7月1日開始、iPhoneアプリ開発者の新たな収益源となる「iAd」の実例
AppleがiPhoneやiPod touch(「iOS 4」になっているもの)などについて、その上で広告を配信するネットワーク「iAd」を7月1日から配信開始することが発表されました。「iAd」は「iOS 4」上で実行されることになり、iTunes9.2経由で無料アップデートが可能、iOS 4が動作するのはiPhone 3G、iPhone 3GS、iPhone 4、第2世代と第3世代のiPod touchとなっています。
既に広告主からは6000万ドル(約55億円)分の広告掲載申込があったとのことで、Appleは大きな収益を出しているとのことですが、一体その中身はどのようになっているのでしょうか?
詳細は以下から。
Apple to Debut iAds on July 1
http://www.apple.com/pr/library/2010/06/07iads.html
iAd, Apple, iAd Network
http://www.quattrowireless.com/mobile_insight/blog/apple_to_debut_iads_on_july_1
そもそも「iAd」は「Quattro Wireless」という広告会社で、この会社をAppleが買収して作り上げたのが「iAd」というわけです。下記がその公式サイトになります。
iPhone Advertising | Mobile Advertising | Grow Revenue | Reach Consumers | Quattro Wireless
http://www.quattrowireless.com/
以下が実際の「iAd」の例です。アプリ操作中に表示されるバナーをクリックすると全画面で広告が表示されたりするわけですが、すぐに元のアプリに戻ることが可能とのこと。このフォーマットもいろいろなものが用意されているとのことなので、もっとゲームっぽいもの、映画の予告編のようなものなどなど、いろいろと提供されるため、どれが自分のアプリに適しているかを開発者は選ぶことが可能である、というわけ。
広告をクリックするとこのような感じで、アプリっぽい広告が表示されることになるようです。
「iAd」はAT&T、ベスト・バイ、キャンベル・スープ株式会社、シャネル、Citi、ディレクTV、ゲイコ、GE、JCPenney、リバティー・ミューチュアル、日産、シアーズ、State Farm、Target、ターナー・ブロードキャスティング・システム、ユニリーバ、ウォルト・ディズニー・スタジオを含む広告主が既に決定しており、これらの合計が6000万ドル(約55億円)に達しており、米国のモバイル広告市場の実に50%に達しているとのこと。
AppleのCEOであるスティーブ・ジョブズによると、「iAd」は既存の広告よりはどちらかというとテレビの広告のように働き、好きなアプリを操作しているのをハイジャックされて邪魔されることのないような感じで提供されるとのこと。また、iAdを搭載するアプリケーションの作者にはiAdの収益の一部が分配されるため、iAd搭載のアプリは無料、あるいは低価格で提供されるだろうとしており、これによってアプリ開発者が継続的に開発に集中し続けられるようになる、としています。
また、「iAd」はユーザーとインタラクティブに、つまり対話するような感じで提供される広告であり、これまでの広告とは一線を画するとされています。ユーザーはアプリを起動したままで済み、ムービーを見続けたり、ゲームをし続けることも可能だそうです。つまり、ユーザー体験の邪魔をしたりはしない、ということです。
ちなみに、この「iAd」はアプリに簡単にさまざまなフォーマットで広告を組み込めるようになっており、アプリ開発者はこのiAdネットワークの収益の60%を受け取ることができ、iTunes Connect経由で支払われるとのことです。
なお、現時点ではiPadについてはどうなるのか発表されていないのですが、そのうち同じようなものが開始されると予想されます。
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