耳たぶのような柔らかさはそのままに、京都土産の「生八ツ橋」をひんやり凍らせてみた

以前GIGAZINEではドーナツを凍らせると意外とイケるということを発見しましたが、その際「生八ツ橋も凍らせるとおいしいですよね」と編集部内でつぶやいたところ、「聞いたことがない」「邪道だ」「もともとおいしい生八ツ橋をみすみす冷凍するなんて……」と、八ツ橋を凍らせようと思ったことすらないというような反応を受けてしまいました。

「凍らせてもコチコチにはならず生八ツ橋特有の耳たぶのような柔らかさとモチモチ感はそのままに、あずき味の棒アイスに近い感じに凍った餡（あん）と絶妙なハーモニーを醸し出し、常温の八ツ橋とはまた違ったおいしさになるんです」と力説しても賛同を得られなかったため、所用で京都へ行った際に購入した生八ツ橋を凍らせ、残暑厳しい8月某日編集部にて総員試食を実施しました。

詳細は以下から。今回用意したのは聖護院八ツ橋総本店の「聖（ひじり）四種詰合せ」と「聖涼（寒天入り生八ツ橋こしあん包）」の2種。

「聖四種詰合せ」は20個入り。

9個入りの「聖涼」は、もともと冷蔵庫で冷やして食べる前提で作られているようです。

冷凍庫へ投入。

約24時間後、「聖四種詰合せ」を取り出してみたところ。

うっすらと結露しています。

左上から時計回りに、「黒胡麻」「もも」「抹茶」「にっき」味。

触った感じは常温の八ツ橋より少し硬くなっていますが、取り出すときに八ツ橋同士がくっついているということはなく、波打った部分もその形に固まっているわけではなく指で押し戻すことができる柔らかさ。

中の餡も少し硬くなっているもののカチカチに凍っているわけではなく、芯までひんやり冷たくなっており、スッと包丁が入ります。

八ツ橋の食感はそのままで冷たくなっていて、冷えたことにより甘さは少し弱くなっていました。冷凍庫から取り出してすぐは食感も多少違ったものの、室温でしばらく置いておくと元の常温の八ツ橋の状態に。試食した感想は「八ツ橋自体がおいしいので冷やしてもおいしい」「夏にはよい」「特にもも味は冷やした方がおいしい気がする」とおおむね好評だったものの、これはあくまで「冷やした八ツ橋」であって、常温の八ツ橋とはまた違ったおいしさの「冷凍八ツ橋」には至っていない……というわけで、未開封の「聖涼」の方は箱から取り出した袋の状態できっちり凍らせ、後日再試食することに。

そして「冷やし八ツ橋」ではなく「冷凍八つ橋」になるまで待ったものがコレ。

取り出してみたところ。今回は八ツ橋同士がかなり強固にくっついていています。

はがしてみても、波打った部分はそのままの形が保たれ、常温の八ツ橋よりはだいぶ硬い感じ。

切ったときの手応えも、前回はスッと包丁を引きながら切れる感じだったのですが、今回は真上からグッと包丁を押しつけて切る感じ。カボチャを切るほどの力は要りませんが、まな板に包丁があたる時には結構大きな音がします。八ツ橋部分に包丁がふにっと沈み込んだ後、硬い餡にあたる手応えがあり、餡の部分はジャガイモ程度の感触でしょうか。

もっちりとかみ応えがありつつも柔らかい皮に、シャリッとした感触に凍った餡がマッチして、これはかなり良い凍り具合でした。室温で1時間ほど置くと元の常温の八ツ橋に戻るので、「冷凍八ツ橋が食べてみたい」という場合だけでなく、お土産にもらった八ツ橋を一度に食べきれない時の保存方法としてもよいかもしれません。ちなみにこの「聖涼」という商品は餡の中に寒天が入っているようなのですが、凍らせると言われてみなければ寒天に気付かず、言われてみても本当に入っているのか疑問に感じる程度の存在感になっていました。

試食した編集部員の感想は以下のような感じで、前回の「冷やし八ツ橋」の時よりもきっちり凍らせたバージョンの方が好評でした。

編集部員1：まわりはふにゃふにゃ、中身はカチコチ、謎すぎる食感に。固いと言っても551のあずきバーみたいな「なにこれ、金属？」みたいな固さはない。適度な固さなのでウマく感じる。

編集部員2：「冷凍」になっても生八つ橋の皮はカチカチにはならないんだなぁと思った。中のあずきが井村屋あずきバーほどではないながらもカチカチになってて、これはこれで美味。個人的にあんこはこしあんよりつぶあん派だけれど、アリ。

常温の八ツ橋もおいしいのですが、甘いものが苦手な人や、そうでない人でも暑くて食欲がない時期には、凍らせた方が食べやすく感じる人もいそうです。個人的には「この皮で雪見だいふくを食べてみたい」と思いましたが、餡を包んでいないタイプの生八ツ橋を冷凍庫で冷やして、アイスクリームを包んで食べてみてもおいしそうです。ちなみに水ようかんを凍らせた「氷ようかん」というものも美味とのことなので、甘党の人は夏にはいろんな和菓子を凍らせてみてもよいかもしれません。