台湾で見つけた漢字の単語は日本語でどんな意味なのか?
スノーボードは「U字滑板」、天然パーマには「拉面头(ラーメン頭)」という漢字が当てられていて、目を疑いました。ハングルの韓国やアラビア文字のエジプトと違って、中国は漢字の国。文字が読めるので、旅をするにも困りません。食堂にメニューがあれば、料理の見当がつくのも助かります。
こんにちは、中国語をもっと覚えたい自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。2015年の末ごろ、台湾を旅していました。台湾も漢字圏なので、街は漢字で溢れていました。
ヘルメットは安全帽。
外国語を勉強するにあたって、現地の言葉に勝るものはありません。だからこそ、今回は台湾の生きた中国語を、いろいろと写真に残してきました。これから紹介する中国語の漢字を、あなたはどれだけ理解できますか?
※中国は簡略化された簡体字、台湾は日本の旧字体にあたる繁体字と、同じ中国語でも漢字が違ったりします。また中国語が使われている地域も広いですので、国によっては違う意味になるかも知れません。
◆飲食物
まず、以下の9つの言葉が何を指すかわかりますか?
1:麥當勞(ヒント:ファストフード)
2:達美樂比薩(ヒント:これもファストフード)
3:便當
4:早餐
5:水果
6:可口可楽(ヒント:飲み物)
7:可爾必思水語(ヒント:これも飲み物)
8:口香糖
9:布丁
早速答え合わせです。「麥當勞」はマクドナルド、現地では「マイダンラオ」という発音です。日本語に直すと「麦当労」という漢字で、耳あたりの良い語句が並んでいます。
「達美樂比薩」はドミノ・ピザ。ピザを漢字にされると、日本人としては複雑な気持ちに……。
「便當」は弁当。日本と同じような弁当文化が台湾にも根付いていました。駅弁もあります。
「早餐」は朝食。「午餐(昼食)」「晩餐(夕食)」と続きます。似たような単語に「快餐」がありますが、これはファストフードという意味です。
「水果」は果物、これはカンタン。
「可口可樂」はコカ・コーラ。世界共通のコカ・コーラの赤い缶ですが、ロゴは漢字でした。中国だと「可口可乐」まで同じで、樂の字が簡体字(可口可楽)になります。
「可爾必思水語」はカルピスウォーター。カルピスには「可爾必思」と原音に近い漢字が当てられているのに、「水語」は意味がつかめない謎の言葉。
「口香糖」はガムのこと。
「布丁」はプリンで、英語の「プディング」に近い発音の漢字となっていました。日本語のプリンは海外では通じない和製英語だったりします。
◆キャラクター
続いてはキャラクターです。「史努比」、「蟻人」、「爆漫王」(マンガのタイトルです)、「我家有個魚乾妹」(これもマンガ)、「皮卡丘」……わかりますか?
まず「史努比」はスヌーピー。原音に近い漢字を当てています。
「蟻人」はそのままで、アントマン。「マン」という言葉は、中国だと「人」という漢字が当てられます。スパイダーマンは「蜘蛛人」、キン肉マンは「筋肉人」、アンパンマンは「麺包超人」。みんな中華ヒーローのようです。
「爆漫王」は「バクマン。」。ジャンプで一番の作家となるのですから、王という漢字もありでしょう。同じ、週刊少年ジャンプ連載のワンピースは「航海王」という題名になるので、そのあたりの関係もあるのかもしれません。
「我家有個魚乾妹」は後半部分でなんとなくわかるかもしれませんが、「干物妹!うまるちゃん」。中国だと「干物妹!小埋」という題名です。「埋(うまる)」「小(ちゃん)」といった意味でしょうか。
「皮卡丘」はポケモンの「ピカチュウ」です。生き物に「皮」の字を当てるのはどうなのかという気が……。
◆機械
次は機械部門。「投幣式自動洗衣」「自動存物箱」「印表機」「照相」「吸塵器」……漢字だけでも何を言いたいのかがわかる気がします。
「投幣式自動洗衣」はコインランドリーです。
「自動存物箱」はコインロッカー。
「印表機」はプリンター。
「照相」は「撮影する」という意味で、記念写真も撮れるフォトスタジオの看板でした。写真だと「照片」となります。
「吸塵器」は掃除機。塵を吸う、というわかりやすい表記です。
◆交通
続いては交通関連で「機車」「大客車」「超柴」「香草航空」。
「機車」は機関車……ではなく、バイクのこと。中国本土では「摩托車」という漢字も使うそうです。
「大客車」は観光バス。バスには「巴士」という漢字もあります。
「超柴」は軽油のこと。ガソリンスタンドは「加油站」という名称で、ガソリンは「汽油」、軽油に「柴油」という漢字を当てていました。
「香草航空」はLCCの1つ、バニラエアーのこと。香草がバニラを指しているわけです。同じように中華圏に乗り入れるLCCにはそれぞれ漢字表記が用意されていて、ピーチ・アビエーションは「樂桃航空」、ジェットスター航空は「捷星航空」、エアアジアは「亞洲航空」でした。
◆その他
最後はその他いろいろ。「床」「領帯」「厠所」「二手」「工作」「流浪犬」「滅火器」……そのままのものもありますね。
「床」はベッド。これは宿に泊まるときに知っておくと便利な漢字です。日本の床にあたる中国語は「地板」となる模様です。
「領帯」はネクタイ。伝説を謳っているのがじわじわときます。
「厠所」はトイレ。「厠」という字ですぐに意味が伝わる言葉ですが、これは覚えておいた方がいい大事な言葉です。他にも「洗手間」「衛生間」といった漢字もトイレの意味だったりします。
「二手」は中古のこと。セコハンのもとになった英語の「セカンド・ハンド(second hand)」と同じ由来でした。
「工作」は仕事のことで、日本語と中国語で意味が異なる漢字です。相手の仕事を尋ねるときは、この「工作」という言葉を使います。
「流浪犬」は文字通り野良犬。比べると、野良には野暮ったい雰囲気があるような気がします。
「滅火器」は消火器。火を消す、火を滅す……意味としてはどちらも正解ですね。
さて、どれだけ解読できましたか?楽しんで頂けたでしょうか?
「工作」が仕事になったように、「汽車」は自動車のこと、「愛人」は恋人のこと……というように、同じ漢字でも中国語と日本語では意味が違ったりします。紹介は「介紹」、探偵は「偵探」と、語順が逆になる単語もあります。中国語ではキロメートルが通じず、同じ長さでも「公里(ゴンリ)」という表記です。地名も人名も漢字名。ロシアのプーチン大統領も「普京」となって、どこかの都市名のようでした。
日本語のようなカタカナがないため、、中国語はすべてを漢字で表記します。だからこそ「中国語では何になるのだろう」と気になったら検索してみてください。最近の私のヒットは、Windowsで知られる「Microsoft」を「微軟」と表記することでした。中国語も奥が深いです。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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