「筋肉はどのように成長するのか?」そのメカニズムをアニメで解説
筋肉ムキムキのマッチョな体を作るには、筋肉が成長するメカニズムを理解することが大切。筋肉の成長する仕組みを理解すれば、トレーニングを効果的に行えます。筋肉ムキムキになりたい人だけでなく、健康増進の一環として体を鍛えたい人にもためになる、簡単に筋肉に対する理解が深まるムービー「What makes muscles grow?」をTED-Edが公開しています。
What makes muscles grow? - Jeffrey Siegel - YouTube
筋肉はどのように成長するのでしょうか?
全身には600種類を超える筋肉があります。
筋肉は体重の3分の1から2分の1を占めるほど。
筋肉のおかげで力に対抗したり動いたりできるのです。
筋肉を大きくするにはトレーニングが重要。
もっとも、筋肉を大きくしたいか否かはさておき、生きる上で筋肉は大切なものです。
例えば、ドアの前に立ってドアを開ける時のメカニズムを考えてみましょう。
まずは、脳が神経を通じて「ドアを開けたい」という指令を……
腕の筋肉に伝達します。
脳から命令を受けた腕の筋肉は収縮したり伸ばしたりと形を変化させて……
骨を引っ張ります。これでドアノブに力が伝わり、ドアを開けられるという仕組みです。
もしも頑丈で重い鉄製のドアだったらどうでしょうか?脳は「相手」に合わせて命令を変えます。強い力が必要であれば、強い命令を送ります。
また、腕の筋肉だけでなく脚や腹部や背中など全身の筋肉に、状況に応じて命令を出します。
体勢を変えて全身で大きな力を出すことで、鉄製のドアを開けられます。
神経システムは、全身の筋肉を組み合わせて大きな力を生み出すことができるのです。
筋肉組織は繊維状に重なっています。
大きな力を出すことで、筋肉の繊維が傷つけられることがありますが、これは筋肉の成長には良いことです。
傷ついた筋細胞はCytokines(サイトカイン)と呼ばれる物質を放出します。
サイトカインが放出されると免疫システムが傷を治そうと働きます。
筋繊維が傷ついては治療され、傷ついては治療され、を繰り返すことで……
筋肉は大きくなります。
このサイクルを繰り返すことで筋肉はより強く大きく成長し、より大きな力を出せるようになるというわけです。
もっとも、体中の筋肉は日常生活で必要な運動にはすでに適応しています。そのため日常生活では筋肉を成長させる負荷はかかりません。
そこで新しい筋肉をつくる「Hypertrophy」と呼ばれる仕組みが必要です。
これは普段している運動よりも高い負荷をかけることで筋肉が大きくなるというもの。
なお、筋肉へ継続的な負荷がかからないと筋肉が縮んでしまうという現象「Muscular atrophy」も知られています。
大きな負荷をかけてより筋肉の成長をうながすには、筋肉を伸ばしながら力を出す「エキセントリック筋収縮」と呼ばれる運動が効果的です。
筋肉の成長にトレーニングが大切なのは確かですが……
栄養を取らなければダメージを受けた筋肉を回復させることはできません。
食事で取るタンパク質は……
体内でアミノ酸に変化して、再びタンパク質になり筋肉をつくります。
タンパク質の合成を促すインスリンや筋肉の成長を促すテストステロンも、筋肉の成長に大切です。
なお、傷ついた筋肉を修復して成長させるプロセスは、寝ているときに最も活発になります。つまり、筋肉を成長させるためには体を休めることも大切というわけです。
性別や年齢も筋肉の成長メカニズムに大きく関わっています。テストステロンが大量に発生する若い男性が、ボディビル大会で好成績を収めやすいのはこれが理由です。
さらに、筋肉の成長には遺伝的な要因もアリ。
遺伝的に筋肉を成長させやすい人など、筋肉の成長に「素質」が関わることも知られています。
とはいえ、筋肉をどう取り扱うかが筋肉の成長には最も重要です。正しい運動をして……
タンパク質などの栄養を十分に取り……
トレーニングと休息を繰り返せば……
筋肉は強く大きく成長するものなのです。
・関連記事
プロテインがどのようにして筋肉になるのかをアニメで解説 - GIGAZINE
「筋肉」に関してあまり知られていない10の事実 - GIGAZINE
豆がどうやって「オナラ」として排泄されるのかをアニメで解説 - GIGAZINE
1日にどれくらい眠るのが良いのか? - GIGAZINE
薬物中毒の原因が間違って理解されていることを説明する「Everything We Think We Know About Addiction Is Wrong」 - GIGAZINE
徹夜明けで睡眠不足でも元気に1日を過ごす方法を科学的に解説 - GIGAZINE
・関連コンテンツ