取材

町を爆走しそうな「ミツコ」など、外国の言葉が面白い事例をチャリダーマンが集めてみた


中国語の「拉麺頭」は天然パーマのことで、日本の映画「下妻物語」は英語だと「Kamikaze Girls」になっていました。リュックサックツェルトの語源がドイツ語だったり、逆に天ぷらや刺し身といった日本語は海外でもそのまま使われていたりします。アフリカの交通機関では、シエラレオネのバイクタクシーは「オカダ」、ガーナの路線バスは「トロトロ」、タンザニアの路線バスの「ダラダラ」と楽しい名前でした。

こんにちは、チリでは青リンゴばかり食べている自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。“青”リンゴは、スペイン語では「マンサーナヴェルデ(manzana verde)」、英語では「グリーンアップル(green apple)」と、海外では緑色になりますよね。今回は海外での外国語の面白さを、自分なりにまとめてみます。ドイツ語のポテトを意味する「カルトッフェル(Kartoffel)」とロシア語の「カルトーフェリ(картофель)」、Andを表すスペイン語の「イ(y)」とロシア語の「イー(и)」が近かったりと、言葉の裏側にある秘密を求めていました。

◆外国語となった日本語
3×3の小さな正方形が縦横3つずつ並んだ大きな正方形に1~9までの数字を入れて遊ぶパズルの「Sudoku(数独)」は世界中で大人気です。


日本の伝統文化「Origami(折り紙)」も世界に伝わっています。写真はボリビア。


アフリカでは「カンフー(功夫)」ばかりでしたが、南米では「Karate(空手)」にも理解がありました。


「Hentai(変態)」を世界に広めた日本人の罪深さ。ちなみにWikipediaでは日本語の「ヘンタイ」はそっけないのに、中国語の「變態 (色情用語)」は子どもに見せられないほどの充実ぶりで目を疑いました。


日本と同様に海岸線の長いチリには「Tsunami(津波)」を注意する看板が出ています。英語ではその昔に「tidal wave(潮汐の波)」という言葉があったようですが、意味が合わないので学術用語として「Tsunami」が国際的に使われるようになり、インターネットの普及で海外のニュースも即時に伝わる今日では、一般の人にも話される普通の言葉となっていました。


「KARAOKE(カラオケ)」も日本発祥の外国語。


あまり目にする機会はない「Bonsai(盆栽)」ですが、こちらも外国語となった日本語で、偶然にもメキシコの路上で販売されていました。


キャンプ場のオーナーの犬が「Akita dog(秋田犬)」と聞いたことのある名前で不意を突かれました。オーストラリアを一周していた時の出来事。


握っているのは日本人に限りませんが、世界中のどこにでもある「Sushi(寿司)」レストラン。寿司は日本を代表する料理として、世界中で愛されています。オーストラリアの回転寿司は「sushi train」という名前。


同じく魚関係では「Surimi(すり身)」も、海外で一般化されていました。写真はポーランドのカニかまぼこ。


リンゴの「Fuji(フジ)」という品種は日本由来で、ゴールデンデリシャスピンクレディ、青りんごのグラニースミスなどとともに、スーパーマーケットに並んでいます。


◆名前を付けられた面白い日本語
日本食レストランに「サムライ」という名前。気持ちは分かります。映画「ラストサムライ」も話題になりましたし、サムライは海外でも有名な日本語かもしれません。ラストサムライは、スペイン語で「El ultimo samurai」、トルコ語で「Son Samuray」、フィンランド語で「Viimeinen samurai」というタイトルで、サムライを世界に伝えるのに一役買っていました。


ドイツでみつけた刀にもサムライと書かれていました。ちょっともどかしい。


それどころかコロンビアのミキサーの名前にもサムライとついていました。よくかき混ぜてくれそうです。


ペルーでみつけた「SUMO(相撲)」という名前のバイクメーカー。なんだか早く走りそうにありません。


それどころか「MITSUKO(ミツコ)」まで走っていました。日本製品に見せたいようですが、何か間違っています。


「KABUKI(歌舞伎)」と名付けられたベッドマットには、ぐっすりと眠れるイメージが湧きません。


ボリビアで見つけた「NHK」はフライドチキンとポテトのファーストフードでした。


◆カタカタ語の意外な語源
イクラの語源はロシア語。写真にあるウクライナのポテトチップスのような感じで、旧ソ連圏だとイクラは身近な食べ物です。逆に英語だと「レッドキャビア(Red caviar)」とオシャレな名前に。


カフェオレの語源はフランス語。「Cafe(コーヒー) au lait(牛乳)」といった意味でauは定冠詞。


アイスバーンの語源はドイツ語。「アイスバーンのバーンって何だろう?」と考えていたら、ドイツ語で高速道路を表す「アウトバーン」と一緒でした。「バーン(bahn)」は道のような意味。


ナトリウムは英語でなくドイツ語が由来。アメリカのインスタント麺の成分表示にかかれていた「ソジウム」が日本でいうナトリウムのことでした。


◆面白い外国語の事例
中国の「牙科」と書かれた歯医者さん。「愛人」が恋人のことだったり、「告訴」が伝えるという意味だったり、「火車」が汽車のことだったり、中国は近いようで一筋縄では行きません。


中国のホテルに置かれている白菜と落花生の置物。「白菜花生=百財発生(bai cai hua sheng)」と同じ韻を踏んだ掛詞となって、縁起物として飾られていました。


普通に発音するとミロですが、オーストラリアの英語だと「マイロ」と発音するので気をつけてください。「Day(デイ)」を「ダイ」、「Lake(レイク)」が「ライク」だったり、オージーイングリッシュは発音が違ったりするので、少し注意が必要です。


「セブンアップが欲しい」と伝えてもタンザニアでは通用しませんでした。公用語のスワヒリ語で7をサバと発音するので「あぁ、サバップね」と言われた時の敗北感といったら。


強壮剤の「朝鮮人参」を人参の一種だと思っている方いませんか?アメリカのエナジードリンクに書かれた「GINSENG」という名前が表すように全く別の植物です。


フライドポテト」は和製英語なので、英語圏では意味が伝わりにくいです。イギリスだとチップス(chips)、アメリカだとフレンチフライズ(French fries)と伝えた方がスムーズ。


西アフリカのフランス語圏では「ワイファイ(Wi-Fi)」のことをフランス語で「ウィーフィー」と言っていました。


世界中で人気となっているアイフォーンですが、数字部分を母国語でもないのに英語で読んでいるのは日本くらいではないでしょうか?「アイフォーンファイブ」はスペイン語で「アイフォーンシンコ」、フランス語で「アイフォーンサンク」、タイ語なら「アイフォーンハー」と呼ばれています。


アイフォーンと同様に「MP3(スリー)」も言語によって呼び方が変わります。フランス語だと「MP3(トワッ)」、スペイン語で「MP3(トレス)」、中国語で「MP3(サン)」といった感じで。


お酒の「テキーラ」は、メキシコの「テキーラ市」の周辺が主産地という事実。確かに日本にも豊田市や日立市があったりしますが……。


ラテン諸国で「Library」のような単語を見かけても、図書館ではありません。フランス語の「librairie」、スペイン語の「libreria」、イタリア語の「libreria」、いずれも本屋さんを意味しています。


そうした国の図書館はフランス語で「bibliotheque」、スペイン語で「biblioteca」、イタリア語で「biblioteca」となっていました。こちらはドイツ語でも「Bibliothek」、オランダ語でも「bibliotheek」、ロシア語でも「библиотека」と、たくさんの言語で使われているようです。


英語の「MOTEL(モーテル)」は略称で、正式は「MOTER HOTEL(モーターホテル)」となるみたいで驚きました。


ベトナムの「Chu Y(注意)」に漢字を使っていた名残を感じます。国名も「Viet nam(越南)」という漢字から来てますしね。


オーストラリアで仲良くなったコリアンは『「マッサージ30分間無料」「微妙な三角関係」は日本語と韓国語もほとんど一緒』と教えてくれました。韓国を旅しても「チュンモン(注文)は~」「ダンドン(弾道)ミサイルが~」と耳に入った言葉と、知っている日本語が結びつくので奇妙でした。

スペイン語で8が「ocho(オーチョ)」、足が「pie(ピエ)」。O(オー)から始まる数字の8+ピーで始まる「足」といったら、タコの「octopus(オクトパス)」ではないかと語源を調べたら、古代ギリシア語から来ているようで、繋がっています。


語学を追求していくことは、終わりが見えそうにありません。それでも楽しいことですから、まだ努めて勉強していきます。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
)

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in 取材,   ピックアップ, Posted by logc_nt

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