レビュー

NASA共同開発の解説書で「科学」を体感できるモジュール回路工作キット「littleBits Space Kit」レビュー


「半田付けなし、プログラムなし、配線なし」で、Bitモジュールと呼ばれるパーツをマグネットでポチポチつないでいくだけで、あっという間に電子回路を作成できるモジュールキット「littleBits」に、NASAの科学者・技術者とコラボレーションしたモデル「Space Kit」が登場したので、早速、試してみました。

Space Kit 製品情報 - littleBits
http://jp.littlebits.com/kits/space-kit/

開封
これが「littleBits Space Kit」のパッケージ。つや消しのパッケージはしっかりした作りで、モジュールを保管しておくパーツボックスとして十分活用できます。


パカリとフタを開けると、いきなり現れる「あなたが目指す宇宙飛行士、科学者、発明家、そして開拓者。未開の地に足を踏み入れる、その第一歩はここから始まる。」という強烈なメッセージ。


「活動書」と呼ばれるガイドブックは、NASAの科学者・技術者協力のもと作られた説明書で、これこそSpace Kitの醍醐味とでもいうべき重要な資料です。


上が日本語版で下が英語版。すべての説明が完璧な日本語に翻訳されています。


柔らかい印象のイラストと文字フォント。


さまざまな「科学」を丁寧かつ分かりやすく解説しており、この活動書を見ているだけで、ニヤニヤできそう。


Space Kitのモジュールパーツはこんな感じで上下二段で収納されていました。


Bitモジュール
・POWER
Bitモジュールは機能によって色分けされていて、青色は「POWER(パワー)」関係のパーツとなっています。これは「パワー」モジュール。


回路に電気を送る、必須のパーツです。


電力は、白色のケーブルを使って9V電池から供給されます。


・INPUT
ピンク色は「INPUT(インプット)」関連のモジュール。外界からの操作を受けて、その後に続くモジュールに信号を送信します。これはテレビのリモコンなどの赤外線を受信する「リモート・トリガー」


「マイク」は音を電気信号に変換します。


これは明るさを測定できる「ライト・センサー」。明るさが増すほど信号が強くなるlightモードと暗くなるほど信号が強くなるdarkモードをスイッチで切り替えることが可能です。


・WIRES
これは「ワイヤー」というモジュールで、その名の通りモジュール同士を接続できる距離延長用パーツ。


回路の長さを簡単に延長できるので、非常に便利なパーツです。


・OUTPUT
緑色が「OUTPUT(アウトプット)」関連のモジュールで、光ったり、音を鳴らしたりするパーツとなっています。これは、LEDのライトを点灯させる「ブライトLED」


他のモジュールから来た信号を数値化してディスプレイできる「ナンバー」


マイクやmp3プレイヤーからの信号を増幅するモジュールの「スピーカー」


入力端子に加えてヘッドフォン端子もあるため1人でこっそりと実験したいときに便利。


「IR LED」は可視光線よりも波長の長い光を出すアウトプット・モジュール。


出力される光は目で見えませんが、デジタルカメラなどを使えば見ることができます。


「DCモーター」は、信号を受けるとモーターを回転できるパーツ。


モーターの回転方向はスイッチで切り替えることも可能。


マイクロ・アジャスターと呼ばれるモジュール調整部分を操作できるドライバーも付いていました。


回路を作ってみた
・ウェーブ・ジェネレーター
Space Kitを使って「ウェーブ・ジェネレーター」回路を作り、スマートフォンの音楽を出力してみることにします。まずは、パワーに9V電池を接続。


次にパワーにワイヤーをセット。各Bitモジュールの接続はすべてマグネットで行うところ、マグネットには「+」「-」があるおかげで接続を間違えることは一切なし。


ワイヤーでスピーカーに接続。


さらにケーブルでスマートフォンに接続すればOK。


パワーのスイッチをONにすれば赤色のインジケータランプが点灯して、スピーカーの準備は完了です。


スマートフォンの音楽を出力する様子は以下のムービーで確認できます。

littleBits Space Kitでスマホの音楽を出力してみた - YouTube


小さいスピーカーですが、しっかりと音楽を再生することができました。単純な回路ですが、ここからは、電気エネルギーがスピーカーを振動させる運動エネルギーに変化したことが直感的に理解できます。


なお、活動書には、「スピーカーが振動することで付近の空気を圧縮し、それがポテンシャル・エネルギー(位置エネルギー)になっている。圧縮された空気が拡散することで位置エネルギーが運動エネルギーに変わった」という解説がされています。身近な現象もすべて「科学」いうわけです。

・エネルギー・メーター
次に、パワー→ライトセンサー→ナンバーの順にモジュールをつなぎ、「エネルギー・メーター」という光エネルギー体感回路を作ってみました。


エネルギー・メーターで光エネルギーを可視化するとこんな感じです。

littleBits Space Kitで光センサーを作るとこんな感じ - YouTube


光センサーに手をかざすことで光量が減り、入力されるエネルギーも減ること、また、スマートフォンのLEDフラッシュを照射することでエネルギーが一気に増えることがよく分かります。

なお、活動書には光が「波」によって伝わるエネルギーである「電磁エネルギー」であることや、デジタルカメラが光エネルギーを測定して画像にしていることなどが解説されています。地球の表面を反射する光エネルギーを測って写真を撮っているNASAの人工衛星の原型は、このエネルギー・メーター回路であるとのこと。

・プチ・プラネタリウム
最後に、Space Kitで天文学を学べる自作のプラネタリウムを作ってみました。まずはプラスチックのコップを用意。


底の部分をカッターナイフで切り抜きます。


次にコップの広がっている方を使ってダンボールに円を描き……


カットしたら広がっている方にテープで留めます。


その上に、ブライトLEDをテープで固定して、さらにワイヤーで延長しておきます。


次にこのページからNASAが作成した星図をダウンロードして印刷。


100円ショップで入手した色画用紙を……


こんな風にメガホンの形に丸めて……


先ほど印刷した星図に合うような大きさにカットします。


メガホンの中にコップを入れてテープで固定。


先ほどの星図を円形に切ってから、星の位置にポチポチと穴を開けていきます。


穴を開けたらメガホンにテープで固定。


ワイヤーにライトセンサー・パワーモジュールを接続すれば完成。


部屋を暗くして壁に光をあてると、こんな感じで夜空の星が再現できます。


マグネットでモジュールをポチポチつなげていくだけで誰でも簡単に電子回路を作成できる「littleBits Space Kit」は、NASAとの共同開発した活動書のおかげで身近にある「科学」を体感し、より深く学ぶきっかけを与えてくれそうな、まさに「大人の科学」を楽しめるキットです。

もちろんNASA作成の活動書には分かりやすくて奥が深い解説+具体的な回路作成例のガイド付きで、大人だけでなく子どもでも科学を学ぶのに最適なツールになっており、夏休み真っ盛りの今、自由研究のテーマにも活用できるSpace Kitは、楽しく科学を学びつつ宿題をサクッと片付けるのにピッタリなキットと言えそうです。

なお、「littleBits Space Kit」はAmazonで2万1600円(2160ポイント付)となっています。

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in レビュー,   ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by logv_to

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