1990年代の特許を根拠にIBMがグルーポンを訴えたことが明らかに
By Kansir
IBMが1990年代に出願・取得していた特許の内容を根拠にして、共同購入型クーポンサイトを運営する「グルーポン」に対して損害賠償を求める訴えを起こしたことが明らかになりました。
IBM sues Groupon over 1990s patents related to Prodigy | Ars Technica
http://arstechnica.com/tech-policy/2016/03/ibm-sues-groupon-saying-it-infringes-patents-related-to-1990s-prodigy-service/
IBMはグルーポンが用いているオンラインビジネスのモデルがIBMの保有する特許のうち4つに抵触するとして、グルーポンに対して損害賠償を求めています。その根拠となる4つの特許にはUS5796967(インタラクティブサービスにおけるアプリケーションの提供方法)とUS7072849 (インタラクティブサービスにおける広告の提供方法)が含まれているのですが、これら2つの特許はそれぞれ1993年と1998年に出願されたものであり、これらはIBMがアメリカの大手小売業者「シアーズ・ローバック」と共同で提供していたパソコン通信サービス「Prodigy(プロディジー)」で用いられていた技術であるとのこと。
By The Atlantic
また、残る2つの特許US5961601とUS7631346については、グルーポンがFacebookのアカウントでログインする方法を提供していたサービスがこれらの特許に抵触するものであるとしています。
デラウェア州米連邦地方裁判所に提出された訴状によると、IBMはグルーポンがIBMからの再三の交渉に応じようとせず、IBMの保有する技術のライセンス契約を拒否し続けてながらIBMの技術の特許侵害を続けてきたとして訴えを起こしています。Ars Technicaの取材に対し、IBMの広報は「過去3年間にわたり、IBMはグルーポンとの間で公平で妥当な特許ライセンス契約を結ぶことを訴えかけてきました。弊社の意図はグルーポンがその責任を認識し、IBMの技術を使用したことへの補償を行う合意を結ぶことにあります」とメールで返答しています。グルーポンはArs Technicaの取材に対し反応を見せていないとのこと。
By Todd Barnard
IBMがこの種の訴訟を起こしたのは初めてではなく、2015年にはPricelineやKayak、OpenTableに対して訴えを起こしているほか、2013年にTwitterに対して起こした特許裁判では、Twitterから3600万ドルの賠償金(当時のレートで約36億円)を受け取っていたこともあります。さらに、2006年にはAmazonに対しても特許訴訟を起こし、翌年に和解に至っていたことも。
他社による自社の特許侵害に対してアグレッシブな姿勢を見せているIBMですが、同社は特許取得についても積極的な姿勢を見せており、2015年には7355件の特許を取得し、23年連続でアメリカでもっとも多くの特許を取得した企業の座を守っているとのこと。そんなIBMですが、一方では大規模なレイオフ(従業員の一時解雇)を実施している状況でもあるようです。
Reports Coming in of Big IBM Layoffs Underway in the U.S. - IEEE Spectrum
http://spectrum.ieee.org/view-from-the-valley/computing/it/reports-coming-in-of-mass-us-layoffs-underway-today-at-ibm
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