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アメリカ軍が開発する戦闘機「F-35」の制御プログラムはバグだらけで改修に多くの費用と時間がかかる見込み


アメリカ軍が中心となって開発を続けている戦闘機「F-35」は、高い戦闘能力だけでなく、地上から機体の状態をチェックできる高度なコンピューター制御装置によって維持管理費用を大きく削減できると期待されています。しかし、コスト削減効果が期待されるコンピューター制御装置はバグだらけで、バグ回収作業にはとてつもない費用と労力と時間がかかる見込みであることが明らかになっています。

The F-35’s Software Is So Buggy It Might Ground the Whole Fleet | Motherboard
http://motherboard.vice.com/read/the-f-35s-software-is-so-buggy-it-might-ground-the-whole-fleet

Does the F-35 have a 'brain' problem? - CNNPolitics.com
(ムービー自動再生注意)http://edition.cnn.com/2016/04/21/politics/f-35-software-system-gao-report/

F-35は、アメリカ軍がF-16などの旧型戦闘機を代替する新型機の開発計画「統合打撃戦闘機計画」の一環で採用された戦闘機で、ロッキード・マーティンを中心に現在も開発が進められている新型戦闘機です。高度にコンピューター制御されるF-35は「飛ぶスーパーコンピューター」とでも言うべき存在で、開発においては純粋な飛行性能だけでなくコンピューター制御性能も重要性を持っています。


膨張し続ける軍事費の抑制はアメリカ軍にとって極めて重要な課題であり、それは戦闘機の開発費用だけでなく運用維持費用に関しても同様。F-35には先進的なAutonomic Logistics Information System(ALIS:自律型情報ロジス ティックスシステム)と呼ばれる地上からF-35を制御するコンピューター制御技術が適用されており、ALISによってパイロットは飛行ミッションの策定時や飛行パフォーマンスのチェック時に手厚いサポートが受けられるだけでなく、故障部位を検出して特定することができるため整備士は部品交換が必要な箇所を教えてもらえるので、メンテナンスコストを大きく削減できるという利点があります。このため、F-35開発プログラムのクリストファー・ボグダン米空軍中将はALISを「F-35の頭脳であり血である」と表現するほどで、ALISはF-35運用計画において重要な鍵となる技術と位置づけられています。


しかし、ALISはとてつもなく複雑なシステムのため、システム完成が遅れることによりF-35の開発計画全体が大きく遅れているという現状にあるとのこと。複雑なシステム故にバグの改修作業は難航しており、プログラム完成には至っていません。また、ソフトウェアの分析のためにはおよそ400MBから800MBにも及ぶ機体の飛行データを転送する必要があるのですが、F-35が配備されている強襲揚陸艦「Wasp(ワスプ)」に搭載されている艦内ITインフラ「CANES (Consolidated Afloat Networks and Enterprise Services)」のネットワーク速度が極端に遅いため、実際の作業に支障をきたすという場面に直面したこともある模様。この問題を回避するために、ソフトウェア保守を行うエンジニアは陸上の基地に行って民間のWi-Fiネットワークを利用してデータをダウンロードし、データを手動でCD-Rに焼いてからWaspの艦上にいる部隊にアップロードするという、およそ高い機密性をもつ戦闘機の開発には似つかわしくない作業を余儀なくされたことが報告書(PDFファイル)によって明らかになっているそうです。


度重なるプログラム改修によって開発が遅れているALISに対しては、すでに数十億ドル(数千億円)の費用が投入されています。この費用は、F-35が50年という長期間運用することで総額1兆ドル(約100兆円)というとてつもない費用の削減が期待できるという大義名分によって拠出されてきたものです。しかし、GAOはF-35の開発計画では技術面と開発コスト面での不確実性を十分に考慮してこなかったという問題点を指摘して、ALISの開発に200億ドル(約2兆円)から1000億ドル(約10兆円)の追加費用が必要となると試算しています。

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