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アプリを作って販売しただけなのに特許侵害で訴えられる、恐ろしきパテント・トロールの存在

By Tax Credits

フライトシミュレーターアプリの「X-Plane 10 Flight Simulator」の開発者のオースティン・メイヤー氏が、アプリをGoogle Playに出品しただけで特許侵害で告訴されたことを訴えるムービーをYouTubeに公開しました。メイヤー氏を訴えたのは、賠償金やライセンス料の獲得のためだけに訴訟を起こすパテント・トロールという行為で知られている企業であり、一般の人も被害にあうことがあるとして注意を促しています。

I am being sued, in East Texas, for using Google - YouTube


X-Plane 10 Flight Simulatorの開発者の1人であるメイヤー氏。メイヤー氏は数年前にAndroid向けX-Planeを開発し、Google Playに出品しました。


アプリの販売は好調でしたが、なぜかUnilocという企業から特許侵害で訴訟を起こされてしまいます。


メイヤー氏によると、UnilocはGoogle Playの根本となるアイデアの部分に当たる特許を取得しており、X-Planeが特許を侵害していると主張。しかし、メイヤー氏は「UnilocはGoogle Playに何の関係もない企業です」と話し、Unilocは過去にも同様の特許で 「Minecraft Pocket Edition」をAndroid向けにリリースしていたMojangや「Bejeweled 2」をAndroid向けに販売していたElectronic Arts(EA)を訴えた過去があり、EAの一件では裁判でEAに約500万ドル(当時のレートで約6億円)の支払い命令が下されています。

Unilocが侵害されたと主張しているのは「電子データに対する無許可アクセスを防止する」という特許で、この特許をAndroid向けアプリの中で提供されているコピーガードが侵害しているとして、Google Playでアプリをリリースした企業を訴えまくっているそうです。Unilocは2005年2月に同特許を取得しています。


メイヤー氏がUnilocに訴えられてからすでに4年が経過しているのですが、訴訟はまだ終わりが見えないとのこと。また、特許侵害の訴状が受理されたのはメイヤー氏が住むサウスカロライナ州から遠く離れたテキサス州東部地区連邦地方裁判所であり、メイヤー氏は裁判が行われるたびにテキサス州まで出向く必要があります。


ただアプリをGoogle Playに出品しただけで、なぜ訴えられなければいけないのか理解できなかったメイヤー氏は裁判の関係者を独自に調査。すると、メイヤー氏の裁判を担当している裁判官のレオナルド・デイビス氏が、2016年まで一度も特許侵害の訴訟で訴えを不起訴にしたことがない人物であることがわかりました。


さらに、「同様の特許侵害で企業の代理を務めている弁護士のボー・デイビス氏が、レオナルド・デイビス氏の息子であることも不可思議な偶然である」とメイヤー氏は主張。


メイヤー氏は「レオナルド・デイビス氏がテキサス州東部地区連邦地方裁判所で特許訴訟を行えば行うほど、息子のボー・デイビス氏はお金をもうけられるというわけです。これはイノベーションや正義とはほど遠い行為だと思います」と語気を強めました。


Unilocは特許権を駆使して賠償金やライセンス料の獲得目的訴訟を起こすパテント・トロールという行為を行うことで知られる企業です。こういった企業は特許を取得するだけで、特許技術を使用して製品を開発したり販売したりしているわけではありません。MicrosoftがEolasに訴えられ5億2100万ドル(当時のレートで約625億円)の賠償金支払い命令が下されたり、2016年2月にはAppleがVirnetXという企業から訴えられ6億2600万ドル(約738億円)もの賠償金支払い命令が下されたりしたこともあります。

パテント・トロールが一体どのような仕組みになっているのかは以下の記事を読むとよくわかります。

「パテント・トロールとは何か?」をわかりやすく解説したムービー - GIGAZINE


メイヤー氏はムービーの最後に「パテント・トロールを防ぐ方法はありません。けれでも、このムービーを見た多くの人にパテント・トロールは実際に起こっている問題ということを理解してもらい、警告したかったんです」と話しました。

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in メモ, Posted by darkhorse_log

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