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22年で22本ものゲームを輩出したインディーズゲーム開発者が語る成功への道

By Wild Rumpus

インディーズゲームの開発・販売を手がけるSpiderweb Softwareの創業者であるJeff Vogelさんは、起業した後も開発に携わり続け22年間で22本もの作品を制作しました。22本の作品の中で最新作となる「Avernum 2: Crystal Souls」が2015年1月に発売されたことを受けて、IT関連のニュースサイトVentureBeatがVogelさんにインタビューを実施し、その内容を公開しています。

The original indie dev: How one man made 22 games in 22 years, mostly from his basement | GamesBeat | Games | by Heather Newman
http://venturebeat.com/2015/02/17/the-original-indie-dev-how-one-man-made-22-games-in-22-years-mostly-from-his-basement/view-all/

ゲーム開発に携わってから18年もの間、Vogelさんはいつも自宅にある地下室に閉じこもってゲーム制作に取り組んできたそうです。実のところ、会社の名前になっているSpiderweb Softwareは地下室にいたクモの巣(Spider's web)にちなんで名付けられたとのこと。しかしながら、Vogelさんは数年前に新しい家に引っ越し、記事執筆現在では新居に作った特別な部屋で作業しています。


1970年に生まれたVogelさんがゲーム開発に出会ったのは8歳か、9歳のこと。初めてゲームをプレイしてからというものゲームの魅力に取りつかれていたVogelさんは、8歳か9歳の時にプログラミングを勉強する機会に恵まれて、それ以降プログラミングでゲームを開発することに夢中になりました。少年だったVogelさんを引きつけたゲーム開発の魅力について聞かれると、Vogelさんは「脳で起こる化学反応のような現象に興味をひかれたんだと思います。めちゃくちゃ面白いゲームをプレイすると、自分が何かを成し遂げたような達成感を感じることがありますよね。この感覚はゲーム特有の感覚であって、そこにものすごく興味がありました」と語っています。

Vogelさんの処女作は大学院生の時に作った「Exile: Escape from the Pit」というゲーム。忙しい試験が終わりまとまった時間を取れたVogelさんは、以前からひそかに計画していたゲーム開発に真剣に取り組むことにします。数カ月後にゲームが完成し、インターネット上で販売したところ評判は上々。結果的にVogelさんは大学院生では考えられないくらいのお金を稼ぐことに成功し、そのまま大学院を退学してしまいました。


Vogelさんがゲーム開発者に転身してから手がけた作品の多くはロールプレイングゲーム(RPG)というジャンルのゲームでしたが、Vogelさんは近年になってRPG以外のジャンルのゲームも開発しています。

開発するゲームのジャンルが変化したことについて、Vogelさんは「いつも作ってみたいと思う作品の開発に取り組んでいるだけです。ゲーム開発者になったばかりのころは、わけもわからずできること全てをゲームにつぎ込もうというスタイルでしたが、年を重ねるごとにコードや経営に関してなどさまざまなことを学び、私自身が成長しました。ただし、年をとっても若い頃の気持ちや自分を支えてくれるファンの存在を忘れないように気をつけています。今のゲーム開発においては若い頃の自分やファンを信じることが重要です」と語りました。


ソニーのPSNやMicrosoftのXbox Live、Steamといったデジタル配信を行うサービスが登場したり、スマートフォンが普及したりするなど、昔と比べてゲームを開発できるプラットフォームは種類が劇的に増加。また、クラウドファンディングサイトの台頭によって開発者は以前より簡単に資金を集めたり、PRしたりできるようになりました。

こういった現状はインディーズゲーム市場の拡大につながっていそうですが、Vogelさんは「あるイベントに行った時のことなんだけど、イベントでは新しいインディーズゲームを紹介するブースがありました。そこで驚いたのは展示されているインディーズゲームの数が100本以上あったこと。ゲーム市場全体で考えても、1年に100本以上ものゲームは必要とされていないのが現状ですから」と話し、インディーズゲーム市場の問題点を指摘しました。

By Marie Foulston

「自分が今生まれたとしたらゲーム開発に携わろうとは思わないでしょう。インディーズゲームの数が増えているので、成功するチャンスはなかなかありません。イベントに行った時によくあることで、若い開発者に『あなたにあこがれてゲームの開発者になったんです!』と言われることがあります。もちろんすごくうれしい一言なのですが、昔とはインディーズゲームの状況が一変しているので申し訳ない気分になるんです」とVogelさんは苦悩を語ります。

しかしながら、Steamやクラウドファンディングサイトのおかげで個人の開発者とユーザーが昔よりもコミュニケーションを取りやすくなったのも事実です。そのあたりはVogelさんも認めるところで、「私がゲームを開発し出したころは、World Wide Webの存在を誰も知らなかった時代。そこから考えると、クレジットカードさえあればゲームの販売を行えるSteamは開発者にとって素晴らしいサービスです」と発言。


インタビューの最後では、Vogelさんが若い開発者に対してアドバイスを送りました。アドバイスの内容は「自分が携わる仕事がどういうものなのか、仕事に対してどのような姿勢で取り組むのか、きちんと理解すべき。その後は、諦めないで続けることですね」というもの。なお、Vogelさんは今まで使ったことのないゲームエンジンを使った完全新作に取り組む予定で、すでに新作に関するアイデアをたくさん思いついているとのことです。

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in メモ,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

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