映画「プロメテウス」のビジュアルエフェクト作成過程を制作会社が公開
探査船プロメテウス号に乗り込んだ専門家チームが、人類の起源についての情報が秘められたはるか宇宙の彼方の星へ向かうSF映画「プロメテウス」。その宇宙船航行シーンや着陸、星の探索などでどのように映像にビジュアルエフェクトをかけていったのか、実際に制作を担当したThe Moving Picture Company(MPC)がムービーをYouTubeで公開しています。
ちなみに、「プロメテウス」後半の内容も含まれているので、ネタバレ注意です。
MPC Prometheus VFX breakdown! - YouTube
最初のシーンはプロメテウス号が惑星LV-223にやってきたところ。
まずは恒星(太陽)を配置。
次に、そこに重なるように星を配置。
LV-223を作っていく段階に入りました。まずは星の表面。
ここに雲のエフェクトを追加していきます。
それっぽくなったところにプロメテウス号を配置。
移動中なので、推進エフェクトなどを追加。これで完成です。
次のシーンに移動しました。これだけでは何だかさっぱりわかりませんが……
右側に山が配置されました。
左側のスペースにはもっと大きな山並み。
その間に雲を配置して航跡をつければ、プロメテウス号が惑星に降下していくシーンのできあがり。
今度はわかりやすく、リドリー・スコット監督によるイメージスケッチから開始。
これをコンセプトアートにしたもの。
実際に作っていくときは、まずは空の絵があって……
そこに山を重ねます。
そしてプロメテウス号を配置。もちろん、その間にはウェザリングの処理や大気の表現なども行われています。
着陸したプロメテウス号から探査車両が走っていくところ。
実際にはプロメテウス号は存在しないし、それどころか、山もありません。ロケ地は広い荒野だったわけです。
エベレストすら足元に及ばない山々があって、その中に人工物らしいものを見つけて探査に向かっているわけですが……
撮影時は、車両は荒野を走っているだけ。
磁気嵐が襲来したシーン。
リドリー・スコット監督のイメージスケッチはこんな感じで、あちこちに落雷している様子が描かれています。
CGのプロメテウス号を荒野に配置、そこに磁気嵐のエフェクトを追加していって……
ちょうど嵐から逃げる位置に、別録りの車両を合成。
探索の最中に、ファイフールドとミルバーンが謎の生物に出会ったシーン。
キシャー!
この不気味な生き物はこのようにCGで作られています。
ミルバーンの体内に入り込もうとしているピンチのシーン。
生物は後から合成されているので、ミルバーン役のレイフ・スポールは大口を開けてウワァァァ!と演技。
メット内部にこんな感じで生物が貼り付いていればいいかな?というイメージ
それに合わせて、CGを当てはめていきます。
こちらは終盤、巨大宇宙船が墜ちたシーン。手前に小さく走る2人の人間の姿があり(白い粒が宇宙服のメット)、左後方に落下した宇宙船があります。
このシーンの撮影風景。2人の後ろからバギーが3台走ってきています。追われているというイメージですね。
バギーは消されて、LV-223に合わせた背景に作り替えられています。
そこに宇宙船が登場。
宇宙船はゴロゴロ転がっているので、土埃を合成。
色などを合わせれば、宇宙船に追われて危ない!というシーンの完成。
右側に見えているのは巨大な宇宙船の端で、そのちょっと左側に立っているのが主人公のエリザベス。
このシーン、エリザベス役のノオミ・ラパスは荒野に立ち尽くしていて……
そこに宇宙船を合成。
ディテールを足していき……
完成していた、というわけです。
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