生き物

木の枝に擬態する虫が皮膚でも色を感知できることが研究で判明


擬態を行う蛾の一種「オオシモフリエダシャク」が擬態する際に自分の目ではなく「皮膚」を使って周囲の環境を感知していると新たに判明しました。

Adaptive colour change and background choice behaviour in peppered moth caterpillars is mediated by extraocular photoreception | Communications Biology
https://www.nature.com/articles/s42003-019-0502-7

Caterpillars of the peppered moth perceive color through their skin to match their body color to the background | MPI CE: PR Eacock 2019
http://www.ice.mpg.de/ext/index.php?id=1570

カメレオンやタコ、一部の虫は捕食者に食べられないように自分の体を周囲の環境に同化させる「擬態」を行います。ドイツのマックス・プランク科学生態研究所の研究チームは、擬態を行う昆虫が周囲をどのようにして認識しているかを把握するため、取り付いた木の枝に近い色に自身の体色を変化させる蛾の一種オオシモフリエダシャクの幼虫の目をふさぎ、その擬態に生じる影響に関する実験を行いました。

画像左側がオオシモフリエダシャクの幼虫の頭部で、黄色の丸で囲まれた部分が目になります。今回の実験では、画像右側のようにアクリル絵の具でオオシモフリエダシャクの目を覆って見えなくしました。


研究チームは、目をふさいだオオシモフリエダシャクの幼虫と、対照群として目をふさいでいないオオシモフリエダシャクの幼虫を茶・緑・黒・白の棒に止まらせ、体色の変化を観察しました。観察の結果、目がふさがれたオオシモフリエダシャクの幼虫も棒の色に合わせて自身の体色を変化させることが判明。目がふさがれたオオシモフリエダシャクの幼虫と通常の幼虫では、保護色の色合いや彩度・輝度に差があったものの、この差は天敵であるアオガラが知覚できないものだったとのこと。すなわち、目をふさいでもオオシモフリエダシャクの幼虫の「擬態の巧みさ」は変わらないということがわかりました。


また、体色がすでに変化している目の見えないオオシモフリエダシャクの幼虫を体色とは異なる色の枝に止まらせると、オオシモフリエダシャクの幼虫は自分の体色に合った枝に移動するとのこと。このことより、オオシモフリエダシャクの幼虫は目がふさがれていても周囲の色を認識できることが改めて確認されました。

研究チームがオオシモフリエダシャクの遺伝子に関する調査を行った結果、視覚に関する遺伝子が頭部だけでなく体にも発現していると判明。さらに、頭部よりも体表側に多く発現する視覚遺伝子まであったそうです。研究チームはこの体表側に多く発現する遺伝子が周辺色の認識に関係しているとみて研究を進めています。

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in サイエンス,   生き物, Posted by log1k_iy

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