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核兵器を使った戦争が起これば人類はどれくらい死ぬのか?


核兵器を使った戦争が起こると人類が滅亡する可能性があると指摘されます。実際に核爆弾が爆発すればどのようなことが起こるのかを解説するムービー「What If We Have A Nuclear War?」を見ると、アメリカ・ロシア・中国のような核大国ではない国同士の核兵器を使った戦争でさえ、多くの人を死に至らしめる大惨事が生じることが分かります。

What If We Have A Nuclear War? - YouTube


約70年前に広島と長崎で落とされた原子爆弾(原爆)が、戦争で核兵器が用いられたただ2つの例です。しかし、依然として1万5000発の核爆弾が存在しています。核爆弾が戦争で使われるとどのようなことが起こるのでしょうか?


核爆弾による被害は、天候や落下地点など周囲の条件によって大きく異なります。


しかし、一般的にエネルギーの35%が熱や放射線として放出されると考えられます。


熱放射は光の速度で伝わります。このとき発せられる強烈な光で長ければ視界が数分間も失われることになります。これを「Flashblindness」と呼びます。


1メガトンの核爆弾は、広島に投下された原爆の80倍の大きさです。1メガトン級の現代の核爆弾が晴天下で爆発すると、Flashblindnessは爆心地から21キロメートル離れたところまで発生します。


晴れた夜であれば、その範囲は85キロメートルまで広がります。


熱放射の第1レベルは11キロメートル離れた場所。第2レベルは10キロメートル、第3レベルは8キロメートル。第3レベルでは皮膚の細胞組織が破壊されます。


第3レベルのやけどが体全体の24%に及んでしまうと、救急治療を受けなければ命に危険が及びます。


また、着ていた服の色によっても被害は異なり、光を反射しやすい白色のシャツに対して光を吸収する黒を着ていると、より深刻な被害を受けることになります。


広島の原爆の爆心地では温度は30万度にも達していたと推測されています。これは火葬される温度の300倍です。


広島では強力な熱放射によって、さまざまな物の「影」が残されました。


しかし、原爆で最も大きなエネルギーとして放出されるのは爆風です。


気圧が急激に変化することで、建物でさえ破壊され吹き飛ばされてしまいます。


1メガトンの核爆弾が爆発すれば、6キロメートル離れた場所でさえ180トンの力がかかり2階建ての建物でも破壊されます。


なお、このときの爆風の速度は時速255キロメートル。


爆心地から1キロメートルの場所だと気圧の変化は4倍激しく、風速は時速756キロメートルにまで達します。木やビルはひとたまりもありません。


180トンの風を受けても人間の体は破壊されません。


しかし爆風によって飛ばされてきたさまざまな物が衝突することで、致命傷となるけがを負う可能性があります。


場合によっては倒れてきたビルに押しつぶされることになります。


これらの爆発は、あくまで1メガトンの核爆弾の場合の話。


ちなみにこれまで作られた中で最も巨大な核爆弾は、ロシアが作った「TSAR BOMBA」で50メガトンにも及びます。爆発で発生するエネルギーは広島の原爆3333発分と試算されています。


すべての放射線が危険というわけではありません。たとえばスマートフォンが発する微量の放射線であれば問題なし。


しかし、核爆発の中心で起こっている電子を原子から取り除くくらい十分なエネルギーを持つ放射線は危険です。


また、放射線は建物など外部の構造物によって影響の大きさが変わります。木が放射線を通すのに対してコンクリートは通さないなど、放射線の透過具合が違うからです。


600REMの放射線を被曝した場合、致命的な病気が起こる確率は90%。450REMでは確率は50%。


ただし、命が助かったとしてもDNAに損傷を受けるため、将来的には免疫の病気や癌が発生することがあり得ます。


核爆弾が爆発した場所ではクレーターができ、キノコ雲が立ち上ります。


爆発で生じた放射性物質は、大気に分散してやがて雨となって周辺の地域にまかれます。


放射線レベルは時間とともに低下して、2週間経つと1%まで下がります。しかし、核爆弾の爆発による放射線をさけるためには2週間も核シェルターにこもる必要があります。


では、何発もの核爆弾を使った戦争が起こると、どのような結果が生じるのでしょうか?


例えばインドとパキスタンで核戦争が起これば、広島の原爆100発分の核爆弾が使われる可能性があります。


なお、アメリカやロシア、中国が抱える核爆弾の数はインドやパキスタンの比ではありません。


インド対パキスタンの核戦争が起こると、地球全体を爆発で生じる灰が覆います。


これにより地球全体の気温は9%も下がり、作物の不作が起こり飢饉がおこります。


100発の核爆弾を使う戦争によって飢え死にする人は20億人と試算する研究もあります。

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