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【訃報】「serial experiments lain」「キノの旅」の中村隆太郎監督が死去


1998年に放送され今でも根強い人気のある「serial experiments lain」や、時雨沢恵一のライトノベルをアニメ化した「キノの旅」、作品全体に不思議な雰囲気が漂っていた「神霊狩/GHOST HOUND」、テレビアニメ版の「サクラ大戦」などで知られるアニメ監督の中村隆太郎さんが、6月29日に亡くなりました。58歳でした。

これは、中村さんが監督・脚本を務めた作品「ちびねこトムの大冒険」のTwitterアカウントで明かされたもの。中村監督は膵臓ガンで闘病していたとのこと。


中村さんはマッドハウス出身。初めて監督を担当したのは「ちびねこトムの大冒険 地球を救え!なかまたち」という劇場用アニメーションで、5年の歳月と6万枚の動画をかけて制作され1992年に完成しましたが劇場公開はされず、一部のTV放映や地方での上映会などでの公開にとどまり、アニメファンの多くはもちろん、業界関係者でさえもが約20年以上ほとんど作品に触れる機会に恵まれなかった“幻”の作品となっていました。

1994年に宮沢賢治の童話を原作とした「グスコーブドリの伝記」で監督デビュー。1998年に脚本家の小中千昭さん、イラストレーターの安倍吉俊さんと組んで生み出した「serial experiments lain」は、中村監督自身も含めてスタッフがコンピュータに精通していたことから緻密かつ見るものをうならせる描写が行われ、今でも国内外に根強いファンがいる作品となっています。


アニメ以外の仕事だと、ゲーム「ポポロクロイス物語」や「NOёL3」、「ブレスオブファイアIV」のアニメパートを担当しました。

中村・小中・安倍のトリオは、2009年からアニメージュに「ですぺら」という大正時代を舞台にこの時代を生きた人々を描く“大正電脳絵巻”を連載。アニメ化企画もあったようですが、中村さんの体調が思わしくないことから2010年時点で企画は凍結、2011年に発行された書籍版でアニメ化の話はなくなったらしいことが明かされていました。

・追記
2016年夏に、中村監督のことをよく知る人たちが集まって、監督がどういう人だったか、ともにどういう仕事をしたかを語った「プレイバック中村隆太郎」というイベントが開催されました。このイベントレポートを読むと、中村監督の人柄や仕事への取り組み方がわかるはずです。

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in メモ,   アニメ, Posted by logc_nt

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