国内最強のメッセンジャーアプリLINEは世界ではどれぐらいのシェアがあるのか?
By Bhupinder Nayyar
「無料通話アプリ」のキャッチフレーズで広く普及した「LINE」は、スマートフォンの多くにインストールされて日々のコミュニケーションに活用される「メッセンジャーアプリの代表格」と言える存在。今や日本では盤石の地位を築いたともいえるLINEですが、広く世界の状況に目を向けてみると興味深い事実が明らかになってきます。
WeChat Retains Crown as Top Mobile Messaging App - GlobalWebIndex | Analyst View Blog
http://blog.globalwebindex.net/wechat-retains-crown
2014年4月に総務省が発表した「(PDFファイル)情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、2013年後半における日本国内でのLINEの普及率は全年齢層ベースで44%となっています。
さらに、年齢層別でみると20代では全体のおよそ80%がLINEを利用していることが明らかになっており、日本国内でのLINE普及率の高さが浮き彫りになっています。
同じ調査からはLINEの利用率が前年比で約2倍に達していることが明らかになっており、多くの人にとっても「LINE最強」は違和感のないフレーズに聞こえるものと思われますが、いったん世界に目を向けてみると全く違った様相が見えてきます。
マーケットリサーチ企業のGlobalWebIndexは、世界各地で普及しているモバイル向けメッセンジャーアプリのシェアを調査。その結果が以下のグラフで示されているのですが、この中でLINEはViberに次ぐ第6位となっていました。ちなみにViberは2名のイスラエル人によって開発されたアプリで、2014年に日本の楽天が9億ドル(当時のレートで約900億円)で買収してその傘下に収めている企業。
なお、LINEのシェアは「5%」と算出されていますが、前述の総務省による調査は複数回答制だったのに対してGlobalWebIndexの調査は最も使っているものを選ぶ単一回答制だったとみられるため、数字そのものは比較対象にならないという点は注意する必要があります。
このように日本国内の状況とは全く異なる世界の状況が見えてきたわけですが、その中でも突出してシェアを持っているのが中国系メッセンジャーアプリの「WeChat」です。中国名では「微信(ウェイシン)」と呼ばれるWeChatは2011年に中国でサービスを開始し、その後に全世界でもサービスが提供されているアプリ。特に中国を含むアジア地域での普及率が突出しているのが特徴で、日本語版アプリもリリースされています。
WeChat - The new way to connect
http://www.wechat.com/ja/
ヨーロッパにも拠点を置き、世界進出を進めるWeChatですが、GlobalWebIndexは若い世代のユーザーが多いことが最大の強みになっていると指摘。16歳から24歳の年齢層だと33%、さらに25歳から34歳までの層では40%という高い利用率を示しているのが特徴と言えそうです。
必ずしも世界の情勢に沿わなければいけないということはありませんが、メッセンジャーアプリにおいても日本のガラパゴス化が進むことになるのでしょうか。
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