取材

アメリカ海兵隊の基地「キャンプフォスター」の食堂に行ってみた


米軍の中でも敵地に真っ先に突入し切り込みをかけたり、危険な場所に取り残された自国の民間人を救助したりするというハードな任務を担当する海兵隊。そんな精鋭部隊は一体普段どんな食事をしているのか? 実際にキャンプフォスター基地に入って食堂を見学することができたので、料理そのものから調理の舞台裏までをパチパチと撮影してきました。

◆実際に食べてみた

MESSHALLと呼ばれる食堂の外観は以下の通り。


入り口の周りはこんな感じ。


入り口を入るとこんな感じで受付の様な場所があり、基地関係者ならここで「ミールカード」を見せれば食事をすることができます。なお、3食とは別に追加で食事が欲しい場合は4.55ドル(約358円)で食べることができます。


まず、最初のパートは食器類のピックアップとサラダバー。


木目調のトレーを取ります。


ナイフやフォークなどもここでゲット。


取り皿はこんな感じ。


ブロッコリー、カリフラワー、ニンジン、レタスなど一通りの野菜がそろっています。


今回はレタスとミニトマト、オリーブの実を選んでみました。


フルーツも選べるので、桃と……。


プラムをゲット。


袋入りのクラッカーも置いてありました。


本日のスープはトマトベースで野菜がたっぷり入ったミネストローネ。


メインはスパゲティーやチキンプレートなどを選択可能。今回はチキンを選び、受け取りカウンターに向かいました。


小さな紙に選べるメニューが書いてあるので、好きなものに丸をします。「WHITE MEAT」はムネ肉で、「DARK MEAT」はモモ。今回はモモに丸を付け、他はマフィンとマッシュポテトをもらうことに。


出てきたお皿はこんな感じ。


運動量の多い兵士たち向けの食事だけあって、ボリューム満点です。


飲料コーナーはこんな感じ。


コーラなどの清涼飲料水用のドリンクバー。


日本のファミレスなどではあまり見かけない牛乳とチョコミルクのドリンクバーがあるのがユニーク。1日平均約20ガロン(約75リットル)の牛乳が1日に消費されるそうです。


ビタミン飲料とアイスティーがあります。


今回はアイスティーを入れてみることにしました。


後は、トレーを持って食堂の中の席に向かえばOK。


一般兵士用の座席はこんな感じ。


階級が上の兵士のみが使用できるシートは少し背もたれなどが豪華。


そして、これが今回選んだ食事の全貌。


ミネストローネは調味料の味ではなく、よく煮込まれた野菜のコクが味わえる控えめな味付け。軍隊の料理というと勝手に油ギトギト、塩ドバーというようなものを想像していましたが、予想に反してとても繊細な味です。


アイスティーは日本のペットボトル飲料のものと大差ない印象。


メインディッシュのチキンはハーブが塗りつけられた表面がこんがりと焼けて食欲をそそる香りを上げています。


表面をアップで見るとこんな感じ。


肉質はジューシーで柔らかく、肉の臭みとしつこさをハーブが消してくれているのでいくらでも食べられそうなくらい美味。


付け合わせのマッシュポテトにはコクのあるグレービーソースがかかっており、かなりの量があるのに飽きることなく食べられます。


マフィンはちょっとパサパサだったので、お茶で流し込みつつ食べる感じ。


食べ終わった後は、出口付近にある下膳用のコンベアーにトレーごと流すだけ。ごちそうさまでした。


というわけで、ファミレスなどの食事と比較すると数段上を行く食事が満腹に食べられる仕組みになっており、野菜・肉・炭水化物と栄養バランス的にもかなり考えられている内容の料理でした。なお、メニューは21日で1回りするように作られているそうです。

◆食堂の裏側はこんな感じ

今回は厨房などの裏も見せてもらうので、髪の毛を落とさないように帽子を着用。


キッチン側から食事を受け取る列に並ぶ海兵隊員たちを見るとこんな感じ。


以下のようにいろいろなメニューが並んでいるので、隊員たちは好きなものを選んで食べることができます。


食堂の中に飾られたスイカのデコレーション。


調理場には巨大な蒸し器が並んでいます。


肉料理などをつくるためのオーブンは以下の通り。


ちょうどチキンが焼き上がったところ。


大人の背丈ほどもある棚が並ぶ冷蔵室で余った料理を保存。適切な温度管理を行って後日使用できるようにすることで、廃棄を減らすようにしているそうです。


保存されている食材はこんな感じ。


冷蔵室の扉の内側は閉じ込められてしまった際に使用するための非常脱出装置付き。


食材をカットしている人たち。


急ぎの場合には大型のフードプロセッサーのような機械で一気にカットすることも可能


金属製の刃が付いています。


次は冷蔵室へ移動。


その昔はハンバーガーやナゲットのようなジャンクフード系の食事が多かったそうですが、現在は新鮮なフルーツなどもメニューに取り入れヘルシー志向のメニューになっているとのこと。


乳製品やソース類が保存されている冷蔵室。


カッテージチーズのパックはこんな感じ。


巨大なマスタード。


バケツのような大きさのヨーグルメットのパッケージ。


パン類も大量に保管されています。


アイスクリームも巨大。


大量に保存されています。


スグに使えるように切った後に真空パックに入れてある野菜。


焼き上がったチキン。


チキンの列に並ぶ海兵隊員たち。


1/4ピースに切り分けて配られます。


訓練直後には汗や泥だらけになることもあり食堂に入るには衛生的に問題がありますが、そんな際でもスグに食事をとりたいときはドライブスルーならぬ「ウォークスルー」から料理を受け取ることが可能。


食べ終わった食器が流れてくるベルトコンベアーの前で作業をする人々。


後は自動食器洗い機の中で洗浄されます。なお、この機械は一部の水を循環させて使用するようになっており、水道代を節約するとともに環境へのインパクトを減らす工夫がされているとのこと。


食事のメニューを考えたり、食材の調達を行ったりする部隊のオフィスにも行ってみました。


オフィスの中はこんな感じです。


なお、この食堂は一般には解放されていないので基地を訪ねても食事をすることはできませんが、米軍が各地の基地で開催している「フレンドシップデー」や「エアショー」なのイベントに参加すれば基地内部の雰囲気を味わうことができます。

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in 取材,   試食, Posted by darkhorse_log

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