マイクロソフトが「Xbox One」のプロモーションでステルスマーケティングを行っていることが判明

Microsoftの「Xbox One」とソニーの「プレイステーション4(PS4)」による据え置き型ゲーム機市場の覇権争いが繰り広げられていますが、MicrosoftがXbox Oneのプロモーション活動の一環として、ステルスマーケティングを行っていることが明らかになりました。

Microsoft Is Offering YouTube Personalities Good Money To Promote Xbox One - iGame Responsibly
http://www.igameresponsibly.com/2014/01/17/microsoft-is-offering-youtube-personalities-good-money-to-promote-xbox-one/

Stealth marketing: Microsoft paying YouTubers for Xbox One mentions | Ars Technica
http://arstechnica.com/gaming/2014/01/stealth-marketing-microsoft-paying-youtubers-for-xbox-one-mentions/

Microsoftによるステルスマーケティングの存在は、マシニマムービーをYouTubeで投稿する「Machinima」が、ユーザーに対して、「Xbox Oneをプレイするムービーを公開してお小遣いをゲットしよう！」という呼びかけを行ったことから判明しました。

Machinimaがユーザーに送ったメールの内容は、Xbox Oneのゲームをプレイする30秒以上のムービーを投稿すれば、1000PV(視聴回数1000回)あたり3ドル(約300円)が支払われるというキャンペーンの告知で、このキャンペーンは2014年1月14日から2月9日までの間、累計125万PVに到達するまで開催されるというもの。

さらに、現在は削除されていますが、Machinima UKコミュニティのマネージャーによって、ユーザーにキャンペーンを周知するツイートがされていたことも明らかになっています。

Xbox Oneのユーザーが、ゲームをプレイする様子をムービーとして投稿して、そのPV数によって見返りを受け取ること自体は、一般的な報酬型の広告手法として非難されるものではありません。しかし、今回のXbox Oneに関するプロモーション活動は、Xbox Oneを販売するMicrosoftではなく第三者が行うものであり広告であることを隠したプロモーション活動であると言えます。

また、Ars Technicaは、「今回のキャンペーンでは先着125万PVのみが報酬の対象となっているが、ムービー自体はキャンペーン終了後も引き続き公開されることから、ムービーの投稿者に対する追加の報酬なしでプロモーション活動が行えるという点で公平とは言えない」と指摘しています。

なお、明らかになったMachinimaのEメールには、Microsoftが125万PVのプロモーション費用として3750ドル(約39万円)をMachinimaに支払うことが記録されていましたが、Microsoftがそれ以外の金銭をMachinimaに支払ったかどうかは明らかにはされていないということです。

熾烈な販売競争を繰り広げる新世代据え置き型ゲーム機は、2013年末までにXbox Oneが300万台以上、PS4が約420万台を販売しており、現在のところ闘いはほぼ互角。ソニーもPS4をゲットして興奮しまくる超巨漢のムービーに関与していたことが明らかになるなど、両陣営のマーケティング競争も熾烈を極めています。

ステルスマーケティングはほめられた手法ではありませんが、覇権奪取のために、今後もさまざまなマーケティング活動が行われるのは確実。ゲームファンは情報の信憑性をより慎重に見極める必要があると言えそうです。