サイエンス

核戦争後に地球を支配するのはゴキブリなのか?

By vaxzine

ゴキブリはその見た目や生態から不快害虫として忌み嫌う人が多いですが、生命力は非常に強く、「核戦争で人類が滅亡したら、生き残ったゴキブリが地球を支配するのではないか」という都市伝説が囁かれる存在でもあります。しかし、本当に核戦争が起きたとして、ゴキブリはその中で生き残れるのでしょうか。

【閲覧注意】Cockroaches Survive Nuclear Explosion : Discovery Channel
http://dsc.discovery.com/tv-shows/mythbusters/mythbusters-database/cockroaches-survive-nuclear-explosion.htm



SF小説や映画において「核戦争と人類滅亡」というテーマはポピュラーなものですが、その人類滅亡後の地球をゴキブリが支配するという都市伝説とも与太話ともつかない話があります。この説が生まれたのは第二次世界大戦後のことで、原爆が投下された広島と長崎で「ゴキブリを見た」という報告が上がってきたのが原因だとされています。この不確かな都市伝説について、世界最大のドキュメンタリーチャンネル・Discovery ChannelMythBustersチームが科学的なアプローチで挑みました。

MythBusters : Discovery Channel
http://dsc.discovery.com/tv-shows/mythbusters



ゴキブリに照射された放射線量は1000rad、1万rad、10万radの3種類。1000radは人間だと10分で死に至るというほどの放射線吸収量ですが、ゴキブリは半数が生き残りました。また、1万radでも10%が生き残り、10万radだとすべてのゴキブリが死亡しました。

ここで出てくるrad(ラド)は吸収した放射線の総量を表す単位。物質1kgから1J(ジュール(の仕事に相当するエネルギーが与えられるとき(1J/kg)の吸収線量を1Gy(グレイ)と定義しますが、1rad=0.01Gyにあたります。放射線関係のニュースでは「ミリシーベルト」「マイクロシーベルト」が用いられていますが、こちらは1Gyに放射線の種類ごとに定められた人体への障害の受けやすさの係数をかけて算出するもので、あくまで人体に対する影響を考えるための単位として作られているため、「1rad=何シーベルト」という換算はできません。

実験結果からは「ゴキブリは人間よりも放射線に強く、核戦争で人類が滅亡しても生き残っている可能性がある」というが確認されました。

しかし、自然界にはゴキブリよりもはるかに放射線に強い生物が多く存在していて、たとえばコマユバチはゴキブリが全滅する10万ラドの放射線吸収量でも生存が可能。

By smccann

仮に人類が滅亡したとしても「ゴキブリが地球を支配する」という事態にはならないようです。

2013/04/07 1:13
ラドとシーベルトは単純換算できないということで内容を修正しています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by logu_ii

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