3DCGを粘土遊びのようにしてバーチャル空間で自由に作れる「Oculus Medium」
VRヘッドセット「Rift」を開発するOculusが、VRヘッドセットに対応した物作りのプラットフォーム「Medium」を発表しました。これまでの3DCGの作り方とは全く違う、粘土遊びや陶芸のような感覚で、バーチャル空間で直感的に立体物が作れるようになっています。
Introducing Oculus Medium - YouTube
VRヘッドセットを手渡される男性の姿からムービーはスタート。
ヘッドセットを装着。
彫刻家のピーターさんは、デジタルのアイテムにあまり興味がなく、あくまで彫刻は現実世界で作り出されるものと捉えていました。
学生のアカイラさんも、VRヘッドセットを使った体験は初めてとのこと。
ジュードさんもアナログなタイプで、自分のスタジオではWi-Fiも使えないそうです。
ということで、全くバーチャルの世界に親しみのない人々がMediumを使ったらどうなるのか?という視点でムービーは進んでいきます。
両手に不思議な形のコントローラーを握り、なにやら手を動かしていくピーターさん。
ピーターさんの視界はこんな感じ。コントローラーには2つのトリガーがついており、1つは素材を出すためのもの、もう1つは道具の動きをコントロールするときに使うものになっています。
手を動かすピーターさんですが、初めは手を左右に振ったりと、平面的に動かしていたとのこと。
しかし、手を奥に伸ばすと……
立体的なものが自由に作れることに気づいたそうです。
造形物をくるりと回転させることも簡単。
いらない部分をカットしたり……
ねじったりということも楽々で、重さや固さがない分、現実に存在する素材で物を作るよりもかなり自由度は高そうです。
「すごく楽しかった」とにっこりするピーターさん。
アニメーターのエイミーさんも挑戦。
トリガーを引きながら、ドアのハンドルを回すように手をねじっていくと、くるりんと円を描くように素材が出てきます。
エイミーさんによると、Mediumを使うと既存の3Dプログラムとは違い、直感的な物作りが可能で、陶芸家の作業のようだったとのこと。
さらに、ただ物を作るだけではなくて、仕上げにはどこからライトを当てるか、ということも調整可能です。
コントローラーはこんな感じ。親指と人差し指で2つのトリガーを操作していきます。
カラーホイールから色を選んで……
色づけも楽々です。
ペンのようにベタっと色をつけたり、スプレーを吹きかけるようにして色づけしていったり。
アカイラさんも全身をフルに使って物作り。
頭の中にあるものを見事に立体化させていきます。
ジュードさんも「ものすごくわくわくする体験だった」とMediumについて語ります。
手をグリグリと動かして造形物に穴を開けていくジュードさん。
何もない空中にどんどん立体物を作り上げていきます。
素材も一種類ではない様子。
こんな感じで、3DCGのアニメーションに出てきそうな立体キャラクターが直感的な操作で自由に作れるわけです。
なお、既にOculus Mediumを使ってさまざまな立体物が作られており、以下のようなホネ人間や……
.@_boogs Thanks for sculpting in Medium at @Oculus_Connect! Here's a screenshot of your masterpiece. #OC2 pic.twitter.com/coHDBGIRUL
— Medium (@OculusMedium) 2015, 9月 25
クリーチャーまで、作り手の頭の中にあるものを自由に表現できるようになっています。
.@bayraitt sculpted this in Medium at @Oculus_Connect! Attendees, the bar just got raised... #OC2 pic.twitter.com/1IFJ3CLXoe
— Medium (@OculusMedium) 2015, 9月 25
三次元的に立体物を造形するVR対応アプリとしてはTilt Brushなどもありますが、Tilt Brushは絵を立体化させているのに対してMediumは粘土で物を作っているような感覚となっています。また、Mediumは2人の人が同時に同じものを作成することもできるところが、Tilt Brushとは異なる点です。
「イラストを立体化させる」ようなアプリ「Tilt Brush」は以下から確認可能。同じ「立体物を作る」アプリでも、全くMediumと系統が違うことが見て取れます。
Tilt Brush
http://www.tiltbrush.com/
なお、Mediumは2016年にリリースされる予定となっています。
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