iOS 7はリリース日にトラフィック全体の20%を占めたことが判明
アメリカ東部標準時で2013年の9月18日の13時にリリースされた、Appleの提供する「iOS 7」、これはiPhone 4以降のiPhoneや第5世代iPod touch、iPad 2以降のiPad、Apple TVなどで使用可能な最新のiOSです。このiOS 7がリリースされた当日、なんとネットワークトラフィックの約20%がiOS 7のダウンロードに費やされた、という統計結果をArs Technicaが紹介しています。
iOS 7 downloads consumed 20 percent of an ISP’s traffic on release day | Ars Technica
http://arstechnica.com/information-technology/2013/11/ios-7-downloads-consumed-20-percent-of-an-isps-traffic-on-release-day/
ネットワークの「詰まり」を緩和する設備を提供するSandvineの出したレポート「Global Internet Phenomena」によると、北アメリカのとあるインターネットプロバイダーでは「Appleのアップデートが利用可能になってから、すぐにiOS 7のダウンロードはネットワークトラフィック全体の20%を占め、これは夜のピーク時間まで全体の15%以上を占めていた」とのこと。レポートによると、無線通信でiOS 7にアップデートするには、iPhone 5が760MB、iPad 2が900MB、Apple TVが729MBのデータをダウンロードする必要があり、iTunes経由でパソコンからアップデートを行った場合には、iPhoneは1.2GB、iPadが1.4GBのデータサイズをダウンロードする必要があったようです。
レポートには「とても面白いのは、ネットワークトラフィックのピーク時にはトラフィック全体の大きさが顕著にふくれあがっていた、という事実です。いくつかのSandvineの顧客であるプロバイダーではiOS 7の引き起こすトラフィック需要を入念にモニターしており、それらの観測結果から我々は来年のiOS 8のリリースに備える」と書かれています。
◆トラフィック全体の傾向
Sandvineの作成したレポートGlobal Internet Phenomenaでは、iOS 7以外にもネットワークトラフィック全体の傾向を調査しており、これによるとビデオストリーミングサービスの存在がいまだにトラフィック全体の中で大きな割合を占めるとのこと。中でもYouTubeはトラフィックを大きく増やし続けており、ピーク時にはダウンロードトラフィックの約18.7%を占めているようです。さらに、北アメリカではピーク時にNetflixとYouTubeがインターネット・トラフィック全体の約半分を占める、ということが数ヶ月前に明らかになっていましたが、現在ではそれらのトラフィックは50%を上回るようになりました。
これが北アメリカでのネットワークトラフィックのピーク時需要内訳。「Downstream(ダウンロードトラフィック)」におけるNetflixとYouTubeの使用割合を合計すると50.31%。また、少し前まではトラフィックにて大きな割合を占めていたBitTorrentは、ピーク時で全体の約7.4%占める程度。ファイル共有全体でみても、もはやトラフィック全体における割合は10%未満となっています。
これはモバイル端末におけるピーク時トラフィックの内訳。過去と比較してもそれほど大きな変化はありませんが、スマートフォンやタブレットを家庭のWi-Fiなどに接続して使用する、という使い方が増えているようです。
またレポートでは、可能な限り最高の画質でYouTubeを見たいならば昼食時や夕方は避けるべき、と書かれています。その根拠となっているのが下のグラフ。グラフの横軸が時間、縦がデータ転送レートを表し、グラフの赤線が大きく下がっている時間帯(グラフ青枠部分)にはYouTubeにつながりにくい、ということを示しています。ストリーミング動画配信サービスのHuluでは夜のピーク時(20、21時)やお昼(12、13時)の時間帯にサイトにつながりにくくなるということはないのですが、YouTubeではどのISP(インターネットサービスプロバイダ)でも見られた問題であったようです。この通信品質低下の原因は、YouTubeがホストされているGoogleサーバーへのアクセス超過により起きており、アメリカのランチタイムとヨーロッパの夜のピーク時間がかち合うことによるものとみられています。
さらに、ヘビーユーザーの中のトップ層わずか1%がアップロード・トラフィック全体の39.8%を占め、ネットワークを重くしてることが下のグラフ赤枠部分を見るとわかります。また、あまりネットワークを利用しないライトユーザー層50%を合わせても、月間合計トラフィックの6.8%にしか満たないということも、グラフ青枠部分をみるとわかります。
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