空に落下しそうなサカサマ世界での大冒険が描かれた「サカサマのパテマ」舞台挨拶
11月9日から公開されている映画「サカサマのパテマ」の舞台挨拶が大阪ステーションシティシネマで行われ、監督の吉浦康裕さんと、ヒロイン・パテマ役の藤井ゆきよさんが登壇しました。
映画『サカサマのパテマ』オフィシャルサイト
http://patema.jp/
本作の宣伝文句は「初めて見るサカサマスペクタクル」。タイトルの通り、パテマは主人公の少年・エイジから見るとサカサマ(重力の作用する方向がサカサマ)で、エイジがしっかり手を掴んでいなければ空に落ちていってしまいます。同時に、パテマの視点で見るとエイジは天井からぶら下がったコウモリのような状態で、エイジたちの世界にいる限りパテマの足元には広々と空が広がっているので、何かにしがみついているか、屋根の裏側に立たない限りは落ちていってしまいます。
作中ではエイジ側の視点とパテマ側の視点が効果的に使い分けられており、特に、この世界の謎が暴かれていく中盤以降の大活劇は、脳みそがサカサマになるような感覚が味わえます。
ということで、登壇したお二人の話は以下から。
吉浦康裕監督(以下、吉浦):
こんな早い時間からお越しいただいてありがとうございます!「イヴの時間」から2回目の大阪で、来ることができて嬉しいです。
藤井ゆきよ(以下、藤井):
今日は、雨の中、朝からありがとうございます!最後まで楽しんでいって下さい。
Q:
昨日は東京で初日舞台挨拶でしたが、東京と大阪の違いは?
吉浦:
東京は女性のお客さんが多くて、大阪は圧倒的に男性ですね!(※大阪は会場の8~9割が男性だった) 藤井さんのパワーですね!
Q:
まずは吉浦監督にお伺いします。「イヴの時間」ではアンドロイドを描き、今回はサカサマの世界を描いていますが、この世界を描こうと思った理由は?
吉浦:
僕は北海道出身で、子どものころに空を見上げていたとき、雲海が高いところから見下ろしているかのように感じたんです。ふと、実はこっちが天井で、空が地上なのでは?と妄想することがよくあって。みんながよく想像することだろうと思っていたら、そうではなかったので、「じゃあ、この設定をいつか使おう!」とネタ帳にずっと放り込んでいたんです。
実は僕は、高いところがすごく苦手で、観覧車もダメなんです。「空を飛ぶ気持ち良さ・爽快感」よりも「高いところは恐い」というところを描こうと思いました。恐がりの方が、恐い作品を作れると思うので、そういうところに視点を置いて作りました。
Q:
パテマ役に藤井さんを起用した理由は?
吉浦:
とにかく声です。本編では、14歳という微妙な年頃の男女が終始抱きついて手をつないでいます。これが爽やかに見えるには、擦れてない初々しい雰囲気が欲しくて。めちゃくちゃうまくて艶っぽい声でもダメで、制作した2年前の、藤井さんの初々しい声をぶつけてほしかったんです。
サカサマに抱きつき合うエイジとパテマ
Q:
すでにヨーロッパでの上映が決定していますが、率直な感想は?
吉浦:
コンセプトが分かりやすく、どの国でもシンパシーを感じることができるようで嬉しいコメントを多く頂きました。一般上映できることがとても嬉しいです。
Q:
続いて、藤井さんへの質問です。パテマ役のオファーがきたときの率直な感想は?
藤井:
オーディションでこのストーリーを知ってから、絶対に取りたかった役なのでとっても嬉しかったです!初めて声優の事務所に入って決まったオーディションなので、私にとってもすごく思い入れの深い作品です。
Q:
“サカサマ”のパテマ役で苦労した点、意識した点は?
藤井:
想像するしかなく、自宅で逆立ちをしてみたのですが、役に立ちませんでした……(会場笑) しかし、アフレコの日がすごく綺麗な青空で、映像も同じように綺麗で、ここに吸い込まれてしまうって恐いなと感じることができて、映像に助けられました。少年・エイジ役の岡本信彦さんが、バンジージャンプを飛ぶときの感覚と似ていると教えてくださって、私も役作りのために飛んでおけばよかったと思いました(会場笑)
Q:
吉浦監督とのお仕事はいかがでしたか?
藤井:
オーディションが3回あったのですが、3回目は1~2時間ぐらい、会議室で監督と読み合わせをしました。監督が声色を変えてエイジ役をやってくださって!(会場笑)
Q:
あっという間に終わりの時間となりました。最後に、一言ずつご挨拶をいただきたいと思います。
藤井:
本作に関わらせて頂いて本当に幸せです。一度、記憶を忘れて観客として観たいと思った作品です。最後まで楽しんでください!そして公開2日目なので、これからみなさんの口コミなど沢山つぶやいてくださったら嬉しいです!おおきに!
吉浦:
僕も映画がすごく好きで、こうやって舞台挨拶など観に行ってたんです。なので、こうやって朝早くから来てくださったのが本当に嬉しく思っています。制作には100人を超えるスタッフが関わり、この作品を好きだと言ってくれて、丁寧に綺麗な線を引いてくれました。純粋に作品を楽しんで頂いて、そして参加してくれたスタッフがたくさんいるんだなと知って下さったら、監督として嬉しいです。そして、みなさんが広めてくださると嬉しいです!宜しくお願い致します。
映画「サカサマのパテマ」は角川シネマ新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、大阪ステーションシティシネマなど全国で公開中。GyaO!・ニコニコチャンネル・J:COMオンデマンド・ビデオパスの4サイトでは、本編の序章部分にあたる始まりの1日を描く「サカサマのパテマ Beginnig of the Day」全4回を配信中です。
◆スタッフ
原作・脚本・監督:吉浦康裕(「イヴの時間 劇場版」)
音楽:大島ミチル
配給:アスミック・エース
公式サイト:http://www.patema.jp
© Yasuhiro YOSHIURA/Sakasama Film Committee 2013
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