音速の7倍で200km先に砲弾を撃ち込めるレールガンをアメリカ海軍が一般公開
アメリカ海軍はレールガンやレーザー砲などの次世代兵器の開発を進めており、すでにレーザー砲の模擬試験の様子を公開してその威力を見せつけました。そして、2015年2月4日に開催されたNavy’s Future Force Science and Technology Expo(アメリカ海軍未来科学技術エキスポ)で、「レールガン」を公開してその恐るべき破壊力を誇示しています。
The Pentagon’s electromagnetic ‘rail gun’ makes its public debut - The Washington Post
http://www.washingtonpost.com/news/checkpoint/wp/2015/02/06/the-pentagons-electromagnetic-rail-gun-makes-its-public-debut/
レールガンの圧倒的な破壊力は以下のムービーを見れば一発で理解できます(いきなりレールガンの迫力ある音から始まるので視聴の際は注意)。
U.S. Navy railgun makes public debut - YouTube
かつてスターウォーズなどのSFの世界で描かれた電磁エネルギーを使った砲撃を行う「レールガン」は……
すでにアメリカ海軍が現実の物にしています。
ついにそのレールガンが一般に公開されました。この長い砲身で砲弾を加速させて撃ち出します。
レールガンはレールに挟まれた砲弾に瞬時に電磁エネルギーを与えることが可能。
わずか0.01秒でマッハ7(音速の7倍)まで加速させるとのこと。その威力は鉄板を何枚も貫通するほど強力。
アメリカ海軍のロジャー・エリス氏は、「科学技術の進化は驚くべきものです。我々は電気エネルギーを高密度に集中させて磁気エネルギーを創りだし、10ミリ秒のうちにマッハ7まで砲弾を加速させられます」と述べています。
これはマッハ7で撃ち出された、ミサイルのように先端がとがった砲弾を超スローモーションで撮影した映像。砲弾は回転しながらターゲットに向かって飛んでいきます。なお、従来のヘルファイアミサイルの速度がマッハ1なので、レールガンの射出速度のすさまじさは明らかです。
レールガンの登場で、従来、13海里(約24キロメートル)だった射程距離を、110海里(約200キロメートル)まで範囲を大幅に広げることが可能。
砲弾はこんな感じで装填するようです。
マット・ウィンター准将は、「信じられないことに、未来の兵器を科学者が設計して現実の物にしているのです」と興奮気味に語り、10年以内に海軍の艦艇にレールガンが実戦投入されると予想しています。
すさまじい破壊力を持つレールガンは「コンパクトな兵器」という魅力もあります。
エリス氏によると、レールガンは砲弾を撃ち出すのに必要なエネルギーを大幅に小さくすることと同時に、武器として艦艇に設置するのが容易なほど小さくすることができたとのこと。
アメリカ海軍はレールガンを高速輸送船に設置して実験を行う予定です。
・関連記事
米海軍が1発100円のレーザー砲発射実験を公開、強力な破壊力もプレステ感覚で操作可能 - GIGAZINE
砲弾を音速の約7倍の速さで撃ち出すレールガンの世界初艦上実験の実施をアメリカ海軍が発表 - GIGAZINE
レーザー砲・レールガンなどの未来兵器をアメリカ海軍が実戦配備の見通し - GIGAZINE
アメリカ海軍が行った電磁レールガンのテストムービー - GIGAZINE
アメリカ海兵隊の基地「キャンプフォスター」の食堂に行ってみた - GIGAZINE
・関連コンテンツ