取材

親日国・台湾で日本文化が浸透しきった様子をチャリダーマンが見てきた


東日本大震災のときに200億円以上という世界最多の義援金を送ってくれたのが台湾の人たちでした。「親日国だから」というのは皆さんご存知のはず。私もそれは知っていたのですが、これほどまでだとは思いもしませんでした。百聞は一見にしかず。実際に台湾を訪れてみると「なぜ日本に良くしてくれるのか」という理由が紐解けます。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。2015年11月11日から約1ヶ月をかけて台湾を自転車で一周しました。気を抜いてしまうと、日本に帰ってきたと錯覚するほどの場所で、「ないものがない」というぐらいに日本文化が浸透しています。台湾では、このようなものを見てきました。

◆日本企業の進出
100円ショップの「ダイソー」は全商品が39元(約135円)均一。10元(約35円)ショップもあるのですが、見つかるのは希。雑貨に関しては物価の割には、日本よりも割高な感じでした。日本なら、たいていのものが100円ショップで揃いますからね。


ユニクロも存在感を放っています。人口の少ない東海岸の台東市では、若い女の子3人が店舗前で記念写真を撮っていたり。海外のユニクロはブランドを確立しつつあって、安い服の量販店というイメージとはちょっと違っています。


「洋服の青山」も発見。


「吉野家」で、牛丼を食べることができます。


「すき家」もありました。商品の価格帯を低めに設定しているので、ピーク時には行列ができるほど賑わっています。


福岡発祥のラーメン店「一風堂」も営業中。


大阪の「串かつ だるま」もありました。ソースの二度漬けは禁止やで!


コンビニ業界首位の「セブン-イレブン」は、台湾全土に店舗網を展開していました。かなり田舎の町でも、ポツンと1軒だけ営業していたりして便利。スーパーに比べると値段は定価で安くないのですが、セール品やまとめ買いを活用すると結構お得になったりします。


「ファミリーマート(全家)」も、よく利用していました。台湾のコンビニの多くはイートインの机と椅子が店内に備わっています。おにぎりでもアイスクリームでも会計を済ませたら、椅子に座ってその場で食べることができました。


「森永製菓」は、ミルクキャラメル、ハイチュー、チョコレート菓子、ウイダーinゼリーなどを台湾で手掛けていました。1961年に進出して以来、50年以上に渡って台湾で活動を続けています。


「カルピスウォーター」も流通していました。台湾飲料の定番として、コンビニの棚にも並んでいます。「C.C.レモン」も同様の人気。


◆広告の中にある日本
「セーラームーン」を起用したファンデーション。日本だけでなく、台湾でも販売されていました。


「ベルサイユのばら」とコラボしたアイライナー。「泣いても崩さない」というキャッチフレーズで、これも日本と同じ商品のようです。


こちらは「リラックマ」の展覧会の告知。


「NARUTO」を舞台にしたオンラインゲームの巨大広告。「火影online」は日本のバンダイナムコと中国のテンセントが共同で開発したゲームで、台湾と中国を合わせた会員数が2000万人を突破と、人気を博しています。


「バクマン。」の映画も上映されています。実際に映画館で見たのですが、日本語音声に中国語字幕となっていました。


ヤングジャンプでの連載が映画化となった「預告犯」の案内もありました。なぜか「預」の字が日本と違っています。「予告犯」ではないんですね。


太平洋そごうという百貨店の入口に、「進撃の巨人」に出てくる巨人の首が置いてありました。日本でも行われた「進撃の巨人展」のようなイベントが、台湾でも行われていて、それに関連した展示。


◆日本文化の浸透
「伊豆」という名前の日本料理店。なぜか京都風味。


「佐賀の屋」というお店もありました。北海道の鮭を使った海鮮鍋をプッシュしています。


「讃岐手打ちうどん」も食べることができそうでした。


「日本薬粧堂」は、日本のマツモトキヨシのようなドラッグストア。


「キティちゃん」も人気です。原付きに乗った女性のヘルメットのイラストが、キティちゃんだったりするのが台湾の日常。


「Tokyo Hair」という日本式のヘアスタイルにしてくれる美容院。


「漫画喫茶」もありました。実際に利用した人のレポートを読むと、ドリンクバーに漫画雑誌読み放題で、ほぼ日本と同じシステムみたいです。


・パロディ
「快楽の巨人」は進撃の巨人のオマージュですよね。でも、隣にはガンダムのようなロボット。ちなみに「快楽」は「幸せ」ぐらいの意味合いで、日本語の持つイメージとはちょっと違います。


人気のライトノベル「とある魔術の禁書目録」にインスパイアされた「とある海浪花の霜淇淋」は、ソフトクリーム屋さんでした。


地下鉄のマナー広告に「ドラえもん」と「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラクターらしい姿が映っています。


・トトロ
トトロが住んでいそうな田舎の集落にあったイラスト。


まん丸ブイを使ったトトロ。海沿いにあるカフェの入口でした。


大きなトトロとまっくろくろすけ。


携帯アクセサリーを扱うお店にあったトトロは、シンプルだけど特徴を捉えたイラストでした。


◆萌えキャラ
日本と同じように、萌えキャラも活躍していました。

駅員の「小穹」は、高雄市の地下鉄「高雄捷運」の萌えキャラ。運転士の「艾米莉亞」、整備士の「婕兒」、サービス係の「耐耐」と「前進?!高捷少女《進め!高捷(たかめ)少女!》」という設定まであって、キャラクターグッズも販売されたりしています。フェイスブックページも必見。


こちらの「光華娘」は、台北の秋葉原とも呼ばれる光華商場のイメージキャラクター。おっぱいの大きい女の子が活躍していますね。


「林黙娘」は、台北市の若者たちが集う西門町の萌えキャラクターです。西門町にある台北天后宮で航海安全の神様として祀られている媽祖がモチーフ。


◆台北地下街
台湾のオタク文化が一つ集まっている場所が台北地下街でした。台北駅にある地下街の一つ。地上には市民大道一段が通っています。台北駅の地下には、誠品地下街、駅前地下街、中山地下街が連なっていて、歩き疲れるほどに広大なエリアが一つの商業地区となっていました。

グーグルマップだとここ。


地下街に降りる階段。


台北地下街は、服飾精品區、生活百貨區、精緻美食區、電子資訊區と4つの区画に分かれています。その4つの区画の一つである電子資訊區のエリアには、ゲームソフト、漫画、アニメDVD、フィギア、ぬいぐるみといったオタクグッズを扱うお店が密集。週末ともなれば、台湾の若い人たちで溢れかえります。

商店街のように連なるお店。通路の天井は、電車の中吊り広告のように、たくさんのポスターが貼られていました。


このようなほんわかするイラストもあったり。神社に桜に神輿と日本の景色ですね。


ゲームセンターもあって、「太鼓の達人」には人だかりができていました。


このようなビデオゲームもあります。ゲーム画面も繁体字の漢字表記でした。


クレーンゲームの景品がドラえもんのぬいぐるみ。


地下街には、こういったゲームソフト店もたくさんあります。体感型のセンサーでもあるのか、テレビの画面を前に踊っていたりと、ゲームの変化を目の当たりにしました。


ゲーム屋さんの店頭。


「ペルソナ4 ダンシング・オールナイト」の広告。


「戦国無双4」のプロモーションビデオも流れていました。「だんだんお主のことが気になってきち……」という会話の続きが気になります。


「選択なき幸福」というゲームの案内。「PSYCHO-PASS サイコパス」というアニメが基になっているようです。日本人の私ですら知らない日本の流行を台湾で知ることになるとは……。


フィギアやぬいぐるみといったコレクターズグッズが、所狭しと陳列されているお店もあります。


セーラームーンだったり、初音ミクだったり。


こうしたお店の周りには、溢れんばかりの販促ポスターが貼られていました。


ガシャポン(カプセルトイ)もずらりと並んでいました。ガシャポンは、コンビニやスーパーの前にも置いてあったり、台湾の日常生活に溶け込んでいます。


「校庭に半分埋まっているタイヤ」まで輸出されているなんて!!


「Oh!taku」という本屋さんには、中国語(繁体字)に翻訳された日本の漫画やライトノベルが販売されていました。


台湾滞在中に「ギガントマキア」「NARUTO」「ワンパンマン」といった漫画を購入。台湾では、ほとんどの日本の漫画を手に入れることができそうでした。


「宝島少年」は台湾版の週刊少年ジャンプです。


地下街には「メイドカフェ」もあって、フリフリのメイド服をまとった可愛らしい女の子が歩いていたりしました。


疲れた体をほぐしてくれる「執事マッサージ」なんてものまでありました。


・絵馬
この地下街には神社のような鳥居もあったりします。


それもあってか、ズラーっと絵馬を括りつけるコーナーも設けられていました。


「今年は日本語能力試験に合格したい」といった願い事も。


「叶え、みんなの夢」と群を抜いた素敵な願い事を発見。日本のアニメ作品「ラブライブ!」に由来したものですが、こういう粋なフレーズを使う台湾の人に惹かれたりするのでした。


細かいところでは、日本の演歌やNHKの大河ドラマも人気だったり、際どいところでは、BL漫画や抱きまくらまであるようです。テレビCMにも日本語が聞こえてきたり、商品のパッケージにも日本語が使われたりします。

台湾は、世界で一番日本に近い外国でした。いつまでも変わらぬ良好な関係を築いていきたいものですね。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
アジア最大・世界第2位のコンピュータ総合見本市「COMPUTEX TAIPEI 2015」現地取材記事まとめ - GIGAZINE

デスクトップPC産業の崩壊で台湾のテクノロジー企業が青息吐息 - GIGAZINE

台湾の夜市で1300円出せば12品飲み食いする事ができる - GIGAZINE

台湾を席巻し「マンゴーかき氷ブーム」を生み出した元祖「ICE MONSTER」に打ちのめされました - GIGAZINE

台湾で旅客機が高速道路をかすめて墜落、車載カメラが一部始終を撮影 - GIGAZINE

全天球カメラ「RICOH THETA」で台湾の街並みをいろいろ撮ってみました - GIGAZINE

無料で世界最大級の巨大金塊に触りまくれる「金瓜石黄金館」に行き、台湾随一の絶景も堪能しました - GIGAZINE

メキシコで愛される日本のアニメやキャラクターたち、メキシコ人はオタクだった - GIGAZINE

バンコクのジャパンエキスポはタイ人コスプレイヤーたちの祭典でした - GIGAZINE

日本から遠く離れた南米で堪能する納豆・梅干・豆腐・あんパンなど日本の食文化 - GIGAZINE

in 取材, Posted by logc_nt

You can read the machine translated English article here.