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空気イスの姿勢でも足腰に負担をかけずに済む「Chairless Chair」


日常の生活の中や仕事の現場ではどうしても無理な姿勢を強いられることがあるものですが、そんな負担が積み重なると体に異常をきたし、健康に影響を及ぼす恐れが増大します。「イスのないイス」という名前がつけられた「Chairless Chair」は足腰にかかる負担を軽減することを目的とした器具で、たとえば「空気イス」のように通常なら体に負担のかかる姿勢も無理なく取ることができます。

Chairless Chair, an invisible chair that you can wear - CNN.com
http://edition.cnn.com/2014/08/20/tech/innovation/the-chairless-chair/index.html

Chairless Chairの使用イメージはこんな感じ。工場内の作業などで取ることがある中腰の姿勢をサポートするように作られています。靴の底に接続されたバー状のフレーム部品が足に沿って折れ曲がり、お尻の部分にまで伸びて体重を支えるような仕組み。


体に装着する時は、ベルトやベルクロ状のストラップで固定するよう設計されている模様です。このように足と腰の数か所にベルトを巻き付けて装着すると……


中途半端な姿勢でも足腰に負担がかからない仕組み。フレームにはダンパー状の機構が備え付けられており、あらゆる角度で固定できるようになっています。


以下の図のように足の後ろ側に装着し、普段は足の動きと一緒に角度を変えるので動きを妨げることがありません。サポートが必要な時には本体のボタンを押すと角度が固定されるという仕組み。


角度の固定は、本体に内蔵されたバッテリーを電源とするもの。6ボルトの電池を使って24時間の駆動が可能になっているとのこと。さまざまな角度で固定できるほか、今後は足の動きを感知して、モーターを使って動きをサポートする方向への利用も考えられるとのこと。


スイッチを切ったフリー状態だと足の動きを妨げることがないため、このように階段の上り下りの際にも邪魔になることがありません。


混雑した電車の車内などでも役に立ちそう。


Chairless Chairを開発しているのはスイス・チューリッヒに拠点を置くnoonee社。29歳のCEO、キース・グヌーラ氏はイギリスに住んでいた頃にパッケージ工場で働いていたのですが、そこでの仕事中にChairless Chairのアイデアを思いついたといいます。


多くの場合、工場内作業などでは無理な姿勢を強いられることがあるにもかかわらず、それをサポートする仕組みはありません。すると知らないうちに筋肉に疲労がたまり、ひいては思考能力の低下を引き起こし、事故発生のリスクが高くなってしまいます。さらに、無理な負担を受け続けるうちに筋骨格系の疾患につながることもあり、健康に重大な影響を及ぼす恐れがあります。

そんな体への負担を軽減するのがChairless Chairの役目となっています。この製品に関心を示す企業も増えており、9月からはドイツの自動車メーカーBMWの工場で試験運用が始まる予定で、同じくドイツのアウディでも年内にテストが開始される予定になっています。

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in ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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