サービス終了でサーバーが閉鎖したゲームでも合法に改造プレイできるよう電子フロンティア財団が要請中
By David C
どんなに人気のあるゲームでも、時間が経過してたくさんの新しいゲームやハードが登場すれば、徐々にプレイヤーの数は減少していくものです。近年爆増しているオンラインゲームなどでは、オンラインプレイができるように専用のゲームサーバーを用意する必要がありますが、プレイヤーの数が減少すればその維持費もばかにならないので、サーバーを閉鎖するべく「サービス終了」しなくてはいけなくなります。そんなサービス終了で遊べなくなってしまったゲームを合法にプレイできるようにすべく、電子フロンティア財団(EFF)が行動を起こしています。
Videogame Publishers: No Preserving Abandoned Games, Even for Museums and Archives, Because All "Hacking" is Illegal | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2015/04/videogame-publishers-no-preserving-abandoned-games-even-museums-and-archives
熱狂的なゲームファンや博物館、研究者などの中には「古いゲームをプレイ可能な状態で残す」ためにさまざまな取り組みに参加している人が大勢存在します。こういった人々は、サービス終了などによりゲームプレイに必要なサーバーが閉鎖してしまった場合でも、新しくサーバーを設けたり、ゲームそのものに手を加えることでサーバーなしでゲームのプレイが可能になったりすることを望んでいるわけですが、この活動を邪魔する法律「デジタルミレニアム著作権法」がそういった活動を阻害しているそう。そこで、EFFと法科学生のケンドラ・アルバートさんは、ゲームを後世に残すためにデジタルミレニアム著作権法のセクション1201を回避できないかアメリカ合衆国著作権局と協議しているそうです。
EFFとアルバートさん以外にも、多くのゲーマーコミュニティや博物館、研究者の間で、「サービス終了によりサーバーが閉鎖されてしまうゲームをプレイ可能なまま維持したい」という意見がこぼれています。
By mattjones3d
しかし、アメリカコンピューターゲーム産業の業界団体であるエンターテインメントソフトウェア協会(ESA)は、古いゲームを修復してプレイすることを望んでおらず、壊れたゲームや古いゲームをプレイできるようにすることは広義の「ハッキング」に当たり、「著作権侵害となる」としています。
これに対してEFFは、「デジタルミレニアム著作権法のセクション1201は、娯楽産業の間で長らく使用されてきた条項で、これの影響で娯楽産業はひどく寡占的な市場を形成してきました。アメリカのゲーム産業で大きな権力を持つESAがアメリカ映画協会やアメリカレコード協会と共にセクション1201の回避に反対することにはまったく驚きがない」とコメント。
ESAからは、「サポートが終了した古いゲームを改良し、新しいサーバーに接続したりサーバーなしでプレイできるようにしてしまえば、ゲームを延々と遊び続けることが可能になり、ゲーム産業が立ち行かなくなる」という主張や、セクション1201の免除を認めれば「ハッキング行為を合法と認めているというメッセージを世界に発信することとなる」という警告まで飛び出しています。
By Tom Lawrence
インターネット上ではいつでもどこでも誰でも世界中の人々にゲームを配信することが可能です。例えば、最新技術でリメイクされたスーパーマリオ64が誰でもプレイできるように公開されていたりしましたが、こちらも任天堂から著作権侵害の通知書が送られてきたため削除されています。
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