鉄粉と磁力で北欧の幻想的な風景を再現した短編ムービー「FERRO」
鉄粉を実写撮影し、雪に閉ざされた北欧の山の風景に見立てて作られたムービーが「FERRO」です。無機質な鉄粉が死んだように静かな冬の森の雰囲気をかもしだしており、非常に幻想的な映像に仕上がっています。
FERRO on Vimeo
霧の立ちこめる深い森。
雪に覆われているようにも見える寒々しい森は、鉄粉で作られたもの。
重力に反するように、少しずつ鉄粉の森が動いていきます。
まるで時間の経過とともに風化していくように、崩れていく家屋。
動物のいる光景も幻想的な雰囲気です。
こちらの存在に気づいたかのように視線を向けたり、周りを見渡したり。
上から見るとこんな感じ。
森の中で倒れる人物と、その場を後にする人物。
無機物であるはずの鉄粉がまるで生きているかのように動き続けます。
薄暗く、北欧を思わせる幻想的なアニメーションは実写とComputer Generated Imagery(CGI)を組み合わせたもの。以下のムービーからメイキングが公開されています。
FERRO Making Off on Vimeo
詳しくは明らかにされていませんが、足元にある機械で磁力を発生させ、鉄粉を動かしていく様子。
手には鉄粉。
台の上に落とすと、鉄粉が重力に逆らうようにして立っていきます。
磁力をオフにするとただの砂のよう。
鉄粉を広げて……
手前の部分だけに磁力を加えている様子。
ムービーを製作したNorte Estudioは始め鉄粉を別のプロジェクトで使用していたそうなのですが、一斉に鉄粉がトゲのように立つ様子をマクロレンズで撮影すると「まるでノルウェーの森のようだ」ということに気づき、オリジナルプロジェクトとして「FERRO」を作成したとのこと。
実写で撮影した映像に……
CGで家などを加えていきます。
倒れた人もCGI。
湖に浮かぶ1艇の船。
これに実写撮影した鉄粉の様子を加え……
空の様子などを追加。
さらに全体を加工すれば、薄暗くムーディーな映像ができあがりました。
シカもCGで製作。
これが加工されると……
こうなるわけです。
実際に鉄粉が撮影された時、背景は青かった様子。
モノクロ映像に変換し……
窓枠を追加。
外側を塗りつぶせば、鉄粉の山が、窓の外に広がる寒々しい景色に変わるわけです。
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