合計49個のスピーカーで目を閉じていても動きがわかる「ドルビーアトモス」を導入したTOHOシネマズ ららぽーと船橋で映画「ゼロ・グラビティ」を見てきました
左右に各9台、天井に18台、シアター前方のセンターと左右各2台と、後方に8台の合計49台のスピーカーを設置し、シアターに合った形で音を調整して「目を瞑っても誰がどこにいるかわかる」臨場感のある音響を作り出すことができる「ドルビーアトモス」を国内で初めて導入したのがTOHOシネマズ ららぽーと船橋です。11月22日(金)のグランドオープンを控えて、映画「ゼロ・グラビティ」のプレス向け上映会が開催されたので、従来の音響とどれほど違うのか、体験してきました。
TOHOシネマズ ららぽーと船橋11月22日(金)グランドオープン
メインスクリーンに独自規格のラージスクリーン 「TCX」
日本初、ドルビーの革新的なシネマ音響 「ドルビーアトモス」を導入決定! || TOHOシネマズ
http://www.tohotheater.jp/news/funabashitcx.html
ららぽーと船橋に到着。
これまでTOHOシネマズは南館にあったのですが、新しく西館3Fへ移転。「ドルビーアトモス」を導入したシアターも含め、11月22日(金)にグランドオープンします。
売店にはドルビーアトモスや独自規格のラージスクリーン「TCX」が大きく掲げられています。
「ドルビーアトモスとは何か?」と言うと、音声データをサラウンドミックスしていない状態で配給し、シアターに最適化させた形で音響を調整、音を特定の位置に正確に配置し、シアター内で音を移動させることで「動き」の効果を創出する仕組みです。
TOHOシネマズ ららぽーと船橋に設置されている計49個という数のスピーカーは通常シアターの約2倍で、18個のオーバーヘッドスピーカーを実際に音が移動するため映画の中にいるような臨場感が体験できるもの。劇場支配人さんにお話を聞いたところ、家庭での映画鑑賞が普及しており、スマートフォンを使って映画を見る人も多くなってきていますが、しっかりとした大画面と音響で映画館でしかできない体験をお客様に届けたいということで、今回日本初のドルビーアトモスをTCXと共にTOHOシネマズ ららぽーと船橋に導入したそうです。
通常シアターはこんな感じですが……
ドルビーアトモス&TCXが使ってあるシアターはゲートからして特別仕様。
今回上映されるのはサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニーが出演するゼロ・グラビティ。
ゼロ・グラビティは医療技師を務めるライアン・ストーン博士が船長を務めるマット・コワルスキーに連れられ宇宙遊泳をしている最中に、宇宙ゴミがシャトルに衝突、シャトルは壊され、2人が宇宙に取り残されてしまう、というストーリー。実際のNASAの宇宙飛行士が最も忠実に宇宙空間を再現した映画として「ゼロ・グラビティ」を評価しており、全米で大ヒットしている作品です。
ゲートをくぐって入場します。
これがシアターの内部。
中は床もイスもダークな色合い。これは光の反射効率を低減させ、鑑賞の邪魔にならないようにするため。
天井を見ると、何やら緑色のライトが点灯しています。
緑色のライトで照らされていたのはスピーカー。天井には1列につき9個ずつ並んだスピーカーが2列、計18個取り付けてあります。
シアターの最奥から前を見るとこんな感じ。
左を向くと壁に9個のスピーカー。
右の壁にもスピーカーが9個取り付けてあります。
左右の壁に取り付けてあるスピーカーを下から見るとこんな感じ。
シアター後方に8台取り付けてあるスピーカーは、左右の壁に取り付けてあるものとは別のタイプ。
シアター前方は壁一面がシルバースクリーンとなっており、同規模座席数のスクリーンよりも画面サイズを120%拡大。サイズは19m×10mで、より最適化した映画体験を行うために座席数はその分少なくなっているとのこと。なお、シルバースクリーンの向こう側には左右に各2台とセンターに1台のスピーカーが設置されています。
スクリーンは本当に壁ぎりぎりまで。
上映時間が迫ってきたので階段を上って座席まで移動します。
シックな雰囲気の座席は硬すぎず柔らかすぎず、広さは通常のシアターと同じくらいでした。
前には荷物とカサを掛けられるようになっていました。
ということで、ゼロ・グラビティ上映会が開始。
映画「ゼロ・グラビティ」の内容は以下の予告編から確認できます。
映画『ゼロ・グラビティ』予告1【HD】 2013年12月13日公開 - YouTube
映画『ゼロ・グラビティ』予告2 衝突編【HD】 2013年12月13日公開 - YouTube
映画『ゼロ・グラビティ』予告3 漂流編【HD】 2013年12月13日公開 - YouTube
映画『ゼロ・グラビティ』予告4 絶望編【HD】 2013年12月13日公開 - YouTube
※ここから先の内容には映画の内容を含むので、これから映画を観覧するという人は注意が必要です。
実際に映画を見てみたところ、映画序盤の会話シーンから音の移動を非常に感じます。基本的に画面に映っている登場人物が話す時は前面のスクリーンから音が響くのですが、それ以外の通信相手からの音声や、人物が画面をフェードアウトしていく時の声、あるいは周囲の音などは天井や壁側面、シアター後方から聞こえているため、映画の中の状況のど真ん中に落とされたような感じ。映画の中ではスペースデブリ(宇宙ゴミ)が登場しますが、スペースデブリが前方からやってきて自分の横を通り過ぎる様子、あるいは火災シーンでサンドラ・ブロックの背後から響く重低音、水の中を泳ぐときの音など、動きのあるシーンで音響のすさまじさを感じました。今回は3Dムービーだったのですが、音響と3D効果、そして映画ゼロ・グラビティ特有の無重力を表現するカメラワークが加わると、映画鑑賞というよりアトラクションのようになるので、確かに家庭では楽しめない体験です。
ドルビーアトモスは2014年からTOHOシネマズ日本橋においても導入される予定。TOHOシネマズ ららぽーと船橋では、現段階で通常の映画と同価格でドルビーアトモス導入シアターの映画を見ることができるということなので、一度足を伸ばして新しい映画体験をしてみてもよさそうです。
映画『ゼロ・グラビティ』オフィシャルサイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/gravity/
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