「劇場版 空の境界 未来福音」鈴村健一さん・須藤友徳＆あおきえい両監督による舞台挨拶

2013年9月28日から劇場公開されている「劇場版『空の境界』未来福音」の舞台挨拶がマチ★アソビ vol.11で開催され、黒桐幹也役の鈴村健一さん、未来福音の須藤友徳監督、未来福音と同時上映であった「未来福音 extra chorus」のあおきえい監督が製作時などの話を語りました。

劇場版「空の境界」未来福音 舞台挨拶 - マチ★アソビ vol.11 2013.09.28~10.14開催
http://www.machiasobi.com/events/kara_mirai_sz.html

未来福音 | 空の境界
http://www.karanokyoukai.com/miraifukuin/index.html

会場となったufotable CINEMAのTheater 1には大勢の人で満員。

司会進行を担当したのはアニプレックスの高橋祐馬さん。

そして黒桐幹也役の鈴村健一さん、未来福音の須藤友徳監督、未来福音 extra chorusのあおきえい監督が大きな拍手で迎えられ舞台挨拶が始まります。

徳島どころか、このマチ★アソビ vol.11で四国に初上陸したという鈴村さんは、いつもは舞台挨拶などのイベントというと気持ちが少しピリッとしているそうですが、この日は徳島のアットホームな雰囲気に迎えられリラックスムード。

須藤監督は、まず始めに、舞台挨拶前日に行われた「劇場版『空の境界』未来福音 生オーディオコメンタリー」の様子を語っていました。通常、DVDなどの特典として収録されるオーディオコメンタリーは、映画の公開が終了してから行うものなので、製作時の記憶が薄れていることもあるそうです。しかしこの生オーディオコメンタリーイベントは映画公開の2週間後に行われたので、須藤さんも製作時の思い出などがフレッシュな状態で頭に残っていたため、いつもとは違う形のオーディオコメンタリーにできたとのこと。また、「未来福音 extra chorus」のあおき監督も同イベントに参加しており、楽しい雰囲気で2時間という長丁場のイベントを行えたことに満足の様子でした。

舞台挨拶を見に来た人の中には劇場版「空の境界」未来福音を公開初日に6回観賞、その後も映画館に足を運び、合計18回見たという熱烈なファンもいました。驚いた高橋さんが、その人に映画の感想を聞いたところ、「今までの空の境界は、どちらかというと少し暗い雰囲気でしたが、未来福音からは以前よりも明るく、暖かい空気を感じた」と、ゲストの3人も納得の回答。鈴村さんも、未来福音には全体的に暗いムードであった「空の境界」よりも、ハッピーで明るいシーンが多いと感じたそうです。また、映画全体の明るい雰囲気を強調するのに、両儀未那が重要な役割を果たしていたとのこと。

須藤監督によると、「作品の明るさをどのように表現するか」は映画製作時に意識していたポイントで、その結果、以前の空の境界よりも昼間のシーンが多くなることに。しかしながら、昼間のシーンであっても、空の境界シリーズの雰囲気を崩さないように、ビルの路地裏の場面では明確な影を入れ、明と暗のコントラストを強調する絵作りを心がけていたそうです。

舞台挨拶は、観客にも映画の感想を聞いたりして、かなりリラックスした雰囲気で進んでいきました。映画を9回観賞した人の「extra chorusのラストシーンで主人公の2人がそっと手をつなぐシーンがとても印象的であった」という意見に、あおき監督はかなりうれしそうな様子。主人公2人の手のアップだけで構成された「手をつなぐシーン」は、顔の表情なしで感情を表現するという、作品の中でも作るのが難しいシーンの1つだったので、ファンの人がそこに注目してくれたことは素直にうれしかったとのこと。

「劇場版『空の境界』未来福音」は、同時上映である「未来福音 extra chorus」が先に、その後に「未来福音」が上映されるという2部構成。映画の製作が開始されても、どちらが先に上映されるか知らなかったため、両監督は少し困惑したそうですが、須藤監督は、今となってはこの順番が最適だったと思えるほどになったとのこと。今までの空の境界の積み重ねがよく表現されており、今まで見続けてくれた人にはごほうび的な作品になっている、という思いをextra chorusを見て感じたそうです。

あおき監督は、同時上映のextra chorusが未来福音の後に上映されると思っていたので、先に上映すると判明したときには一旦考え方を変えて作品作りに臨んだことを明かしていました。

「劇場版『空の境界』未来福音」の後に「空の境界 第七章」を見たという高橋さんは、2つの作品にはリンクしているシーンがあるのでは、と感じたとのこと。須藤監督によると多少似せているシーン構成もあるそうです。

最後にみなさんで観客に対してお礼の言葉を述べ、拍手喝采の中舞台挨拶は幕を閉じました。なお、「劇場版『空の境界』未来福音」は2013年9月28日から劇場公開されています。