17万枚の貴重な1935~1945年当時のリアルな風景がわかる写真を好きなだけ見て探せる「Photogrammar」
1940年前後の世界は1度目の大戦が終わり、経済恐慌を経て2度目の大戦へと突入する直前の時代。そんな時代のアメリカの風景を切り取った17万枚の写真を検索して閲覧できるのが「Photogrammar」です。
Photogrammar
https://www.photogrammar.org/maps
地図から写真を見るには「Interactive Map」の下にある「See map」をクリック。
画面左上のボタンをクリックすることでさらに拡大・縮小が可能。
細かく色分けされているエリアは、個別のカウンティ(郡)を示しています。さらに色が濃いほど保管されている写真の数も多くなっています。
ニューヨーク中心部、マンハッタン島はかなり濃い緑色をしており、写真の枚数も約2700枚と群を抜いています。「See 2698 Pictures」と書かれている部分をクリックすると、保管されている写真を見ることが可能。
写真の一覧が表示され、次々にページを進んで見ていくことができます。
詳細な情報を見るには写真をクリック
写真のタイトルや撮影したカメラマンの氏名、撮影時期や場所のデータを見ることが可能です。例えばこの写真は大恐慌時代に翻弄される立場の弱い人たちを収めた作品で知られるドロシア・ラングによるものである、とわかります。
このほかにも、ニューヨーク市内の風景を撮影したものや……
ニューヨーク北部、ブロンクスの道ばたで遊ぶ子どもの姿などを見ることができます。
なお、マップの表示はカウンティごとの表示とカメラマンごとの表示を選択することが可能。画面右上の「Maps」をクリックし、「Dots」を選択すると……
写真が撮影されたポイントがカメラマンごとに色分けされる表示に切り替わりました。
◆FSAプロジェクトについて
これらの写真は、FSAプロジェクトと呼ばれるアメリカの国家プロジェクトの一環として撮影されたもの。当時のFSA(Farm Security Administration:農業保障局)およびOWI(Office of War Information:戦争情報局)が、1929年の世界恐慌勃発後の主にアメリカ南部の農村の惨状とその復興を記録するため、そしてニューディール政策の効果をアピールするために行われたプロジェクトです。
このプロジェクトでは17万枚におよぶ写真が撮影され、現在でも10万枚以上の写真がアメリカ国会図書館に所蔵されています。プロジェクトの目的は先述の農村部の惨状と復興を記録することに並び、2つの大戦下におけるプロパガンダの一環として利用されていた側面もあるとのことですが、当時のリアルな風景を伝える貴重なコレクションとなっています。
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