしており、右半分は論理的な事柄を司る「左脳」がコントロールしているといわれますが、そんな顔と脳の不思議な関係についてライターのエリサ・ガバートさんがまとめています。

Vanity Project — Real Life
http://reallifemag.com/vanity-project/

ガバートさんは過去数十年にわたって「自分の顔は左側から見た方がキレイに見える」と思っていたそうです。顔の右側には十代の頃にできた「ほくろ」や、「少し欠けた上の側歯」、ガラスに頭を突っ込んだ際にできた「あごから下唇にかけての傷跡」などが集まっているからというのがその理由のようですが、そのせいもあってか、ガバートさんは自身の顔の右半分が左半分よりも「老化しているかのように見える」とも感じていたと語っています。

しかし、最近になって、ガバートさんは自分が無意識に鏡で「自分の良い方(顔の左側)」を見ようとしていることに気づきました。この経験から、ガバートさんは人間の顔と脳についての調査を始めました。

By Isaiah van Hunen

ガバートさんが見つけたある研究では、写真に写った人間の顔から「顔の左側を鏡あわせにして作った顔」と「顔の右側を鏡あわせにして作った顔」のどちらがより魅力的かを「視覚的快適性」を基に評価する、という不思議な研究が行われていました。この研究によると、被験者は「顔の左側を鏡あわせにして作った顔」の方がより魅力的に感じる、という結果がでています。

また、他の研究によれば、顔の左半分は右半分よりも「感情にあふれている」とのこと。研究の論文には、「我々の結論は、左頬は感情を素晴らしい強度で示すものであり、それを見る側は、美学的に心地よくなるというものだ」と記されています。


これらの研究結果を実感できるかどうかは置いておいて、人間の顔がいかに左右非対称であるかは、写真家のジュリアン・ヴォルケンシュタインさんが2010年に発表した「Symmetrical Portraits」という写真集を見るとよくわかります。この写真集は、人間の顔の左半分を鏡あわせにしたポートレートと右半分を鏡あわせにしたポートレートを集めたものです。

Symmetrical Portraits : Julian Wolkenstein
http://www.julianwolkenstein.com/project/symmetrical-portraits/


左右で似た顔になる人から……


全くの別人に見える人までさまざま。


ガバートさんは、複数の写真を見てわかるのは「どれも同じ顔の形にはならない」ということと、「左右の顔で姉妹のようには見えるかも知れないけれど、双子のようにそっくりな顔にはならない」ということ、と考えているとのこと。たしかに、どの写真を見ても完璧に左右対称な顔が存在しないことがよくわかります。


さらに、ガバートさんは「ブロンドの女性は左半分がとても魅力的。目は猫の目のようにぱっちりしており、鼻先は(実物よりも)尖っています。対して、右半分は全体的に締まりがなく、知的ではないように見える」とコメント。


誰もが抱く、「なぜ私は鏡の中だとこんなによく見えるのに、写真だと悪く写ってしまうのか?」という疑問がありますが、これに対する回答は「単純接触効果」、つまり「毎日鏡で繰り返し見ている、左右が反転した自分に慣れ親しんでしまっている」というものが挙げられるかもしれません。写真では、普段から見慣れていない角度から撮影された顔や、真正面から写された顔を目にすることがあります。ガバートさんは「こういった写真こそ我々人間の真実の顔を写している」と述べます。

By Kamilla Oliveira

動物の認識能力を確かめるための方法に、「ミラーテスト」と呼ばれるものがあります。この実験では、まず最初に被験体に麻酔をかけてから顔に無臭のペンキで印をつけ、鏡を置きます。被験者の認識能力が高ければ、被験体は顔のペンキに気づいて顔を調べたり、印を消そうという反応を見せます。このミラーテストは人間だけでなくさまざまな動物に対して行われるもので、チンパンジーはテストをクリアしますが、サルはテストをクリアできないそうです。他にも、ゴリラはクリアするものとしないものとが混じっており、イルカやカササギはテストをクリアできます。人間は生後18か月でこのテストをクリアするそうで、つまり、「自己への愛着」または「自意識」といったものを人間は生後18か月で持ち始める、とのこと。

また、脳への損傷やアルツハイマーのような変成疾患により引き起こされる「ミラーデリュージョン」という疾患が存在します。このミラーデリュージョンの患者がミラーテストを行うと、鏡に映った自分が自分ではない他の誰か、悪者に見えてくるそうです。ロバート・レヴァイン著のStranger in the Mirrorという本ではミラーデリュージョンの患者にまつわる話がまとめられているそうで、例えば、ヨランダという女性は鏡に映る自分に「ルース」という名前をつけている、などといった事例が紹介されているそうです。

鏡に自分が写っていると認識できなければ、そもそも「鏡が像を反射する」ということにも気づけないわけですが、ミラーデリュージョンの患者は鏡の中の自分を他人と認識します。しかし、鏡に映る他人が「何をしているのか」はしっかり認識できそうで、患者が認識できないのは自分自身の存在だけだそうです。なお、脳スキャンと検死報告書などの情報から明らかになったのは、ミラーデリュージョンの患者はほとんどが脳の右前頭葉に損傷を持っている、ということでした。

By Daniel Göggel

その他の研究では、自分自身の姿をみるよりも、自分自身の声を聞いた時の方が右脳の活動が活発になることが明らかになっています。また、心理学者のジュリアン・ポール・キーナン氏によると、人間は右脳が活動するよりも早く自分の顔を認識している、とのこと。つまり、これらの結果から言えることは、人間の自己認識能力は脳全体で行われているわけではないものの、右脳で行われていることは間違いない、ということです。

「右脳で自分自身の存在を見つけるということは、顔の左側で自分自身の存在を見ることができるのでしょうか?」とガバートさんは述べていますが、こういった事柄がガバートさんが自身の顔の左半分をより好んでいる理由なのかもしれません。

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in メモ, Posted by logu_ii

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