MicrosoftがAdobeを買収する案も、モバイル市場でのApple優勢への対抗策
マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOと、アドビシステムズのShantanu Narayen CEOがサンフランシスコのAdobe本社で話し合いを持ったことをニューヨークタイムズが報じました。会合の内容はモバイル市場でのアップル優勢への対抗策の協議で、共同戦線の提案などのほか、マイクロソフトによるアドビ買収案も出たそうです。
この報道を受けてアドビの株価は一時的に17%上昇し、値幅制限の発動により5分間の売買停止措置も行われたとのこと。
詳細は以下から。
Microsoft and Adobe Chiefs Meet to Discuss Apple - NYTimes.com
ニューヨークタイムズが報じたところでは、10月7日にサンフランシスコにあるアドビシステムズ本社にて、アドビのShantanu Narayen CEOとマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOが会合を持ったそうです。話し合いは1時間を越え、主なトピックは「携帯電話市場でアップルに対していかに共同で戦っていくか」というものだったとのこと。オプションの一つとして、マイクロソフトがアドビを買収するというものも含まれていました。
この、「マイクロソフトがアドビを買収する」という観測から、株式市場でのアドビシステムズ株価は上昇。一時は17%高を記録したそうです。
米アドビ株:一時17%高で値幅制限-マイクロソフトによる買収報道 - Bloomberg.co.jp
アドビ株、マイクロソフトによる買収観測報道で急伸=米市場 | テクノロジーニュース | Reuters
マイクロソフトとアドビが親密な関係にあるかというとそんなことはなく、2007年にマイクロソフトが開発した「Microsoft Silverlight」は「Adobe Flash」と競合する存在で、両者は火花を散らしました。
ニューヨークタイムズのメール取材に対して、アドビシステムズ専務理事のHolly Campbell氏はこの会合の存在を否定せず「アドビとマイクロソフトは何百万もの顧客を抱える企業同士ですから、CEO同士が合うこともあります」とコメント。しかし、「彼らの私的な会談について、その時期や話題を公にコメントすることはありません」とも続けました。一方、マイクロソフト側は「噂や推測にはコメントしない」と返答したそうです。
関係者によると、会合の話題としてはスティーブ・ジョブズ(アップルCEO)がiPhoneでAdobe Flashをサポートしなかった件について、そしてマイクロソフトとアドビが協力することでアップルの圧力を捌くことができるのではないかというものだったそうです。また、別の関係者は、マイクロソフトは数年前にもアドビを口説いたことがあり、司法省が動くことを恐れて成立しなかったと語りました。この人物は、「かつて技術の巨人はマイクロソフトだったが、今はグーグルとアップルだ」とも語っています。
果たして、過去のものだと言われてしまったマイクロソフトが、アドビと組んでモバイル市場のトップを奪い取る日は来るのでしょうか。
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