人類滅亡までの残り時間を示す「世界終末時計」、滅亡まで「あと3分」のまま変わらず
by brian colson
世界破滅の時を午前0時と想定して、終末までのカウントダウンを表した「世界終末時計」は、毎年の世界情勢を反映して残り時間が随時見直されてきました。2016年に行われた時刻の見直しでは、昨年と変わらず「真夜中まで残り3分にまで迫っている」と発表されています。
2016 doomsday clock statement - final[5].pdf
(PDFファイル)http://thebulletin.org/sites/default/files/2016%20doomsday%20clock%20statement%20-%20final%5B5%5D.pdf
World’s 'doomsday' clock will stay at three minutes to midnight | The Verge
http://www.theverge.com/2016/1/26/10830072/doomsday-clock-january-2016-bulletin-of-atomic-scientists
世界終末時計の残り時間を発表しているのはアメリカのBulletin of the Atomic Scientistsというアメリカの科学誌。2015年1月の発表で終末までの残り時間があと3分にまで迫っていましたが、2016年は時刻修正が行われませんでした。なお、残り時間が3分となるのは1980年代の冷戦時代以来とのこと。世界終末時計の過去の時刻修正は、以下のタイムラインで見ることができます。
A timeline of conflict, culture, and change | Bulletin of the Atomic Scientists
http://thebulletin.org/multimedia/timeline-conflict-culture-and-change
Bulletin of the Atomic Scientistsに所属する科学者は、2016年の終末時計の時刻見直しについて、「アメリカ合衆国とロシアの関係が冷戦時代と同じくらい緊迫している。2国間で将来的な軍備制限条約に関する協議が行われる可能性は極めて低いと推測して、2016年は終末時計の時刻を巻き戻さなかった」と発表しています。また、イランの核兵器保有を阻止するためにオバマ大統領がイラン核合意を実現した一方で、北朝鮮が水爆実験の成功を発表していて、他の国も核兵器製造を進めていることからも世界の終末が近づいていると説明しています。
世界終末時計の見直しを行っているのはBulletin of the Atomic Scientistと16人のノーベル賞受賞者を含む安全理事会で、1947年から一年に一回、人類を破滅に導く脅威を評価して「審判の日(doomsday)」までの残り時間を発表しています。当初は冷戦時代の核兵器開発を人類滅亡に導く危険とみなしてきましたが、1989年以降は地球温暖化や生命工学、サイバーセキュリティーなどの人類存続の脅威となり得る要因も考慮されています。例えば2015年は「これまでで最も暖かい年」だったことも、2016年に終末時計の時刻を巻き戻さなかった理由のひとつに挙がっています。
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Bulletin of the Atomic Scientistは、分針を戻す最適な方法について「核兵器の開発速度を著しく遅延させること」と、「アメリカ、ロシア、中国、北朝鮮などの核保有国が核兵器の軍備縮小に合意すること」とコメントしています。
なお、世界終末時計についてBulletin of the Atomic Scientistsが開いた会見の様子は、以下のムービーで見ることができます。
Doomsday Clock Announcement 2016 on Vimeo
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