「serial experiments lain」BD-BOX発売、全編フルHD対応でまさにプレゼント・デイ、プレゼント・タイム、HAHAHAHAHAHAHA

「serial experiments lain」は1998年に放送された作品でありながら、すでに現在のインターネットの状態を想定していたかのような恐るべき先見の明と、今見てもまったく違和感のないレベルでやけにリアルな描写で、見たものに鮮烈な印象と衝撃を与える作品であり、今もなお語り継がれるほどの質の高さだったわけですが、それがちょうど1年前、ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントの上田耕行プロデューサーがアニメ「serial experiments lain」のBlu-ray Disc化が始まったことを明らかにしました。Blu-ray化にあたっては通常のDVDをBlu-ray化するのとは違って血反吐にまみれたすさまじい執念深さの高画質化作業が行われたことが公式ブログでは随時報告され続け、ついに21世紀の現代にBD-BOXとして蘇ってきた！という流れになっています。

その執念が実ったのか、既にAmazon.co.jpでは品切れ状態という有様になっており、その人気の深さというか業の深さのようなものを再び白日の下に晒けだしており、「lainはやはりすごい作品だったのだなぁ……」ということを思い知らせてくれています。

というわけで、実際にどれだけ高画質化されたかというのがわかる1080pのティザームービー再生と、BD-BOXについての詳細は以下から。
Amazon.co.jp： serial experiments lain Blu-ray BOX|RESTORE (初回限定生産): 中村隆太郎, 清水香里, 大林隆之介, 五十嵐麗, 川澄綾子, 浅田葉子: DVD

上田プロデューサーいわく「発売前にちゃちゃっと作った」と言いつつも、本編の映像が相当なクオリティであることが窺えるティザーPVをまずはご覧下さい。

YouTube - laintizer.mov

「serial experiments lain」が放送されたのは1998年。今のようなブロードバンド時代以前に作られたネットワーク社会を題材とした作品で、その特異な作風からカルトな人気を博しました。文化庁メディア芸術祭では優秀作品にも選ばれています。

今回のBD化にあたっては35mmフィルムから再テレシネ(フィルムのDVD化)しHD対応、全カットデジタル修正を行い、デジタルパートは全て再撮影しています。茨の道だった作業の様子は上田プロデューサーが綴った「serial experiments lain Blu-ray LABO プロデューサーの制作日記」の過去ログにすべて凝縮されています。

ジャケットはこんな感じ。

ディスクは4枚組で、うち本編ディスクが3枚、特典ディスクが1枚、日本語・英語音声を収録。ディスク1には玲音役の清水香里さんによるBlu-ray化記念オーディオコメンタリーが収録される他、ディスク1～3にはそれぞれ13話すべての絵コンテを完全収録。特典ディスクにはPV、CM、予告、ウェザーブレイク、ノンクレジットオープニング、エンディングテスト映像など放送当時の素材がたっぷりと詰め込まれています。

豪華装丁は安倍吉俊描き下ろし。CDはサウンドトラックとcyberia mixの2枚組。全24ページのカラー解説書のほか、現存する設定資料すべてを収録した「INSIDE　serial experiments lain | RESTORE」(モノクロ316ページ)もついてきます。

BD-BOXは2011年1月末までの期間限定生産で、価格は税込2万7300円。発売元はジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントです。

また、このBD-BOX発売にあわせて、入手困難となっていた公式シナリオブックが「scenario experiments lain／シナリオエクスペリメンツレイン [新装版]」として復刊される事が決定。

こちらは11月中旬に復刊ドットコムにて先行販売され、12月中旬から一般販売も行われるそうです。予価2625円(税込)。

著者は小中千昭で、カバー・イラストレーションは安倍吉俊が担当。復刊ドットコムからの発行です。

・スタッフ
企画・原案：Production 2nd
オリジナルキャラクターデザイン：安倍吉俊
監督：中村隆太郎
脚本：小中千昭
キャラクターデザイン：岸田隆宏
音響監督：鶴岡陽太
音楽：仲井戸CHABO麗市
アニメーション制作：トライアングルスタッフ
制作協力：GENCO

・キャスト
岩倉玲音：清水香里
父・岩倉康雄：大林隆之介
母・岩倉美穂：五十嵐麗
姉・岩倉美香：川澄綾子
瑞城ありす：浅田葉子
山本麗華：手塚ちはる
加藤樹莉：水野愛日
四方田千砂：武藤寿美

© GENEON UNIVERSAL ENTERTAINMENT

ちなみに、「lain」はGIGAZINEにもやたら深い影響を与えていることが以下のインタビューで明らかになっています。

ITmedia Biz.ID：キミはGIGAZINEを知っているか？――山崎恵人さん

　最近好きな言葉は「当たり前を積み重ねれば特別になる」――。「日々、当たり前に記事を更新していたらいつのまにかここまできました」と笑う。積み重ねの原点、つまりインターネットに興味を持ったきっかけは、1998年制作のアニメ「serial experiments lain」だった。

　serial experiments lainは、現実社会とネットワークをめぐる14歳の少女・lainの物語。このアニメを見てインターネットに興味をもった。ネットを経由して現実に影響を与えたい――。そんな思いを胸に、山崎さんの「連続した実験（serial experiments）」はGIGAZINEで続いていく。