Appleの「App Store」が大幅アップデート、開発者取り分の上昇や検索連動広告の導入も
By Cristiano Betta
AppleがiOS向けに提供しているアプリストア「App Store」が大幅にアップデートされます。新しいApp Storeでは、アプリの審査が従来よりも高速化し、サブスクリプション方式のアプリの場合は開発者取り分を70%から85%に変更、さらに検索連動型広告の導入も実施されます。
What's New in Subscriptions - App Store - Apple Developer
https://developer.apple.com/app-store/subscriptions/whats-new/
Search Ads - App Store - Apple Developer
https://developer.apple.com/app-store/search-ads/
APP STORE 2.0 | The Verge
http://www.theverge.com/2016/6/8/11880730/apple-app-store-subscription-update-phil-schiller-interview
Phil Schiller: Apple making major changes to the App Store
http://www.loopinsight.com/2016/06/08/phil-schiller-apple-making-major-changes-to-the-app-store/
iPhoneやiPadでアプリを入手したい場合、必ず使用する必要があるのが、アプリストアの「App Store」です。アプリをインストールする際には検索機能を使用して目当てのアプリや自分が気に入りそうなアプリを検索するものですが、App Storeではアプリの正しい名称がわからない場合やキーワード検索で目的のアプリを見つけようとした場合、目当てのものが見つからないことも多く、長い間検索機能の改善が求められていました。そんな中、2016年4月にAppleがApp Storeの検索機能を大幅改善するために極秘のチームを結成した、という報道が飛び出していました。
Appleが「App Store」の検索機能を大幅改善するために極秘チームを結成 - GIGAZINE
そして2016年6月、ついに新しいApp Storeに関するアナウンスが行われました。アップデート内容は大まかに分けると「アプリ審査の高速化」「開発者取り分の変更」「検索機能の強化」の3つです。
・アプリ審査の高速化
これまでのApp Storeのアプリ審査では、アプリの申請から公開までに5日ほどかかっていました。これは、審査対象となるアプリが法律を順守しているのか、インストールしても安全なものなのかなどを、規定のガイドラインに沿って確認する審査作業に時間がかかっていたためだそうです。しかし、Appleは新しい審査方法を導入しており、最近の審査を通過したアプリの中には、申請から公開までたったの1日しかかからないものもあった模様。
なお、Appleのフィル・シラー上級副社長によると、Appleは毎週10万以上のアプリを審査しているそうで、現在では安定的に約半数のアプリを24時間で審査し、90%を2日以内に審査可能なほど審査作業を高速化させることに成功している、とのことです。
・開発者取り分の変更
これまでのApp Storeでは、アプリ売上の分配比率は開発者側とApple側が70%:30%となっていました。しかし、近年増加しているサブスクリプション型のアプリでは、発売から1年間は従来通りの70%:30%の取り分が固定になるものの、2年目以降は85%:15%の、開発者側がより多くの収入を得られるような分配比率に変更されることも明らかになっています。
なお、AppleによるApp Storeの大幅アップデートを受けて、アプリ売上における開発者取り分が70%に設定されているGoogle Playでも、Appleに追随して開発者側の取り分を85%にするのではといううわさもあります。
開発者取り分の変更は、ゲームだけでなくあらゆるカテゴリのアプリに適用されますが、「サブスクリプション型アプリ」の認定を受けるにはアプリが定期的にアップデートされるか、新しいコンテンツを継続的に配信するか、クラウド・ストレージなどのようにアプリから既存の有料サービスにアクセスできる必要があります。その他、新たに開発者は、アプリに地域ごとに異なる料金を設定可能になる模様。
なお、開発者取り分の変更は2016年6月13日から適用されます。
・検索機能の強化
さらに、App Storeの検索機能の向上もアナウンスされています。今秋にはApp Storeのカテゴリがより的確なものに生まれ変わり、おすすめ画面ではユーザーが既にインストールしているアプリが表示されなくなる模様。
また、「最も大きな変化」になると見られているのが、App Storeへの検索連動型広告の導入です。これは「検索したキーワードに関連した広告を検索結果画面に表示する」というもので、検索連動型広告が導入されれば、広告料さえ支払えば検索結果の上位にアプリを表示させられるようになります。実際に以下の画面が検索連動型広告の事例で、ユーザーが「photo filters」と検索した場合、関連アプリである「LightRight」が広告として表示されています。アプリ名下部に小さく「Ad(広告)」と書かれているのが、広告アプリなのか検索結果で表示されただけのアプリなのかを見分ける方法になりそうです。なお、検索広告は1度の検索につき1件だけ表示されるものになるとのことです。
また、今回のアップデート内容はiOSだけでなく、Appleが運営するすべてのApp Store(Mac App Storeなど)が対象となります。
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