PCやスマホの画面の「黄色」は製品によってなぜ異なっているのか
iPhone・Xperia・Nexusなどスマートフォンの画面を見比べてみると、微妙にディスプレイの発色が異なっています。特に「黄色」に大きな違いが生まれることがありますが、では製品によってなぜ違いが生じるのか、この点についてマイアミ大学の拡張現実研究グループが解説しています。
Computer colors aren’t consistent | The Augmented Reality Center
http://augmentedreality.miamioh.edu/computer-colors-arent-consistent/
人間の視細胞には桿体と錐体が存在します。錐体細胞は色に対して敏感であり、赤・緑・青の3つの光を吸収する光受容体を含んだもので、黄色の光を吸収する受容体などはないのですが、赤色と緑色の光が混ざることで、結果的に黄色として認識することが可能です。
スマートフォンのディスプレイ上で色を作り出す場合も赤色と緑色を発光させて黄色を表現していますが、この時、赤や緑は微妙に違う波長を使って表現されています。これが発色の違いを生み出しているというわけです。
例えば、「HTC One M7」の波長を数値化すると以下のようになっています。横軸が光の波長、縦軸が波長の強さ、赤・緑・青・黒の線がそれぞれ赤色・緑色・青色・白色を表しています。波長450nm付近で青色、波長530nm~550nm付近で緑色、波長610nm付近で赤色が強く感じられるディスプレイの作りになっています。
「HTC One M8」のグラフは「HTC One M7」と比べると波長510nmの青色の強さを抑えた模様。
「iPad mini」は「HTC One」シリーズと比べ、波長445nm付近の緑色・赤色に強さがあり、波長520nm付近の青の強さは「HTC One M7」よりもあります。
同じApple製品でも「iPhone 4s」と「iPad mini」は別のグラフを描きました。
「Nexus 7」は「HTC One M7」と似たようなグラフになっています。
グラフを見ると製品による発光の微妙な違いが、ディスプレイの発色の違いにつながっているというわけです。
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