新聞社がカメラマンを全員クビにして記者にiPhoneでの写真撮影トレーニングを開始

By FreshFiber

以前にシカゴ・サンタイムズのTVおよびラジオコラムニストを務め、2013年の4月までタイムアウト・シカゴの評論家であったロバート・フィードル氏が自身のFacebookにシカゴ・サンタイムズの記者がiPhoneを使った写真撮影の練習を受けさせられているという内容の投稿をしました。フィードル氏はシカゴ・サンタイムズの編集長から記者に宛てたEメールも投稿して公開しており、記者がどのようなトレーニングを受けるのかも詳細に記されています。シカゴ・サンタイムズは先日写真部のフォトグラファーを全員解雇し、今後はフリーランスやリポーターに写真やビデオ撮影を頼む方針であることを発表しており、カメラマンなど同業種の人たちからかなりの批判を集めていたばかりで、今回の件においてもフォトグラファーから強く批判されています。

Robert Feder - Sun-Times reporters begin mandatory... | Facebook
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=574828549206261&id=175146445841142

Robert Feder - MEMO TO SUN-TIMES EDITORIAL STAFF FROM... | Facebook
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=575244935831289&id=175146445841142

Chicago Sun-Times will train reporters on ‘iPhone photography basics’ | Poynter.
http://www.poynter.org/latest-news/mediawire/214954/sun-times-will-train-reporters-on-iphone-photography-basics/

The Idiocy of Eliminating a Photo Staff - Assignment Chicago
http://newsblogs.chicagotribune.com/assignment-chicago/2013/05/the-idiocy-of-eliminating-a-photo-staff.html

フィードル氏が公開したシカゴ・サンタイムズの編集長から記者に宛てたEメールによると、写真部のフォトグラファーを全員解雇した次の日からiPhoneを使った撮影の基本的なトレーニングが始まったようで、そのトレーニング内容は「iPhone撮影の基礎」「ムービーの撮影と編集の基礎」「ソーシャルメディアへのアップロード方法」という3種類の要素にフォーカスしています。

By Alan Levine

シカゴ市で発行されているもう1つの新聞シカゴ・トリビューンのフォトジャーナリストであるアレックス・ガルシア氏は、編集部員が撮影も上手だとは限らず、iPhoneは撮影機具として不十分であると、今回のシカゴ・サンタイムズの決定がばかげている理由を説明しています。

ガルシア氏によれば、記者の仕事脳はビジュアルやスペースなどを考えて撮影するフォトグラファーとはまったく違うものであり、2つの仕事を一緒にすることはできないとのこと。ガルシア氏はムービーと写真撮影でさえ違う考え方でアプローチしなければいけず、リポートと撮影をひとくくりにすることはばかげているとしています。また、iPhoneはただのスマートフォンであり、望遠レンズは付いておらず、マニュアル操作もほとんどできないので撮影には向いていない、とガルシア氏はかなり否定的な姿勢を見せています。

By Mike Baird

なお、先日解雇されたフォトジャーナリストたちの中にはピューリッツァー賞を受賞したこともあるジョン・ホワイト氏も含まれており、新聞社におけるカメラマンの存在価値がアメリカではかなり低くなってきているようです。