起業家がスタートアップを売却するときに注意すべき9つのステップ

By Steven Depolo

立ち上げた企業を売却することは、スタートアップの創業者にとってとても大事で、まさに人生のターニングポイントと言っても過言ではありません。そんな重要である会社の売却に関して、スタートアップに対し投資を行うYコンビネータに勤めるJustin Kan氏が「起業家が会社を売却するときに注意すべき9つのステップ」という内容の記事を公開しています。

The Founder’s Guide To Selling Your Company
http://justinkan.com/the-founders-guide-to-selling-your-company

◆01：会社を売るのに適した時期を把握すること

By Steve Grosbois

スタートアップを売却するのに最適な時期は「売却する必要がない」もしくは「売却したくない」と感じた時。資金集めに苦労している時や競合との争いに負けそうな時など、会社の経営が苦しいときに売却を考える人がいますが、そういった時に交渉してくる企業の数は少なく、オファーの内容がよくなくても契約書にサインしがちです。だから、買収オファーを断れるくらい余裕があるときに売却を考えるのがベターです。

◆02：売却交渉

By Marcelo Moltedo

会社を売却するという明確な意志がない限り、交渉に臨んではダメ。売却交渉は、資金集めより精神的にも体力的にもつらいことなので、「売却したい」「要求する金額通りのオファーを受け取れそう」と感じた時以外に売却交渉を受け入れるのは危険です。

◆03：会社の価値

By Jay Hsu

買収交渉があったとき、最初に提示される金額が適切であるということはほとんどないので、最初のオファーに対しては「無理です」と言える勇気を持つべき。最初のオファーを断っても交渉が決裂してしまうことはあり得ません。希望通りの値段で会社を売却するには、「交渉を辞めても問題ない」という姿勢を見せ、時には競争入札をいとわないことも大事。

◆04：買収オファーをゲット

By Maryland GovPics

ベストな買収オファーを受けるには、買収を持ちかけてくる企業に「どうすれば効率良く一緒に仕事ができるか」について話し合うべきとのこと。相手がもう一度買収オファーを申し入れるときは「買収する方がビジネスパートナーになるよりベター」と判断したときであり、交渉で有利に立てるわけです。

◆05：受けてはならないオファー

By liz west

買収を仕掛けてくる企業のオファーのほとんどが、売却を考える価値もないモノです。有効期限が明確にされていなかったり、回答期限が24～48時間以内という極端に短かったりするオファーをしてくる企業は、買収に対して真剣に取り組んでいません。

◆06：銀行家を雇う

By Wally Gobetz

投資銀行家を雇うのはとても高額ですが、優秀な投資銀行家は市場勢力を理解していて、どの企業が最も高額な金額で買収しようと考えているか見抜く力を持っています。また、売却金額を引き上げるための交渉術にも優れていて、最終的には得するわけです。

◆07：会社のデータ管理

By Heisenberg Media

企業の売却を交渉している時には、会社のデータを相手に可能な限り公開したほうがいいとのこと。ただし、「自社の社員へのインタビュー」だけは絶対に受け入れてはいけません。

◆08：条件規定書にサイン

By TMAB2003

条件規定書にサインする前には、ビジネスだけでなく法律の観点からもう一度オファーを見直し。そのために交渉期限が過ぎてしまいそうなら、交渉期限を延期させるべき。一度交渉が成立してしまえば、売却側に内容を変更する権利はなくなってしまいます。ただし、条件規定書にサインした後でも、相手から一方的に破棄されることもあるので、サインしたからといって安心するのは禁物。

◆09：株式譲渡・事業譲渡などの手続き

By innoxiuss

会社の売却プロセスで最も多くの危険を含んでいるのが、最後の最後にやってくる株式・事業譲渡などの手続きです。株式・事業譲渡手続きはほとんどの場合、弁護士が法的な要素を、創業者がビジネス的な要素を処理することになります。手続きを無事に終えるには、優秀な弁護士を雇い、かつ、弁護士が相手ではなく自分のために働いていることを確実にさせることが大事です。