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10万円台のノートPCで作ったSF映画「TONIGHT I STRIKE」のメイキングがすごいことに


近未来のとある街で1人の青年が姿を消した妹を探し、悪党やロボットとのバトルを繰り広げる……というムービーが「Tonight I Strike」で、VFXを使用した迫力ある美しい映像が使われているのですが、実はプロジェクトは約150万円という資金でスタートし、ムービーの編集に使用したのは約12万円のHP Pavilion Notebook PC dv6でした。約15分の本編と共に「どうやってムービーが作られていったのか?」というメイキング映像も公開されており、非常に興味深いものとなっています。

‘Tonight I Strike’: bringing sci-fi to life with a $1,200 laptop | The Verge
http://www.theverge.com/2013/10/11/4824724/tonight-i-strike-bringing-sci-fi-to-life-with-a-laptop-dan-gaud

「Tonight I Strike」本編は以下のムービーから見ることができます。

TONIGHT I STRIKE on Vimeo


薄暗い部屋で捕らわれた主人公。


誰かが階段を降りてきました。


現れたのは鼻にケガを負った男性。


「鼻のこと、悪かったよ」と主人公が言うと、思い切り殴られます。


お前は誰だ?と男性。


主人公は何も答えません。


すると、場面が切り替わり、主人公が少女とくつろぐ映像が映し出されます。


空へと発射されたシャトルに指をかざす少女。


「シャトルはどのくらい高くまで行くの?」と少女が尋ねると、「空よりも高くだよ」と主人公。


「天国くらい?」と返され、「そうだよ、天国くらいだ」と答えます。


主人公を置いて少女は駆け出し、「私を見つけてね」と言い残します。


空では打ち上げられたシャトルが宙を漂います。


そして爆発。


場面は変わって今度は料理をするアンドロイドの手が写し出されました。


アンドロイドがいたのは主人公の家。


「アンナを見かけた?」と話しかけられるとアンドロイドは手を止め「は……いいえ」と答えを改めます。


ソファにどさっと寝転ぶ主人公。


何かに気づいたらしく、ぬいぐるみの山に向かうと……


アンナと呼ばれた少女の姿。なかなか見つけられなかったのでちょっと不機嫌です。


ブレスレットの一部を外します。


「次見つけられなかったら、これを返して」と主人公に手渡す少女。


見つけられなかったお礼にと2人はアイスクリーム屋さんへと向かいます。


主人公がアイスクリームを買っている間に……


アンナは1人の少女と出会います。


しかし主人公が席に戻ると、そこにアンナの姿はありません。


あっという間に消えてしまったアンナを必死で探す主人公。


場面が変わり、暗い森の中を走る主人公。


一件の家を発見。


中にいたのは冒頭で登場した男性。


主人公は覆面姿です。


男性の後ろにはロボットの姿。


ロボットが攻撃の姿勢を見せると……


すかさず主人公は男性を攻撃。


男性を攻撃したことに端を発し、仲間がどんどん襲いかかってきます。


何とか攻撃をかわしたところで、今度はロボットの登場。


銃を手に取りますが……


いくら撃ってもまったくダメージを受けません。


テーブルをつかみ……


ブン投げます。


キッチンがボロボロに。


取っ組み合い。


そしてトドメの一発を入れられます。


暗転。


そして冒頭のシーンへと戻りました。「お前は誰だ?」と尋ねる男に対し……


「床に落ちている紙を見ろ」と主人公。


メモ用紙を拾い上げます。


「妹だ」という主人公の言葉と共に現れたのはアンナの写真。


消えた妹を主人公は果たして見つけることができるのか?というのがムービーのあらすじ。迫力ある映像でテンポよくストーリーは進むのですが、このムービーは監督である28歳のDan Gaudさんの指揮のもと、1200ドル(約12万円)のPCを使って編集されたもの。もともとGaudさんはMacBook Pro (Early 2008)を使用していたのですが、プロジェクトを実行するのに十分ではないとして8GBのRAM、 2GHzのCore i7 プロセッサー、HDスクリーンを備えたHP Pavilion Notebook PC dv6を購入。まず3DアプリケーションのSoftimageを使用しムービーの大まかなイメージを作成しました。VFXを使用した映像の作成には一般的にmental rayPixar's RenderManといったソフトが使用されますが、GaudさんはMaxwell Renderを使用。Maxwell Renderは空に仮想の太陽を配置し、光の効果を適切に使うことができたとのこと。

VFXによって「Tonight I Strike」がどのように変わっていくのか?というメイキングムービーは以下から。

TONIGHT I STRIKE - THE MAKING OF on Vimeo


本編に出てきたアンドロイドが野菜を切るシーン。


実際に撮影された映像では、野菜が人間の手によってカットされています。


体中にマーカーがつけられ、モーションキャプチャで動きが記録されます。


アンドロイド役の男性。


完成した映像と撮影された映像を比較するとこんな感じ。


まず、PC上で3Dモデルが作成されます。


暗闇に浮かんでいるのはアンドロイドの目の部分。


コンピューター上で台所のシーンを再現。


影などを加えていきます。


質感が変化。


先ほど暗闇に浮かんでいた目をはめ込んで……


実際に撮影された映像と合成。


一軒家での戦闘シーンで登場したロボット「TINMAN」


3Dモデルはこんな感じ。


着色前。


着色後。


さらに実際の映像と合成させるとこんな感じ。


戦闘シーンは床にマットを敷き、TINMAN役の男性とやりあいます。


マットや男性の姿を消し……


PC上で作成したTINMANを合成。


なお、半壊されていたキッチンも実際には傷1つついていませんでした。


戸棚の前でテーブルが割れて砕け散る様子をくっつけます。


さらに不自然にならないよう棚の扉を無くしたりと効果をプラス。


3DモデルのTINMANに……


左側から光が差し込んでいるような効果を入れます。


TINMANを実際の映像と合成して完成。


完成されたムービーの映像と撮影された映像を比較するとこんな感じ。


取っ組み合い。


半壊するキッチン。


冒頭で男性が登場するシーン。背景には特に何もありません。


3DモデルのTINMANを作成。


青っぽい光のエフェクトを入れます。


輪郭をぼやかして……


背景にセット。


さらに青っぽい映像にして不気味な雰囲気に。


シャトルの様子は、まず、通常の空を撮影。


雲の間から地球が見えます。


淡い色に変化。


シャトルはこんな感じ。


影を加え……


どんどん本格的な雰囲気に。


空の映像と組み合わせます。


光の効果をプラスして完成。


冒頭で主人公が薄暗い森の中を走るシーンは、実は明るい森の中で撮影されました。


アクション。


明るい映像ですが……


完成すると不穏な雰囲気になっています。


兄妹が草原でくつろぐシーンは実際に晴れ空の下で撮影されたもの。


楽しそうに笑う少女。


走るカメラマン。


一軒家に向かってダッシュする主人公を追い掛けます。


完成した映像はこんな感じ。


血だらけの悪役も、本番中以外はいい笑顔。


ある意味ホラー。


撮影中。


カメラを向ける先には……


アンナ役の女優さん。


みんなでジャンプ。


撮影メンバーはこんな感じでした。

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in 動画, Posted by darkhorse_log

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