サイエンス

宇宙飛行士が禁止されていたサンドイッチをこっそり無断で宇宙に持って行ったらどうなったのか?

by Steven Groves

宇宙空間で宇宙飛行士がとる食事は、保存性や軽量性、栄養価の高さ、飛散防止、調理の手軽さなどが重視して作られているのですが、安全面の問題から地上で食べられている料理の持ち込みは禁止されています。しかし、かつて宇宙飛行士が無断でサンドイッチを宇宙船内に持ち込んだことがあり、サンドイッチが宇宙開発に一体どんな影響を与えたのかを、Great Big Storyがアニメーションで解説しています。

Contraband Corned Beef: The Sandwich That Snuck into Space - YouTube


宇宙飛行士は、宇宙空間でさまざまな危険に対処しなければなりません。


衛星軌道上を漂っているスペースデブリや……


宇宙空間を飛び交う宇宙線


そして、地上ではおいしく食べられるサンドイッチですら、宇宙では危険になり得ます。


1960年代、アメリカとソビエト連邦は宇宙開発競争を繰り広げていました。


当時の宇宙食は、無重力下で扱いやすいパッケージ入りのものや、ピューレ状に加工した食べ物をチューブに入れたものが主流でした。


宇宙食がこのように加工されていたのは、食べ物のカケラが無重力下で宇宙船内に飛び散り、精密機器が故障するのを防ぐため。


しかし、ペースト状で離乳食のような味気ない食事に不満を感じる宇宙飛行士もいました。NASAの宇宙飛行士であるジョン・ヤング氏は……


パイロットとしてジェミニ3号に搭乗する際に、コンビーフサンドイッチをこっそりと持参。


サンドイッチが宇宙飛行士の命に関わる重大な事故を起こす可能性もありましたが、ヤング氏は注意事項をしっかり理解していなかったとのこと。


ジェミニ3号の船長を務めたガス・グリソム氏とヤング氏が、ジェミニ3号の宇宙カプセル内で話したやりとりが残っています。


グリソム氏が「それは何だ?」とヤング氏に尋ねると、ヤング氏は「コンビーフサンドイッチだ」と回答。


「どこから持ってきたんだ?」と尋ねるグリソム氏に、ヤング氏は「自分が持ってきました。どんな味がするのか確かめてみましょう。少しにおいますね」と話します。


グリソム氏はサンドイッチを食べましたが、無重力下でサンドイッチがばらばらに崩壊してしまい、「最高のサンドイッチってわけじゃないね」と感想を述べています。


NASAとアメリカ合衆国議会は、ヤング氏がサンドイッチを宇宙船内に持ち込んだことについて、ヤング氏を厳しく叱責。


しかし、ヤング氏の宇宙飛行士としてのキャリアには傷がつかず、ヤング氏はその後アポロ16号の計画に参加して月面を歩行したり、人類初のスペースシャトル計画のSTS-1ミッションに船長として任命されたりしました。一方で、ヤング氏がサンドイッチを宇宙に持っていったことで、「宇宙飛行士の士気に食事が大いに関係する」という主張が認められ、宇宙食の大幅な改善へつながっています。

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in サイエンス,   動画,   , Posted by darkhorse_log

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