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開始4周で中断、そして再スタートと大波乱のF1韓国GPが終了、その結末は?


レースの開催2ヶ月前になってもサーキットの施設が未完成の状態で、いざレースの直前にチームが現地入りしてちょっと不安な状況を伝えていた韓国国際サーキットですが、なんとかF1世界選手権韓国グランプリの決勝が無事に開催されました。

レースは雨の中、ひどいコンディションでスタートし、わずか4周で中断。1時間弱ののちに再開され、周囲が薄暗くなる中でゴールを迎えました。

果たして、大波乱という表現でも足りないぐらいの波乱だった韓国GPを誰が制したのか、いろいろな情報とともにまとめてみました。
Formula 1 - The Official F1 Website

レースはフリー走行、予選、決勝で構成されており、金曜日と土曜日にフリー走行、土曜午後に予選、日曜に決勝が行われています。そのフリー走行で、早速サーキットのちょっと不思議な仕様が明らかになりました。


これはレッドブルのマーク・ウェバーのフリー走行の様子。

YouTube - Formula1 2010 Korean GP FP2 Webber on three wheels [HD]


右前輪が浮いてしまっています。


「Red Bull is really starting to give wings now huh?(レッドブルは本当に翼を授かるようになったのか?)」というコメントがつけられているように、確かにまるで飛んでいるかのようなレッドブルのマシン。


通常、縁石は舗装とは別に石を敷設してありますが、このサーキットではなぜか縁石風の塗装になっていました。そのため、マシンが頻繁に通るうちにだんだんと舗装が凹んできた結果、落とし穴のような状態になってしまいました。

YouTube - 2010 F1 KOREA GP FP2 TURN16


車の底を擦りながら駆け抜けていくマシンたち。


一瞬砂煙が上がるシーンも。


そしてとうとう山本左近がこの穴でバランスを崩してスピンしてしまいました。このため、この箇所はネットでは密かに「左近コーナー」と呼ばれていました。


ピットレーンもちょっと危険だったようで、マクラーレンのルイス・ハミルトンは危うくピットイン前に事故を起こすところでした。

YouTube - Formula1 2010 Korean GP Qualifying Hamilton Wild Off Pit Entry [HD]

白線の左側が通常のレーン、右側がピットへとつながるレーン。


バランスを崩すハミルトン。


壁やタイヤバリアがなかったため、無事レーンに復帰。


小林可夢偉もなぜかピットレーンを踏み外していました。

YouTube - Formula1 2010 Korean GP FP1 Kobayashi Wide in Pit Entry [HD]


さらには、コースの安全を確かめるためのセーフティーカーがまさかのコースオフ。

YouTube - Formula1 2010 Korean GP Safety Car Off [HD]


どうやらブレーキをかけたところ、タイヤが滑ってしまったようです。


そのままコースオフ。


と、色々な不安要素はそのままに、決勝当日は雨でコンディションが悪い中、セーフティーカーの先導でスタートしました。「まるで湖の中を走っているみたいだ」とドライバーが悲鳴を上げ、4周目にして赤旗が振られ、レースは中断することに。

約50分間ののち、再びセーフティーカー先導でスタートとなったレースは、現在ランキング1位にいるレッドブルのマーク・ウェバーが早々に姿を消すという波乱の展開。レースはランキング3位のセバスチャン・ヴェッテル、フェラーリのフェルナンド・アロンソ、マクラーレンのルイス・ハミルトンらによって争われることになりました。中盤、セバスチャン・ブエミ(トロ・ロッソ)のクラッシュにより再びセーフティーカーが入り、1位を走行していたヴェッテルはかなり稼いでいたリードをゼロにされるなど苦しみ、最後はリタイアすることになりました。レースを制したのは運にも恵まれたフェルナンド・アロンソでした。この優勝でアロンソはドライバーズポイント25を加算し、ランキングトップに躍り出ることになりました。

2位はマクラーレンのルイス・ハミルトン、3位にはアロンソのチームメイトであるフェリペ・マッサが入りました。小林可夢偉は8位入賞で、日本GPに続く連続入賞を飾りました。

なお、韓国GPを運営するKAVO(韓国オート・バレー・オペレーション)会長はAUTOSPORTの取材に対して「皆にとってもっといい環境を整えたいと思っていた。来年に向けて手を打つつもりだ。もっといい環境にしたいと思っているし、来年にはそうしなければならない。ここにはレースを見るだけでなく、その他の設備を楽しむためにも足を運んでもらいたいのだ」とコメントしているそうです。

観客としては、展開は決まり切ったものよりも波乱があったほうが面白く、こういうレースも無しではないかも……という気持ちもありますが、F1はマシンが時速300km以上で走るだけにちょっとした要因から大事故が起こる可能性もあり、もし来年以降も開催の予定があるのであれば、安全性だけはしっかり確保してもらいたいと思います。

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in 乗り物,   動画, Posted by logc_nt

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