予想以上に難易度の高い知育菓子「つくろう!おべんとう!」でお弁当そっくりな何かを作ってみた

粉に水を加えてお弁当型のグミのようなお菓子を手作りできる、クラシエフーズの「ポッピンクッキン つくろう!おべんとう!」が発売されていたので買ってきて作ってみました。
クラシエフーズ(旧カネボウフーズ)といえば「練れば練るほど色が変わって……うまい!」のCMでおなじみの「ねるねるねるね」の会社、と聞くと、なんとなくどんなお菓子なのか想像できる人も多いのではないでしょうか?
「ねるねるねるね」のような「作る系お菓子」あるいは「サイバー菓子」は、小学生の時以来トライしたことがないという人も多いかもしれませんが、最近では粉に水を加えて練るだけといった単純なもののみならず、かなり細かい手順を踏んで複雑なものを作り上げる進化した商品も多く展開されているようです。今回の「つくろう!おべんとう!」も作ってみると予想外に難易度が高く時間もかかり、夏休み最終日に手を付ける自由研究のような、工作の宿題で終わりが見えず途方に暮れるような、何ともいえない懐かしい気分にさせられました。
作成レポート&試食レビューは以下から。ねるね研究室|つくろう!おべんとう!の作り方|クラシエ
パッケージはこんな感じ。

「豊かな創造力を育む知育菓子」とのこと。「知育菓子」というのは登録商標のようです。

裏面に作り方が載っています。

1箱114kcalと、子どものおやつにちょうどいいエネルギー量。カルシウムも162mg含まれています。

原材料はこんな感じ。

対象年齢は書いてないのですが、「小さなお子様では作り方が難しいので、保護者の方が一緒に作ってあげてください」とあります。箱に載っている作り方を読んで理解することができない年齢の子どもは、大人が一緒に作った方がよさそうです。

箱の中にはこんな袋が入っています。

この袋がお弁当を載せるシートになるので、点線に沿ってハサミで切り開きます。

ここにできあがったお菓子を載せるというわけ(弁当箱は入っていません)。

袋の中身はこんな感じ。トレーとフォークと絞り袋、「おにぎり」「たまごやき」「ブロッコリー」「タコウィンナー」「ナポリタン」のもととなる5種類の粉、そしてパンダ型おにぎりの目や耳などに使う「ごましお」(実際にはグレープ味)とナポリタン用の「トッピング」が入っています。「ねるねるねるね」のようなものを想像し、「子ども用だからそんなに難しいことはないはず」と正直甘く見ていたのですが、この材料の多さから「ねるねるねるね」とはレベルが違う……とうすうす勘づき始めました。ハイキングのつもりが登山に来てしまったような感覚です。

まず、トレーの角にある水の計量用の三角カップを切り離します。

この型でお弁当を作っていきます。

「コップに水を準備しよう!」と箱には書いてありましたが、注ぎ口がある容器の方が小さな三角カップに注ぐ際こぼしにくいかもしれません。途中で手を洗うことや、水や粉をこぼす可能性を考えると、水道の近くで作った方が無難です。

手をしっかり洗って作成開始。まずはこの緑の袋の「ブロッコリーのもと」でブロッコリー(っぽい形のお菓子)を作ります。ちなみにブロッコリーはマスカット味とのこと。

トレイのブロッコリー型の部分(キノコのような形です)に粉を入れ……

三角カップ1杯分の水を注ぎ……

フォークで混ぜ混ぜ。白い粉に水をかけると鮮やかな緑になるのも、子どもが喜ぶポイントかもしれません。3分で固まるそうです。

次に卵焼き。この四角い部分で作ります。

ここでも水は三角カップ1杯分。たまごやきはグレープ味とのことです。

フォークでよく混ぜ、平らにならします。色が混ざるのが嫌な場合は、フォークをティッシュなどでぬぐいながら使うとよいかもしれません。

ウィンナーも同様に、トレーのタコ型の部分で作ります。

こちらはイチゴ味です。

ウィンナーに使う水も三角カップ1杯分。型の外にはみ出た液も、フォークを使ってタコ本体の方に流しこむと、表面張力で盛り上がりつつタコ内に納めることができます。

続いておにぎり。おにぎりのもとはこれまでの3品より大きめの袋で、ヨーグルト味とのこと。

長方形のプールのような場所で作ります。水は三角カップに2杯分。

まぜまぜ。いままでのものより水気が少なく、弾力があります。

粉がまとまったら2つに分けます。なんとなくクッキー作りっぽい光景。

おにぎりは、型に入れるのではなく手で成形。粘土遊びのような感覚です。まずは、先ほど2つに分けた生地の片方で、シートにあるガイドを目安にパンダの顔と耳を作ります。

残り半分は三角おにぎりに。

続いてこの「ごましお」(グレープ味)の出番。

トレーにあるパンダの目・鼻・口の部分に「ごましお」を入れます。ここにおにぎりを押しつけてパンダの顔を転写するというわけ。

左下の長方形の「のり」の部分にも「ごましお」を入れたら、余った分を真ん中の楕円の穴に入れます。トレー上にこぼれた「ごましお」もこの穴に流し込めばOK。

三角おにぎりを長方形の「のり」にグッと押しつけ……

のりづけ完了。

パンダおにぎりもギュッと押しつけて目や口を転写します。

こんな感じ。

先ほど余ったごましおを入れた穴の中で、パンダの耳をころころ転がして粉をまぶします。

耳を顔につければパンダおにぎりのできあがりです。

完成したおにぎり2個。

次はナポリタン作り。先ほどおにぎり作りに使った場所で作ります。

水は三角カップ2杯分。

フォークでよく混ぜます。

いよいよこの商品の目玉とも言える「しぼり袋」の出番。袋の口を外側へ折り返して持ちましょう。

フォークを使って、ナポリタンの生地を袋に入れます。


チョキンと絞り口をカット。

完成したお弁当を載せるシートに直接しぼります。ナポリタンは一度しぼると形を崩さずに動かすのが難しいので、お弁当をお皿などに盛りつけたい場合はそのお皿に直接しぼるとよさそうです。

YouTube - 「つくろう!おべんとう!」でナポリタンっぽいお菓子を搾り出す
緊張の瞬間。

「お子様はしぼり袋を使うのが大好き。しぼり袋で楽しくナポリタンを作ります」と公式サイトでも大プッシュされている絞り袋です。

絞り終えたところ。

そこへ「トッピング」をかけて、できあがり。

先に作ったブロッコリーやウィンナーなどもそろそろ固まっているはずなので、盛りつけていきましょう。まずはブロッコリー。

フォークで取り出す際にちょっと崩れてしまいました。

緑色のマッシュルームっぽい。

ブロッコリーの教訓を生かし、ウィンナーは型を裏から指で押してみると、フォークを使わずともするっときれいに型から外すことができました。

タコさんウィンナーです。

卵焼きはフォークで巻き巻きしながらはがします。

表面がウェーブ状なので、だて巻きっぽいかもしれません。

ウィンナーの横に置いて、完成。

そして出来上がったお弁当の全容がこちら。作成時間は40分程度。かなり細かい作業もあるので、不器用な大人より指が小さな子どもの方が有利かもしれません。今回は撮影しながら作成したので普通に作るより多少時間がかかったと思いますが、子どもと一緒に作る場合は最低でも30分、後片付けなどの時間も考慮し余裕を持って時間を確保しておいた方がよいと思われます。

気になる味の方はというと、パッケージにもサイトにもどこにも「グミ」という単語はなく「お菓子」という言葉を使ってあったのがうなづける、グミともゼリーともつかぬ不思議な食感。おにぎりはヨーグルト味、ナポリタンとたまごやきはグレープ味、ウィンナーはイチゴ味などバラエティ豊かな味付けとなっているのですが、食べる前に個々のフレーバーを知っていれば「これはグレープ」「これはマスカット」とわかるものの、何味なのかを伝えずほかの編集部員に試食してもらったところ、「イチゴ」や「ヨーグルト」といった言葉は一切出てきませんでした。
試食した編集部員の感想は以下のような感じ。
編集部員1:科学の実験で生成された何かを食べている気分。科学的な甘さ、科学的な食感。なんかぷるんぷるんしてる。ああ、子どもの時はこういうのをありがたがって食べていたなぁ、みたいな。
編集部員2:このシリーズは割と対象年齢以降になっても食べていたが、その頃に比べると格段の進歩をしている。見た目と食感がビミョウだが味はラムネみたいな感じ。ラムネをベースに塩をかけたり、フルーティーな香りがしたり、甘さに緩急を付けている感じが印象的。味は悪くないし、遠くから見たときのインパクトも悪くないが、接近してしげしげと観察してはいけない気がする。味は悪くないよ!
手間がかかるものの作成する時間も楽しむことができ、食感は好みがわかれるものの味は決して悪くはなく、子どもが喜ぶ味とも言えるので、休みの日などに親子でトライしてみてもよいかもしれません。
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in 試食, 動画, Posted by darkhorse_log
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