スマホのバッテリーをわずか35分で0から80％まで超速充電可能な最強SoC「Qualcomm Snapdragon 820」

Qualcommが次期ハイエンドSoC「Snapdragon 820」に関する発表会を実施し、下り最大600Mbpsの通信速度に対応してモバイル向けとしては最高レベルの高速通信を実現すると共に、急速充電規格で今までにない速度での充電が可能になることが判明しました。

Qualcomm Introduces Next-Generation Fast Charging Technology with Quick Charge 3.0 | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/news/releases/2015/09/15/qualcomm-introduces-next-generation-fast-charging-technology-quick-charge

Snapdragon 820 countdown: breakthrough LTE and Wi-Fi with X12 LTE modem | Qualcomm
https://www.qualcomm.com/news/snapdragon/2015/09/14/snapdragon-820-countdown-breakthrough-lte-and-wi-fi-x12-lte-modem

Qualcommの発表によれば、Snapdragon 820は電力レベルの最適化を行う「Intelligent Negotiation for Optimum Voltage(INOV)」を搭載した急速充電規格の「QuickCharge 3.0」に対応しているとのこと。QuickCharge 3.0は、INOVを搭載することにより、電圧3.6～20Vの間で200mVごとに細かい電圧調整が可能になっており、5V、9V、12V、20Vの4種類でしか調節できなかった従来のQuickCharge 2.0から82種類へと大きく発展しました。

電圧調整が細かくなったことにより、スマートフォンのバッテリーを35分の給電で0％から80％まで充電できるようになるとのこと。QuickCharge 2.0と比較しても充電速度が27％高速化され、消費電力は最大45％減少できるようになります。QuickCharge 3.0はSnapdragon 820以外にも、620、618、617、430に採用される予定です。

QuickCharge 3.0をサクッと理解できるムービーは以下から確認できます。

Quick Charge 3.0: next-gen fast charging technology - YouTube

また、Snapdragon 820はLTEに対応する「X12 LTEモデム」を統合することにより、カテゴリー12のダウンリンクとカテゴリー13のアップリンクの両方に対応し、下り最大600Mbps、上り最大150Mbpsというモバイル向けとしては最高レベルの高速通信を実現しているとのこと。他にも、最新のWi-Fi通信規格「802.11ad」、5GHz周波数帯を利用し高速ネットワーク通信を実現する「LTE-U」、4本のアンテナから複数のデータを同時に送受信する「4×4 MIMO」などをサポートしています。

X12 LTEモデムのデモムービーは以下から確認可能です。

Snapdragon 820 with X12 LTE: a first with LTE-U - YouTube

過去の発表ではSnapdragon 810と比べて40％省電力＆40％高速なGPU、独自のマルウェア検出機能「Snapdragon Smart Protect」、電力効率を2倍に向上させる新CPU「Kryo」を搭載することが判明済み。数々の新機能を搭載し前バージョンから大幅に性能アップしたQualcomm Snapdragon 820を搭載したスマートフォンは2016年に登場すると見られています。