メモ

どうしてフルマラソンの世界記録は2時間を切ることができないのか?


フルマラソンは、42.195kmの距離を走って順位を競う陸上競技で、現在の世界記録はケニア出身のウィルソン・キプサング選手の2時間3分23秒となっています。2時間の記録を破るまではあと3分24秒ですが、この2時間の壁は破ることができないことが明らかになりました。

Why a Sub-2:00 Marathon Won't Happen Soon | Runner's World & Running Times
http://www.runnersworld.com/general-interest/why-a-sub-200-marathon-wont-happen-soon


フルマラソンを3時間以内に完走することを「サブスリー」、2時間10分以内に完走することを「サブテン」と呼び、日本人ランナーであればサブテンを達成していれば優秀なランナーだといえます。キプサング選手は9月29日に行われたベルリンマラソンで、これまでの世界記録を15秒更新する新記録を打ち立てました。2時間まではあと3分24秒(=204秒)で、もしこれを切ることができれば「サブツー」達成となるわけですが、Runner's World&Running Timesは、生理学的に考えるとこの204秒の壁は超えられないだろうと述べています。

By Chema Concellon

しかし、サブツーを達成するためには残り204秒を詰めなければならないので、1マイルあたり「204秒÷26.2マイル(約42.195km)=7.78秒」も速く走る必要があります。

By lukexmartin

「現在の世界記録よりも1マイルあたり7.78秒速く走る」ことができれば、5000m競走だと現在の記録である12分37秒が12分13秒に更新され、10000m競走だと同様に26分17秒から25分29秒に、ハーフマラソンだと58分23秒から56分41秒に縮まることになりますが、「できれば」という仮定を達成するのは難しいというレベルではありません。

By Martin_Heigan

The Science of Sportのロス・タッカー博士によれば、ウサイン・ボルト選手は200m競走で19秒19という驚異的な世界記録を保持していますが、400m競走の世界記録は43秒18、800m競走では1分40秒91と距離に比例してペースは落ちていきます。これは生理学的に、距離の増加に伴って肉体に「抑制」がかかるため。

By José Goulão

肉体的な限界ゆえにサブツー達成はまだまだ困難だという見解を示したタッカー博士ですが、一方で「2時間3分00秒」を切るのは5年以内だと確信しており、その次の「2時間2分」の壁には、そこからさらに10年ほどで到達できるだろう、と述べています。

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in Posted by darkhorse_log

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