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Twitterがイーロン・マスクと買収案について交渉開始か

by Steve Jurvetson

テスラやSpaceXのCEOであるイーロン・マスク氏がTwitterに対して5兆円超での買収を提案している件で、Twitterは「ポイズンピル」で買収阻止をはかっています。しかし、マスク氏が買収資金を調達するめどが立ち、公開買い付けに踏み切られた時に他の株主が応じる恐れがあるということで、Twitterとマスク氏との間で買収に関する交渉が始まったと報じられています。

Twitter, under shareholder pressure, begins deal talks with Musk -sources | Reuters
https://jp.reuters.com/article/twitter-m-a-musk-investors-exclusive/exclusive-twitter-under-shareholder-pressure-to-seek-deal-with-musk-sources-say-idUSKCN2MG0K7

Twitter’s Board Is Said to Seriously Consider Elon Musk’s Bid - The New York Times
https://www.nytimes.com/2022/04/24/technology/twitter-board-elon-musk.html

Twitter Re-Examines Elon Musk’s Bid, May Be More Receptive to a Deal - WSJ
https://www.wsj.com/articles/twitter-re-examines-elon-musks-bid-may-be-more-receptive-to-a-deal-11650822932

マスク氏の提案は「1株54.20ドル(約7000円)」というもので、これは直近1カ月のTwitter株の価格と比べるとかなり高めの値付けです。


ロイターによれば、Twitter株を0.15%保有するヘッジファンド・Kerrisdale Capital ManagementのSahm Adrangi氏が「私なら1株54.20ドルで応じて終わりにする」と語ったように、ヘッジファンドや短期志向の投資家はマスク氏による買収の申し出をそのまま受けるか、あるいはちょっとした増額の交渉を行うかを求めているとのこと。

The Wall Streel Journal(WSJ)も、Twitter株を約0.4%保有しているヘッジファンド・Thrivent Asset Management LLCのLauri Brunner氏が、マスク氏による買収提案を支持していると報じています。同様に、Twitter株を約0.13%保有するヘッジファンドBandera Partners LLCのジェフ・グラム氏は「株主に真の価値を与える代替案を出さない限り、マスク氏の提案から手を引くことはできません。思いつく代替案は、さらに高い入札額を見つけることぐらいです」と述べたそうです。

しかし、長期的な立ち位置な株主は意見が異なり、大株主の1人であるサウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子は「マスク氏の提案は、Twitterの成長見込みを考えると、本質的価値に近いものとは思えません。最大かつ長期的な株主の1人として、私とKingdom Holding Companyはこの申し出を拒否します」とツイートしています。

I don't believe that the proposed offer by @elonmusk ($54.20) comes close to the intrinsic value of @Twitter given its growth prospects.

Being one of the largest & long-term shareholders of Twitter, @Kingdom_KHC & I reject this offer.https://t.co/Jty05oJUTk pic.twitter.com/XpNHUAL6UX

— الوليد بن طلال (@Alwaleed_Talal)


WSJによると、マスク氏はTwitter取締役会議長のブレット・テイラー氏に対して「1株54.20ドルのラインは譲れない」と述べたとのことですが、ロイターは、Twitterの取締役会は1株54.20ドルの提示は低すぎると判断すると見込んでいます。また、The New York Times(NYT)はウォール街の声として、マスク氏によるTwitter買収は成功する公算が大きいものの、買収価格は1株60ドル(約7700円)を下回らないという予想を挙げています。

当初は買収の提案を歯牙にもかけていなかったTwitterですが、マスク氏の買収資金調達の見通しが立ち、「ポイズンピル」があったとしても、公開買い付けが実施された場合に応じる株主が出うると考えられることから、マスク氏と直接交渉することになったとみられています。

なお、交渉開始がただちにTwitterの買収を意味するものではありませんが、4月28日(木)に控える第1四半期決算発表で何らかの成果が報告されるのか、注目されるところです。

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in ネットサービス, Posted by logc_nt

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